クリエイターフェス|良い文章には、読み手の目線がある。
昨日 (10/25)、書評家の三宅香帆さんによる『"好き"を伝える文章講座』が行われました。
そこで文章を書くためのコツが紹介されていたので、学んだことをシェアしたいと思います。
(↓↓↓ YouTubeにもアーカイブがありますので、動画でみたい方は、コチラから!!)
「好き」を伝える文章の書き方
ここからは、「好き」を伝える感想文の書き方について説明します。
昨日の文章講座は、主に「読書感想文の書き方」について学ぶ講座だったので、「感想文」となっていますが、多種多様な文章の書き方に活用できる内容だと思っています。
ぜひ、書き方を学ぶなかで、自分が書きたいジャンルの文章に置き換えて考えてみてください。
書き方1. 「好き」の深掘りをする
自分の「好き」を伝える文章を書く際には、自分が好きな物についての理由を言語化することが大切になります。
たとえば、「この本、なんか好きだなぁ」と思ったときに、「好き」の理由が自分のなかで言葉にできていると、感想文が書きやすくなります。
ここからは、言語化のコツを3つ紹介します。
言語化のコツ①
言語化のコツの一つ目は、「SNSで人の感想を見る前に、自分の感想をメモする」ことです。たとえば、人気の映画や本を読んだあとで、すぐに人の感想を読んでしまうことがあると思います。すると、ついついそれに引っ張られてしまうことになります。
それでは、自分の素直な感想が思いつかなくなります。
実際、三宅さんは、本や映画の感想を日記に書いておいて、そのなかでも面白かったものをツイッターやnoteに投稿するそうです。
映画『パラサイト 半地下の家族』を観た際には、SNSに流れてくる感想を見る前に、自分だけの感想を日記に書いていました。だからこそ、みんなとは違う感想を書くことができたそうです。
言語化のコツ②
言語化のコツの二つ目は、「自分の体験と紐づける」ことです。「こういう時に読んで良かったなぁ」とか、「こういう気分の自分とマッチしているなぁ」など、自分の体験と紐づけることで、言語化がしやすくなります。
特に難しい内容の本の感想文だと、内容を普通に紹介しても読み手に伝わりにくいことがあります。そこで、自分の体験と紐づけることで、本をより身近に感じてくれると思います。
また、共感を呼ぶ自分のエピソードと結びつけることで、読み手の満足度も上がるので、これもおすすめです。
ちなみに、三宅さんのnote記事『南国旅行で読むのに適した本を書評家が全力で考えてみた』では、「旅をするときには、こういう本を持っていくといいよ」みたいな切り口で書かれているので、ぜひ参考にしてみてください。
言語化のコツ③
言語化のコツの三つ目は、「似てる好きなものとの共通点を探す」ことです。
たとえば、三宅さんは、新聞小説で連載されている『母の遺産』がめちゃくちゃ面白かったそうです。そこで、なぜ面白いのかを考えてみたそうです。
すると、「新聞小説は朝ドラの形式と似ている」ということに気づきました。両方とも、毎朝読む(観る)のにちょうどいいし、主人公が波乱万丈をしながら物語が進んでいく様子は、よく似ています。
つまり、自分の好きなものを複数見つけて、その共通点を見つけることで言語化がしやすくなるのです。
書き方2. 「好き」の具体例を挙げる
次に、書き方の二つ目です。
二つ目は、「「好き」の具体例を挙げる」ことです。
自分の「好き」の気持ちを伝えるためには、具体例を挙げた方がいいです。具体例を挙げないと、ふわっとした感想になりがちだからです。
自分が好きなものは、どれも素晴らしいと言いたくなるものです。しかし、それでは独りよがりの文章になってしまいます。なので、「特にこれが好きなんだ」と具体例を挙げる方が読み手に共感を呼ぶことができます。
ちなみに、宝塚ファンでもある三宅さんが書いたnoteがあります。「好き」の具体例を挙げるというポイントが詰まっています。ぜひご覧あれ。
