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鉱物備忘録

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今まで集めてきた鉱物についてただ語るだけのエッセイ。
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#豆知識

No.71 スペサルティンガーネット

No.71 スペサルティンガーネット



小麦色に輝く美しきスペサルティン・ガーネットだ。中に入っている気泡のようなインクルージョンもなかなか味があって良い。
スペサルティン・ガーネット。実はこの宝石を取引する際「Fanta or Cola ?(ファンタとコーラ、どちらがいいですか?)」と聞かれるらしい。明るめのオレンジなスペサルティン・ガーネットがほしければ「ファンタ」で、その逆に暗めのオレンジブラウンであれば「コーラ」なのだそう。

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No.51 ダイオプサイド

No.51 ダイオプサイド



若々しいグリーンのダイオプサイトだ。
光に当てるとグリーンがより映える。若干色むらがあるのも良い。
ところで鉱物の世界にはダイオプサイトとダイオプテーズという名前がそっくりな2つの鉱物があり、色味や硬度など両者はいろいろと似ている。
ある時「じゃあ名前も同じ由来なのか?」と思い調べてみた。すると驚くことに両者の名前の由来は全く別物であることがわかった。
ダイオプテーズ、こちらは和名を翠銅鉱と言

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No.50 アルマンディン・ガーネット

No.50 アルマンディン・ガーネット



ワインのような深い赤のガーネットである。シュワシュワとした泡のようなインクルージョンはあるが、透明感や赤みは申し分ない。
ガーネットといえば1月の誕生石として有名だ。だが、世の中に「ガーネット」と言う名の鉱物は存在しない。
じゃあガーネットって何?というと、ガーネットとは同じ結晶構造をもつ鉱物すべてを指す言葉だ。具体的にいうと、ガーネットには決められた化学組成の型があり、これに当てはまる鉱物で

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No.44 コベライト

No.44 コベライト



青くメタリックな光沢がかっこいい鉱物。光を強く跳ね返すキリッとした金属光沢と深い青は近代的でおしゃれである。しかも日本の山梨県で取れた鉱物だと言うから驚きだ。このコべライトという鉱物は「コベリン」という名で有名で、ビジュアルの美しさからコレクター向けにルースとして加工されることもある。
そんなカッコいいコベライトだが、ひとつだけ残念なところがある。
実はコベライトは硬度が1.5〜2しかなく、爪

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No.43 ジェレメジェバイト

No.43 ジェレメジェバイト



長さ1センチほどの結晶だが、氷のような透明感とクールなブルーの色味は圧巻。ルーペで見なければ確認できない細かなクラックやインクルージョンも粋にキラキラと映えている。
ところで、ジェレメジェバイトという鉱物はとにかく名前がややこしい。人によってはエレメーバイトだったりエレメジェバイトだったりと人によって呼び方はバラバラだし、和名はエレミヤ石だし。現状どのように呼ぶべきなのか迷走している様子なのだ

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No.10 ペリドット

No.10 ペリドット



1.2ctの十分なボリュームのあるペリドットだ。若葉色も目にまぶしい。
ペリドットは通称として「イブニング・エメラルド」と呼ばれることがあるが、その名の通り太陽のようなバチバチとしたエネルギーのある輝きを放っている。
注目すべきはそのお値段。何と当時税込みで2100円という価格で購入したものなのだ。
「え?ペリドットって結構有名な宝石だよね?何でそんなに安いの?」
と思った方も多いだろう。

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