【エッセイ】酢昆布で家を建てたい

おはようございます。
私事で恐縮ですが、酢昆布で家を建てたいです。
なぜ酢昆布かと言いますと、酢昆布の事を名前しか知らないからです。

多分、居酒屋のメニューにあるのかな？あって、誰かが注文して、食べた事があるかもしれません。
もしかしたら、お通しで食べた事があるかもしれません。
しかし、私事で恐縮ですが、酢昆布の記憶が無いので、どんな形状かわからず、ワンチャン酢昆布で家を建てられるのかもしれないと思った次第です。考えた次第ではありません。考えたら、この計画はおじゃんになるかもしれないからです。あくまで、思った次第です。

酢昆布で家を建てるというのは、青汁王子みたいに酢昆布の商売によってではなく、材木的に、酢昆布を積み重ねて、固めて、釘を打って、塗装して、家を建てられるのではないか、と、思った次第です。考えては無いです。
酢昆布という名前から推測するに、酢で浸された昆布なので、臭みのある家にはなりそうです。
しかし、現代化学を使えば、そんな酢の匂いなんか塗装材料でかき消せそうですし、きっとしばらくすれば風かなんかで匂いは吹き飛びそうです。
お腹が空いたら酢昆布の端くれを食べられるかもしれない。
そう思いもしましたが、塗装済な為、毒になってしまい、食べられません。

友達を家にあげる時に、これが酢昆布で出来た家なのか、知らせるかどうか迷います。そもそも酢昆布は、家を建てるための存在では無いのは承知である為、本当にこの家に入って大丈夫か、潰れてしまうのでは無いか、と、心配をかけてしまうかもしれないからです。
しかし、そもそも、一戸建てなのが、怪しまれそうです。
この歳で、一戸建てを建てるなんて、訳あり物件と思われて仕方ないです。
酢昆布は、多分、材木より安いです。なので、一般的な家よりは、安く建てられそうです。
ただ、土地代が必要です。まあ、それは、実家を売って、そこの土地に酢昆布の家を建てれば良い話です。実家を売ったお金で酢昆布の家を建てる費用もまかなえるし、一石二鳥です。

酢昆布の家。鍵穴がしっかりと作られて、鍵を差し込んで回せるかだけが心配です。家の中であそこが一番精巧そうなので。

私には酢昆布の家をいつか建てる、そう言った指標がある為に、酢昆布の現実を見る事は許されず、今後居酒屋で酢昆布がメニューに入ってたら、絶対に注文せず、もし同席したお偉いさんが頼んでしまった場合、机の上に乗って腹踊りをして場をシーンとさせて、酢昆布を頼む事を忘れさせます。
お通しに酢昆布が出て、誰かが「酢昆布だ！」と言ったら、僕の計画は終わるので、すぐさまその場を立ち去り帰って、シャワーを浴びながら泣いて、いつかの夢を失う事の悲しさに打ちひしがれ、生まれて初めてパチンコにでも行くと思います。