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#私の作品投稿
詩『にんげんばくだん』
にんげんばくだん
ばくだんだん
おうだんほどうをわたってる
おーえるばくだんわたってる
がくせいばくだんわたってる
ろいじんばくだんひきかえす
いぬばくだんをつれたばくだん
へいのうえにはねこばくだん
そらをみあげりゃすずめばくだん
ばくだん
ばくだん
ばくだんだん
どうかせんをひきずって
みんなびくびくくらしてる
ちきゅうばくだんにのっかって
詩『この人生から俺を追放する』
「この人生から俺を追放する」
今さっき自己判決を下した
無罪という罪状
罰は×
つまりミッフィーの唇
化繊糸で絶叫封印
(俺はもうこの人生にはいない!)
0㏈の叫びが傍聴人の鼓膜を揺らす
++++++++++
廃楽園のはずれ
幹の腐った林檎の木から
熟した蝉が地に落ちた
水で研磨されたような黒曜石の瞳
それはレンズ
カラスという映像記録装置の
ちなみに取説には落書きがある
簡素な女性器の
+++
詩『ボブディランを止めてくれっ』
噛み合ってしまったんだ
窓辺3時の陽光と
落ちずに頑張ってる街路樹の一枚
テーブルの古傷
君とこの席で語った未来
零れ落ちたピクルスに笑い
お互いの口元を拭いあった紙ナプキン
ブラックに顔をしかめる猫が君で
"一緒にいる"
それだけ
それだけのことが
どんなに困難なことか
見積もりも取らず
君の肩を抱き
髪の香りに意識を失う
暖かな泥のような幸せ
窓辺5時光薄れ
手相をスプーンでなぞる
さっき
詩『19頁に挟まってる口づけ』
人生の一頁に口づけが挟まっている
栞のように
もう読み終えた筈なのに
抜くことのできない
栞
あの人との口づけ
手探る
まだ前半部分
物語がうねりだす地点
だけど私にとって
そこが最終頁なのかも
栞
あの人との口づけ
何度も同じ頁をめくり
そこから再開したいと
願う
もう一度読み返せば
物語が変わるのではないかと
でもその先に
あの人は登場しない
栞
口づけ
輪郭のない花のよう
大丈夫
ちゃんと今