どんな経験もきっと、ひとつの道に繋がっているのだよね

今日、母校の音大に、卒業証明と成績証明の発行手続きに行ってきました。
ドイツの学校に入試の願書を出すために必要なのです。
願書の出願期限は4月10日なので、3月いっぱいかけて、しっかり準備しようと思っています。

今、留学資金を貯めるために、昼も夜も土日も働いていて、
さらに宮台先生のイベント(2DAYS✨)の企画運営もして、
かなり充実した毎日を送っているのですが、
ここだけの話、そのしわ寄せがちょっと音楽の方にきているのは否めない状態…。
もともと、そんなに熱心に練習する方ではないのですが、直近に大きな演奏会の予定が入っていないこともあり、
ちょっとかなり練習時間が減ってしまっています。

宮台先生のイベントは、やりたくてやっていることだし、超絶ワクワクしていて本当に楽しいし、
留学資金のための仕事も必要なことなので、大変だけどがんばれています。
(働けど働けどそんなに月収が上がらないのは、非正規労働者のつらいところ…)
それに大好きな友人たちとも遊びたいし、東京にもおもしろいことしに行きたい。

でも、
そもそも自分の本分は音楽なのでは？
6月に試験で良い演奏して合格できなければ、そもそも留学もできないのでは？

夢中でイベント企画したり、楽しく遊んでいる中で、ふと冷静になると、そんな疑問というか、自省が頭をよぎります。
バランスは意識して整えていかないといけないな、と思います。

だけど、今やっていることに無駄なことはひとつもなくて、
すべてこの先に繋がる、生かせることだとも信じています。

試行錯誤をしながら、失敗もしながら、初めてのチャレンジをやり遂げること。
自分の力で、できるところまでやってみること。
自分の言葉を発信すること。
変性意識状態で集中しまくる体験。
毎日、朝から晩まで動き尽くすこと。
36年生きてきて、初めてのことだらけです。

これからドイツに行き、一人で未知の世界に挑戦するにあたって、
もともと甘えん坊でさみしがりの私には、そうとうの度胸が必要になると思うし、
将来、自分の音楽や持っている技術で、何か企画したり発信したりしようとしたときにも、
今のこの経験や、それを通して得た自信は、かなり後押ししてくれると思います。

3月末には、留学前最後になるかな？と思っている室内楽の演奏会に出演するし、
昼間の派遣の仕事も3月末で退職するし、
4月の宮台先生のイベント2日間も終わったら、
いよいよ試験に向けて練習を詰めていく予定です。
(お尻に火がつかないと動かないタイプ)

音楽は大好きだし上手になりたいけど、楽しくないことは本当にできないんだなって思います。
(一人の練習も、はじめてしまえば、集中して楽しくなるんだけどねぇ)
今日、久しぶり音大に行って思い出したのですが、
音大に行っているときは、演奏技術的なことも、学生としての振る舞い的なことも、「べき・ねば」だらけで、
「より自由に音楽表現ができるようになるために学びに来たのに、逆にどんどん自由じゃなくてなって、窮屈になってる！」
っていうのが、すごくすごく苦痛だったのでした。
このままここに染まったら、音楽が好きじゃなくなっちゃう…とも思いました。
そんな気持ちで続けるくらいなら、すっぱりやめて、他の好きなことをする方がマシです。

ドイツに行ったら、音楽する環境も楽しいだろうな、とは思っているけど、
こればかりは行ってみないと分かりません。
少なくとも昨年4月に一週間、短期アカデミーに通ったときは、めちゃくちゃ楽しかったです♪

好きな音楽をずっと大好きで楽しむために、
好きな人たちをずっと大好きでいられるように、
そして何より、自分をずっと大好きでいられるように、
楽しいこと、好きなこと、必要なこと、大切なこと、
バランスをとっていきたいな、と改めて思ったのでした。

先日、安冨歩さんの『生きるための論語』を読み終えたのですが、

「道」という概念が西洋文化のなかでは必ず「分岐」を伴っており、その分岐点において正しい道を選択するかどうか、という形で倫理を考えてしまう、(中略)
これに対して、論語の「道」の概念は分岐しておらず、誤りはそこから外れることとして構成される(中略)。このとき、自分が道から外れているかどうかを常にモニタリングすることが「知」であり、外れているという意識が「恥」であり、(後略)

と書かれていたのを、今ふっと思い出しました。
西洋的な「道」の概念だと、たくさんの分岐点を間違えずに、音楽なら音楽の道だけをひたすら歩むイメージだけど、
論語の「道」なら、外れさえしなければ(誤りさえしなければ)分岐はなく、どんなことをしても、ひとつの「道」に繋がっている、
と考えられるなぁと思いました。

私は今、大筋では道を外れてはいないなっていう感覚があります。
たぶん外れたときは、心が死にそうになるから分かると思うし、
常に自分を観察しつつ、心が生きる道を探求していきたいです。

空を見てキレイだな～って思える余裕があるうちは、大丈夫！生きてる！