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カレー×肉じゃが×ひとり暮らしアホ女子学生

カレーより肉じゃがが好きなんて
当然、みたいに言っちゃう男にろくなのはいない
オレとねことどっちが大切なんだ
とか聞いてきちゃう男と同レベルでろくでもない
そんなこと聞く必要ないんじゃない
ねこに決まってる
決まってるから、金輪際、聞いてこないように

だから、カレーと肉じゃがの話だ
カレーと肉じゃがの材料が一緒で
途中までつくり方もおんなじで
って、それを知って愕然とした
中学二年の春だ
あのときもアホだった

なんだ肉じゃがって
しょう油味のカレーじゃん
って、アホ丸出しだった

だいたい、なんだって、肉じゃがなのさ
なんで、おふくろの味なのさ
バレンタインデーみたいに
どこかの会社の企みか何かなんじゃないの
きっとそんなとこだ、そうに決まってる
バレンタインデーは、あれはあれで、いいとは思うけど

そんなアホのわたしにヘンに気持ちが向いてきちゃった
ちょっくら丁寧に暮らしというものをやってみるかなあと
そんなことをふと思ってしまったのだ

丁寧に暮らしてみるとなったら、やっぱり料理だ
料理といったら、やっぱりカレーだ
普段、台所に置いてない定規なんかを持ち込んでみる
ニンジンをきっちりおんなじ大きさに切っていく
ジャガイモも、タマネギも、きっちりレシピ通りに
そのための定規だ

肉は、ぶた肉だ
わたしのウチでは、カレーといったら、ぶた肉だ
チキンは黙っててもらおうか
あと、しょう油も今日は黙っているように
肉じゃが好きの男は来なくてよろしい

おし完成
レシピ通りだ
美味しいに決まってる

うん、美味しい

んー、でも、なんだ
美味しいんだけど、なんだろう
きっちりしすぎてて、人間味がないというか
人間が切ったのに、機械が切ったような
んー、なんだろう

人間が切ろうが、機械が切ろうが、おんなじだとは思う
機械が切ったら鉄の味がする
そんなこと、ないわけだから
それにしても、なんでだろう
気持ちが向いて料理なんかしてみたらコレだ

適度に、という味付けが入ってなかったから
と、そんなわたしの解釈
適度に、そして、ある程度、テキトーに
それくらいでやるのがいいのかも
料理も、そして、人生も
そんなことをカレーから学んだわたしだったとさ

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