見出し画像

「SHOVE」3年目の活動報告(~2023)

インディーゲーム開発サークル「SHOVE(ショブ)」代表の
松本 聡と申します。

2024年1月6日で活動開始からちょうど3年が経ちました。

「SHOVE」3年目の活動報告として、
2023年の活動を振り返ってみたいと思います。


●ポーカーアプリ開発

サークルとしてのメインはこのアプリ開発です。
(アプリの内容についてお知りになりたい方は
 こちらをご覧いただければと思います)

個人的には「作品のことは作品の中で語るべし」という
思想に共感しているのですが、
こういう場でもなければ生涯で言葉にすることもないので
たまには良いかなと思って書いてみます。

ロビー画面実装(2023年2月~4月)

2022年の末にケガをしたことと
2023年の2月ごろまで私のお仕事が忙しかったので
しばらく活動できない期間が発生してしまいましたが、
お仕事が一段落してサークル活動を再開しました。

トーナメント(いわゆるステージ)を選ぶための
ロビー画面のレイアウトに迷走していたのですが、
最終的に『そもそもトーナメントを選ぶって何?』という
わりと抽象的な問いかけまで立ち返ることになりました。

初期のボツ案

そこで自分の体験を振り返ってみると、
「どのトーナメントに参加するか?」は
リストを見ながら決めているのですが、
一番ドキドキしているのは
「参加した後で指定されたテーブルを探している時」
だったなあ…と思い出しました。
(自分で選んでいるわけではないのですけど)

また、海外でポーカー(キャッシュゲーム)をするときは
テーブルを選んで直接座ることもあったので、
自分の中では『ポーカーを始める』と『テーブルを探す』は
セットになっている感覚がありました。

この中から自分の席を探します(イメージ)

個人的な感覚なので伝わるかは疑問ですが、
一方でこういった「実体験から得られる表現」は
特に小規模な創作においては大切にすべきと考えているので
ひとまずこの感覚を信じることにしました。

そんなわけで、ロビー画面の目的である
『トーナメントを選ぶ』という機能を
『テーブルを探す』というテーマで表現する
ことにしました。

採用案(実際の画面とは異なります)

テーブルの形をしたアイコンを選択するイメージに落とし込みました。
時間はかかりましたが、
自分の中では納得できる状態になって良かったです。

セーブ機能実装(2023年4月~8月)

セーブとロードを実装する時期がやってきました。

私の技術力で製品クオリティのセーブ機能を作ることは難しいと判断して、
セーブ機能自体は『Easy Save』というアセットを利用することにしました。

おかげで進行状況(ドラクエで言うところの「冒険の書」)を
セーブする機能はすぐに実装できたのですが、
いわゆる「オートセーブ」的な機能の実装が難関でした。
(アプリ側が特殊な実装をしているせいだと思いますが
 アセット提供のオートセーブ機能はうまく動作せず…)

そもそもオートセーブが必要だと考えたのは、
本アプリは基本的にスマホ向けに開発しているので、
プレイ中に中断したくなる状況が発生するからです。

バッテリーが切れることもあるでしょう(画像はいらすとやさん)

毎回スマホ側のレジューム機能で再開できれば良いですが、
現実にはアプリが再起動になるケースも多く、
長時間プレイしたのにムダになってしまうと
とてもツラい気持ちになると想像しました。

しかし、いざ実装しようとすると
「必要な変数を保存して特定の状況を正確に再現する」というのが
初期設計の甘さも相まって非常に難しいとわかりました。

「いつでも中断でき、その瞬間から再開できる」という
理想形を追求することは諦めて、
「進行中のハンドを放棄させて、次のハンドから再開する」
という仕様であれば実現できそうでした。

開発側の都合によるベストとは言えない仕様なのですが、
・不意にアプリが終了してしまうケース以外は
 スマホ側の機能で復帰できることが多い
・テキサスホールデムというゲームの特性上
 1つのハンドを放棄したとしても影響しないことも多い
 (フォールドするようなハンドでは一緒の結果になる)
といった観点から、無いよりは確実にマシなので
この方向性で実装することにしました。

リザルト画面実装(2023年6月~10月)

トーナメントが終わったときの結果表示と報酬を獲得する画面です。

一度作ってみたものの、しばらく経って見てみると
情報が整理されていないなあ…という感想になって
作り直すことを決めました。

リザルト画面の新旧比較

私の設計力が不足しているだけの話ですが、
仕様変更を自分の裁量だけで決定できるというのは
個人(小規模)開発の利点だなとは感じます。

序盤の進行実装(2023年9月~11月)

