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No.51 ダイオプサイド

51.ダイオプサイド

若々しいグリーンのダイオプサイトだ。
光に当てるとグリーンがより映える。若干色むらがあるのも良い。
ところで鉱物の世界にはダイオプサイトとダイオプテーズという名前がそっくりな2つの鉱物があり、色味や硬度など両者はいろいろと似ている。
ある時「じゃあ名前も同じ由来なのか?」と思い調べてみた。すると驚くことに両者の名前の由来は全く別物であることがわかった。
ダイオプテーズ、こちらは和名を翠銅鉱と言うが、名前の由来はギリシャ語で「通して見える」という意味の「Dia opazein」から来ている。光に透かすとへき開がくっきり確認できるためこの名がついたそうだ。
一方ダイオプサイトは複屈折が高いことからギリシャ語で「2つの見え方」という意味の言葉がそのまま名前になったらしい。ちなみにダイオプサイトの和名は透輝石。和名で見ると両者はあまり似ていない感じがする。
実際似ているところは多いがダイオプサイトとダイオプテーズは別物だ。
ダイオプテーズは大きい個体になりにくい上カラーバリエーションも少ない。一方ダイオプサイトはそこそこの大きさになることが珍しくないし、無色や紫などのカラーバリエーションも存在する。
多分ないと思うが、明らかにダイオプサイトと思われる個体を「ダイオプテーズ」として売っている業者がいたら、絶対にものを買わないことをおすすめする。

【参考書籍】

「価値がわかる宝石図鑑」
諏訪恭一 著
ナツメ社  2016年

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