マガジンのカバー画像

脇役の日記

9
運営しているクリエイター

#日記

脇役の日記vol.8

脇役の日記vol.8

前髪を切った。普段は中野の美容室で髪を切ってもらう俺だがふとそういえば床屋で髪切ったことねえな、なんて思って家の近くにある創業70年以上らしい床屋で髪を切ってもらったりした。
思えば髪が長い人になったのはココ最近の話でそれまではストレスで自分の前髪をむしり取りもはや前髪というものが存在していなかった時期もあった。その反動で髪を伸ばし前髪は常に自分の視界を遮り、視界の端には自分の髪が風と共に揺れて写

もっとみる

脇役の日記vol.7

子供の頃の自分が今の自分を見たらなんて言うのだろうか。あの頃の親が成長した姿の俺を見たらなんと言うだろうか。

当然誰しもが思い描いたような人生を送れるわけじゃないし、送れていない人の方が多いに決まっている。分かっている。

そんなもやもやした気持ちを抱えながら自分の昔の写真を見てしまう。

おいたちのあるばむはこれからもと書かれた母の背表紙。色あせたフィルムに映るまるでフィクションなんじゃないか

もっとみる

脇役の日記vol.6

着ようとしたTシャツの袖が濡れていた。先週は雨が続きずっと部屋干しだったからだろう。とはいえ先週の火曜に洗濯を回し5日経っているのにまだ濡れているとは何事なのだろうか。

そもそも俺の家は外に洗濯物を干しても1日じゃ乾かない。というのも我が家は絶望的に日当たりが悪い。昼間でも電気をつけないと暗い。故に外に干してても陽が当たらない為ずっと乾かないのだ。それ以外は部屋としてはいいのだがそこだけがネック

もっとみる

脇役の日記vol.5

都会の荒野にもまれている。今日もそして明日もついでに昨日も

なんて言うけど都会は荒野にしてはものに溢れすぎている。ピカピカと光っている。ガヤガヤと音が鳴っている。人で溢れている。それでも都会は荒野だと言うのか。

かなり前吉祥寺を散歩していた時駅のアトレにスタバを見つけた。スタバあるんだと思ってその後外に出ると目の前のパルコにもスタバがあるのを発見した。どんなジャンルの荒野なんだよ。

スタバが

もっとみる

脇役の日記vol.4

前髪が視界を遮るようになった。見たくないことばっかりだから俺は前髪を伸ばしている。そんなよく分からないことを言っていた。今でも世の中は見たくないことばっかりで前髪はそんな俺の事を気遣うかのようにただただ伸びている。

ただ見たくなくても見なきゃ行けないものも増えた。それが大人になるって言うことなのかもしれない。知らないけど。

学生時代はストレスで前髪をちぎっていたので前髪が終わっていた。まじで終

もっとみる

脇役の日記vol.3

ため息をつく。

仕事の始まりに、思っていたより進んでいない時間に、彼女の元彼と撮った写真に、彼女が元彼と折半で買ったニンテンドースイッチ空き箱に、薄毛が進行していく父親に、彼女の元彼の好きだったバンドTempalayにYogee New Wavesに、仕事の疲れに、高円寺を歩いているカップルに、上手く鳴らなかったコードに、東京に出て変わってしまったあの娘の髪色に、生活に、自分の凡庸さに、自分に、

もっとみる

脇役の日記vol.2()

こうして仕事を終えひとりぼっちの部屋でカップラーメンを啜っていると思う。なんて無機質な味なんだろうと思う。もちろん味は濃い。ガツンと濃いのだが。何かが物足りない。何かが空っぽなんだなあと感じる。もちろんその何かはカップラーメンに求めるものでは無い。分かっている。

しかしまだ実家で暮らしていたころ。実家で食べたカップラーメンには感じなかった虚しさを感じるようになった。このような正体不明な虚しさとい

もっとみる

脇役の日記vol.2

暑すぎて夏バテと五月病が一緒に来ている。

身体がめちゃくちゃだるいし、全てが嫌になってしまって些細なことに腹を立てたりなどしている。

最近腕に輪ゴムを巻いている。ストレスを感じた時や気持ちを切り替えたい時に引っ張って離す。

輪ゴムは伸びてまた収縮して、俺の皮膚にあたってパチンと言う音とほんの少しの痛みが走る。その感覚を自分の中のスイッチにしている。まあそんなことで特に何が変わる訳でもないんで

もっとみる

脇役の日記vol.1

自己紹介です

1度も主役になれなかったから脇役という名前にしています。別に何がある訳でもない。学生時代はずっと野球部で補欠。勉強も普通。クラスではそんなに目立つ方ではなく、いつも俺の好きな人は俺じゃないというそんな学生時代を送ってきたわけです。

いつも何かやらかしてみたいと思ってはいた。頭の中でムカつく先輩ぶん殴ったり、甲子園でホームランを打ったり、人生を理解したり、現実ではできないことを沢山

もっとみる