見出し画像

”DX”……寝言は寝て言え

DXデジタルトランスフォーメーション
いまや企業組織の流行り言葉みたいになっていますが、背景はどうあれビジネスモデル変革や組織変革は、日本の多くの企業組織、自治体、業界において急務でしょう。

ところで、トップが「DXだ!」と叫ぶ割に、その前提や環境が相変わらず旧態依然だなと思うことしきりです。たとえば……

1.全員を固定時間(9時~17時30分など)で同じ場所に出社させ
2.毎日通勤の労苦に耐えさせ
3.休憩時間も毎日固定かつ45分しか与えられず
4.作業は固定席、会議は会議室。その行き来のみ
5.すべて社内でやろう/やらせようとし
6.外の人の力を借りようにも、そのための稟議や受発注が煩雑かつ重厚長大な事務作業の嵐
7.紙書類、押印、郵送だらけの事務手続き
8.コミュニケーション手段はメールと電話とFAXのみ
(ようやく、社内はTeamsが許可され始めた程度)
9.変えようとすると抵抗勢力がわらわら
10.やっと軌道にのってきたと思ったら、強制転勤させられる

はあ、はあっ、はああああっ!?

あんたたち(御社)、本気でDXやる気あんの? 

正直私はそう思うのです。

こんな旧態依然かつ固定的な制度や環境で、DXとか変革とか起こるって本気で思っているんですか? あまりに虫が良すぎませんか?
「御社、変革の意味わかっていますか?」「社長、気は確かですか?」と素でつっこみたくなる
のです。


いわゆる「無理ゲー」(クリア困難なゲームのたとえ)ってヤツですね。

このような固定的な前提条件や環境を放置しておいて、DXしろ、変革しろと。「寝言は寝て言え」です(苦笑)

上記の全組織一律ルールや慣習を見て「おかしい」って思い、異議を唱えるくらいの感覚でないとDXも組織変革も無理だと思います。

DXはDよりまずX
DXはDよりまずX
DXはDよりまずX

DXとは、前提となるルールや環境(含:法制度)を疑い、異を唱える/変えることも含む変革行動です

いままでのルールや制度を疑い、変えていくくらいでないとDXなんて絵に描いた餅でしょう。

「だって、今まで皆それでやってきたのだから」
「皆、我慢して同じ時間/同じ場所ではたらいているのにズルい」

そういうことを言う人(およびそういう人に迎合しすぎる組織)は、残念ながらDXには向いていないと言えます。

DXに求められるのは、マインドトランスフォーメーションカルチャートランスフォーメーションです。
(根腐れしたマインドを強制的に変えることも含む)

その覚悟、あなたの組織にありますか?

あ、別に保守的な人たちを否定している訳ではありません。ただ、DXには「向かない」と申し上げているだけです。

えっ、それでもなお今までのルールや慣習を変えたくない。変える覚悟がない?

そうですか。DX、うまくいくとイイですね。ごきげんよう♪

以下、参考書籍とプログラムです。
講演もおこなっています。お声がけください。

▼書籍『バリューサイクル・マネジメント』
~各組織の「2.0」の姿をつぶさに描きました

▼書籍『仕事ごっこ』
~無自覚な旧態依然の業務プロセスや慣習、「ブルシットジョブ」を解説

▼書籍『新時代を生き抜く越境思考』
~あたり前に違和感を持ち、変革にどう生かすかを書いた一冊

▼企業向け、DX推進/変革推進者向け越境学習プログラム『組織変革Lab』
~沢渡あまねがプロデュース&講義。直に組織変革を指南します

▼個人向け、変革推進コミュニティ『沢渡あまねマネジメントクラブ』
~音声(沢渡の声)とテキストで変革のエッセンスをお伝えします