書き方3. 「好き」を伝える文章術
最後に、書き方の3つ目です。
実は、「”好き”を伝える文章術」には、3つの原則があります。
ここからは、3つの原則について説明します。
① ターゲットを明確に
ターゲットというのは、文章を書く際に「誰に向けて書くのか」を考えることです。これって、ごく当たり前のことのように聞こえますが、意外と見落としている人が多いです。
というのも、誰かと会話をしているときは、相手の顔が見えるので、僕たちは無意識のうちに、相手に合わせて言葉を選んでいるからです。けれど、文章を書いているときは、文章を読んでいる相手が見えないので、読み手のことを忘れがちになるのです。
また、「誰でもいいから、読んでほしい文章」もあまり良くありません。全方向にターゲットを向けてしまうと、結果として「誰にも伝わらない文章」になってしまうからです。
また、「友達の〇〇さんに向けて書く」みたいに、具体的なターゲットを決めるのもおすすめです。
② 文章はつかみが命
2つ目の原則は、「文章はつかみが命」です。
ここで押さえておきたいのは、「インターネットをしている人は、たいてい忙しい」ということです。ネット上には無限のコンテンツがあるので、1つのコンテンツの滞在時間は短いのです。
だからこそ、文章の「つかみ」を怠けないのは、とても大切なことです。実際、ふだんの生活でも、親切に話しかけてくれる人といつも怒ってばかりいる人だと、圧倒的に前者の方が好感が持てるし、その人に付いていきたくなります。文章でも、同じです。
他人に共感されそうな自分のエピソードをつかみに使うと、読み手も「この文章は、自分のために書かれている」と思ってくれて、つづきが気になる記事になるのではないでしょうか。
③ なによりも大切なのは、軸
文章を書いていて一番困ることは、「自分は何が書きたかったのか」が分からなくなることです。
そのため、記事を書く際には、自分自身がその記事のなかで、どうしても伝えたいことを明確にすることが大切です。
必ずしも、文章を書く前から、伝えたいことを決めておく必要はありません。実際、三宅さんも、書評を書くなかで、自分が伝えたかったことに気づくことが多いそうです。もやもやとしていたことが言葉になる瞬間があって、それが文章を書く醍醐味でもあると思います。
つまり、書く前から「伝えたいこと」を決めておく必要はないけれど、文章を書き終えたときに、「自分がいちばん伝えたいこと」が明確になっておくことが理想的なのです。
良い文章には、読み手の目線がある。
昨日の文章講座を聞いて、僕自身が感じたことがあります。それは、「良い文章には、読み手の目線がある」ということです。
特に、noteを毎日投稿していると、「今日はそんなに完成度高くないけど、出すしかないか」と思ってしまうことがあります。
けれど、読み手の目線に立ってみると、「この人の他の記事も読んでみたい!」と思えるような内容ではないと思います。また、いつも読んでくれている読者の方にがっかりされることもあると思います。多くの人に読んでもらいたくて文章を書いているのなら、それは本当にもったいないことです。
今回の文章講座で三宅さんが仰っていたことは、三宅さんが実践されていることのほんの一部だと思います。そして、その多くが「読み手の目線」を意識することの大切さでした。
僕たちが文章を書くなかで、絶対に忘れてはいけない視点だと思います。
[最後に] 嬉しいことがありました!!
イベントでは、嬉しいこともありました。
実は、昨日の文章講座の後半で、僕が以前書いた記事『日常に潜む「現実」と「幻想」』が取り上げられ、三宅さんに講評を頂けたのです!!
具体的には、記事の「良かったポイント」と「伸びしろポイント」を教えて頂きました。本当にありがとうございます!!
記事の良かったポイント
記事の伸びしろポイント
配信が終わったあとに、タイトルと記事の加筆修正を行い、改めて投稿しました。お時間がありましたら、ぜひご覧ください!!