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【詩】人間の反対の反対なのだ

具体的に言ってくれたら可愛いのに、具体的に言ってくれないから君は全然可愛くない!
抽象的な言葉はいつもピンと来ない
別の誰かにも伝わるものをいちいち私に言わないでほしい
とはいえ私も、具体的に言うのは苦手だ
何を見ても、ぼんやりと捉えて、感想を言おうとしても、ちょっと本音の感覚とズレてるなぁ、そんな歯痒さと共に生きている
台所に溜まるゴミも、散らばった本で床の埋もれた部屋も、そんな私の頭の中を嘲笑う
毎日窓を開けて換気をすることで、部屋の汚れを外に追い出している、そう言い聞かせて、何も掃除をしない
掃除ってなんだ!?
わからない
何の為に存在しているかもわからない
消えない消しゴムみたいだ

ショートケーキの中段で、上と下を支えているみたいな生活をしながら、ハチミツに手を突っ込んで食べる将来を望んでいる
お腹いっぱいになる時の幸せが、大好きにいつもなる、こんな私は最高だ!って
つまようじを手のひらの上で立たせて、倒れるまでじっと見る
全然倒れない なんでだよ 倒れろよ
私もこうなりたいなって つまようじに憧れを抱く
自分以外の誰にもなりたくないけれど、自分以外の物体にはなりたいなって思う つまようじとか 蛇口とか

ああ 私はこんなにゆったりと生きて
何がしたいのかわかる
ゆったりと生きたいから ゆったりと生きている
文句は君に言わせない
私は私だ
こうなったのは 君には何も関係ない
そんな勝利を 噛み締めて

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