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目指せ!プロパン屋~元パン開発職が考える美味しさのつくり方~

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食パン専門店アルテの食パンが考える美味しさとは? 元開発者が考え抜いた手を抜くポイント抜かないポイントを各工程別にまとめています。 その結果、店舗では来店者の80%以上がリピータ… もっと読む
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0からお店をつくることってなんだろな

僕はアルテの食パンを28才の時に開業しました。

たくさんの正解の中に重い失敗がざっくざくです。

これから、きっとお店をやりたいと考えている人、実際にはしていなくても裏事情が知りたい人、同じ立場の人などなど本当のところが知りたい人がたくさんいるのではないかと思い、少しでもお役に立てればなとまとめてみます。

辛いことばかり書いてもあれなので、正解だったなぁーという選択と大失敗だったなーって選択を

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目指せ!プロパン屋~食パン評価編~

食パンの良し悪しはたいてい外見からわかります。
これも、会社時代に猛烈に教えこまれたものなので、感謝です。

まず、ホワイトライン

ホワイトラインはその名の通り白い線なのですが、
この辺は好みでその太さを考えます。
なかにはないのがいいという人もいます。

食パンの角の部分、その上の部分。
少しだけ、下とは異なり、丸みを帯びていますよね。
その部分は四角い型に対して伸び切らなかった部分であるので

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目指せ!プロパン屋~窯出編~

ショックの度合い
うちのパンは水分量が多く、耳はそれなりありけれど、
腰折れが非常にしやすい食パンです。

でもショックをしっかり与えてから出さないと
折れる。

ショックは、パンの耳を一瞬で冷やす(熱々ではあるのですが)
効果があります。

その効果のおかげで熱々ふにょふにょの食パンが形状を保てるようになります。

食パンに限っての話ですが、
型を持ちショックを与える時は、
水平にすることが非常

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目指せ!プロパン屋~窯入編~

均等に入れる
窯入というのは意外とおろそかにしがちです。
ホイロで満足のいく仕上がりだったとしても、焼きあがったらあれ?
なんてこともよくあります。(昔はね)

昔、パン屋を始める前、自宅で1斤×3個焼いていたことがありました。
大きめのオーブンレンジしか家にはないので、
いかにうまく焼くかが勝負でした。

 奥
---------
■ ■
 ◇
--------
手前

のような感じで入れ

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目指せ!プロパン屋~ホイロ編~

求める形と高さ
ホイロというのは、最終発酵ともいわれます。
パンを焼き上げるために最終調節ができる場所ともいえると思います。

そして、ホイロの出来がパンの品質に大きな影響を与え、パン屋の質を決めるといっても過言ではありません。

というのもパンは見た目で選ばれることが多いためです。
見た目がきれいなパンは食欲をそそり、購買意欲を高めます。

人間が、見て美しいと思う比率はいろいろとありますが、

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目指せ!プロパン屋~分割編~

大事にすること
分割は時間がかかります。
その間にも発酵は進みます。

ということは、ずれをなくすためには
「分割を早く終わらせなければならない」
ということ。

イメージすることは、その分割した生地をいつ成形するのか。
アルテでは20分後がそのタイミング。

でも、生地の大きさ・成形方法によってその時間が変動する。
うーん難しい。

簡単に言うと分割は大きい順に切ればよし。
成形は時間に合わせて

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目指せ!プロパン屋~1次発酵編~

温度管理
1次発酵は、ミキシング終了後、分割に適する生地になるまでの時間のことを指します。実はこの時間をどう調整するかが、生地の良し悪しを調整できる最後の工程と言っても過言ではありません。

というのも、パンの品質を安定させるには、温度が最も重要です。捏ね上げ温度が1度、ずれていた場合、同じ流れで焼き上げると「明らかに目視でわかるレベルに変化がある」なんとも膨らみの悪いパンが出来上がります。

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目指せ!プロパン屋~ミキシング編~

ミキシングとはパン生地を作る際の一番重要となる部分ではないかーと。

ミキシング方法にも機械の違いや手ごねなど含めると様々な手法があります。
一番のポイントは、求める食感にあわせて生地を捏ね上げること。

捏ね上げる(ミキシング)というのは、「グルテンをつくる」ということとほぼ同意義です。
そのグルテンがどのくらい必要なのかでミキシングのかけ具合が異なります。

もう少し掘ってグルテンというものは

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目指せ!プロパン屋~湯種編~

湯種についてたねという字を使っているので、発酵種(ルヴァン種とかポーリッシュ種、酒種など)と同じように見えますが、少しイメージが異なっています。

正確には熟成種といったイメージで、「もちもち」食感にする素材の一つといったものです。

そのため、確実な温度管理をしないと死滅して、意味がなくなってしまう。というものではなく、低温で一晩放っておけばOKという気軽なものです。

だいたい、小麦粉を100

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目指せ!プロパン屋~中種編~

中種についてなかだねと読みます。
パンを焼く方法には大きくざっくりと分けて
○ストレート法
○中種法(液種なども似たようなタイプ)
に分かれます。ちなみにスクラッチ法やベイクオフなどは焼き方ではなく製造体系になるので、今回は割愛します。

○ストレート法
ミキシングから焼成まで一気に焼き上げる方法。ミキシングが1回というところがポイント。

メリット:時間が比較的短く焼けるため、量の調節なども比較

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目指せ!プロパン屋~計量編~

ミスを減らす方法
コアな部分でもあり、パンにとってめんどくさいながらも手を抜いたら一瞬で終わる。それが計量です。

ミスの問題点
○大切に作り上げてきた配合が一つの間違えでおじゃんになる。
○お客さんが離れる。
○2万円など大きな単位で損失&負債にかわる。
○捨て生地の処理も大変

パンを焼いていると直面することなので、ミスを0になるべく近づけるアルテの食パンで気を付けていることをまとめます。

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