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寝起き、最初に入って来たのが
灯油の巡回販売から聞こえてくる
あの軽快な音楽だった

そのため、私の気持ちも意識にないところで
自然とあの音楽みたいに
跳ねたものになっていたらしく

「雨よ」

と、私の言葉に対し夫は

「なんでそんなに楽しそうなんだ」

と、うんざりしたように言葉を出してきた
雨と知っての反応としては
その方が本来なのかもしれない
いえ、うんざりなのは雨にではなく
私に向けてのものだったかも

相変わらず私たちときたら
まったく微塵も噛み合わない
やっぱり別れた方がいいみたい
灯油売りのあの音楽に
別れを決断したそんな遅い朝だった

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