初回起動時のチュートリアルや、
序盤の「クラス(トーナメントの等級)」を実装しました。

『ポーカー入門アプリ』と位置づけているので
序盤ほど重要と言っても過言ではありません。
しっかり説明したいことも多いのですが、
文字を読み続けるのは苦痛でしょうから
どれくらいのバランスにするか気を揉んでいます。

また、経験者の人にとっては退屈な内容でしょうから
ある程度はスキップできるように配慮しています。

直接質問するスタイルです

このあたりはフィードバックをいただきつつ
適宜調整を検討しようと考えています。

復活機能実装(2023年9月)

序盤のトーナメントを実装しているところで
ポーカーというゲームの「運要素」が立ちはだかりました。

チュートリアル要素の強い序盤のトーナメントは
ヘンテコなプレイをする(弱い)CPUを相手にします。
その一方でポーカーのルールには細工をしていません。

「セオリー通りにプレイすれば気持ち良く勝てて学べる」
というところを狙っているのですが、
どうしても運要素が絡むゲームでもあるので
「ちゃんとプレイしているのに負ける」
ということがまれに発生してしまいます。

これはチュートリアルとしては非常に都合が悪く、
「何が正しいかわからない」と感じられてしまいます。
本アプリのコンセプト達成を阻害しうる要因であり
何かしらの対策が必要だと捉えました。

色々と考えて採用したのは
『敗退したらその場で復活できるようにする』でした。
不運に見舞われてもやり直せるというフォローです。

いわゆる「リトライ」機能

この案のメリットは下記のようなものです。
・現実のポーカートーナメントにも「リエントリー」
 という仕組みが存在しているので親和性が高い
・使用するかどうかはユーザーに委ねることができる
・条件を設定すれば広範囲の難度調整機能になる
・比較的、実装コストが低い
・マネタイズ(広告表示)への展開の余地がある

デメリットとしては、あくまで対処療法なので
「ちゃんとプレイしているのに負ける」という問題点を
根本的には解決していないことです。

ひとまずある程度のフォローはできているので、
ここまでの対策で割り切ろうと考えています。
(将来的に考えを改める可能性はありますが…)

マイルストーンに向けた作業(2023年11月~)

開発上の区切りとして
「α2版」と呼んでいるマイルストーンがあります。

このマイルストーンでは
「ポーカーはあまり知らない人が
 ちゃんと段階を踏んでプレイできるか」を
有志のテスターに確認していただくのが主目的となります。

そのためには序盤のチュートリアルが必須なのですが、
当初の想定より追加で説明が必要な箇所が多くなり
予定より時間がかかってしまっています。

11月と書いたばかりなのに……スマンありゃウソだった

2024年の早いうちに開始できるよう頑張ります…!

●その他の活動

WSOP取材(2023年7月)

コチラでレポートしております。

そう気軽に行ける場所じゃないので
このタイミングで行けたのは本当に良かったです。

当サークルのアプリでポーカーに入門した人が
WSOPに参加する…なんて未来が来たら
めちゃくちゃ嬉しいですね!

公式Webサイト移転(2023年11月)

移転前に利用していた『Xfree』様から
後継サービスとなる『シン・クラウド for Free』様に
引っ越しした感じです。

そのまま使い続けることもできたのですが、
広告が表示されないのとSSLが無料で使えるのが
魅力を感じたのでいっそ乗り換えちゃおうと思った次第です。

専門学校の講義(2023年12月)

日本工学院専門学校 蒲田キャンパス様にて
『プランナー向け「就活レース」サバイバルガイド』
というテーマの講義をさせていただきました。

資料の表紙

今回は正式なお仕事としてオファーをいただいたので
わりとしっかりとした資料を作りました。

こういう活動はけっこう楽しいので
機会をいただけるならぜひまたやりたいですね!

●3年目を振り返って

サークル活動開始から3年が過ぎてなお
アプリをリリースできていないのは色々と不甲斐ないことです。

と言いつつ、ここ最近は「吹っ切れた」感覚でして
あまり気負わずマイペースでやっていこうと思っています。
今の生き方、働き方が持続可能だとわかってきたので
資金面でのプレッシャーはだいぶ軽くなりました。

2024年はサークル活動4年目となります。
個人的には本業もありつつ、別の案件も動きそうなので
これまでより大変な1年になる予感がしています。

また、最近は肉体の衰えを痛感する日々です。
アプリのリリースを目指して頑張るのはもちろんですが
心身ともに無事に1年を乗り切りたいと考えております。

最後になりましたが、
いつも応援していただき誠にありがとうございます。
「いいね」などの反応をいただけることは
本当に心の支えになっています。

今後とも「SHOVE」をよろしくお願いいたします!

2024/ 1/ 8 記事公開


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?