長山智寛

2017年6月3日小さな食パン専門店「アルテの食パン」を 「お客さんとの繋がり」のためオープンしました。

長山智寛

2017年6月3日小さな食パン専門店「アルテの食パン」を 「お客さんとの繋がり」のためオープンしました。

マガジン

  • 目指せ!プロパン屋~元パン開発職が考える美味しさのつくり方~

    食パン専門店アルテの食パンが考える美味しさとは? 元開発者が考え抜いた手を抜くポイント抜かないポイントを各工程別にまとめています。 その結果、店舗では来店者の80%以上がリピーターということが日常となりました。立地が悪くても、駐車場がなくても、お店が小さくても戦い続けるアルテの食パンの考え方です。

  • 0からお店をつくってみて

最近の記事

フードロスを出さないために

アルテの食パンでは、 現在オープンから4年ほどが経ちました。 今年は、コロナにも皆さんが慣れ、 コロナ禍でも上手く楽しんだ生活を送っているように変化を感じます。 今年の頭あたりまでは、お客さんも多く、売り上げも好調でしたが、それも梅雨と暑さ、そして緊急事態宣言出ない地域ということ、大幅に売り上げの減少がみられています。 問屋さんに聞いても他店も同じような状況のようです。 その中で、いかに売り上げ減少を、最小限にし、ロスを出さないかについて日々考えています。 もともと

    • 0からお店をつくることってなんだろな

      僕はアルテの食パンを28才の時に開業しました。 たくさんの正解の中に重い失敗がざっくざくです。 これから、きっとお店をやりたいと考えている人、実際にはしていなくても裏事情が知りたい人、同じ立場の人などなど本当のところが知りたい人がたくさんいるのではないかと思い、少しでもお役に立てればなとまとめてみます。 辛いことばかり書いてもあれなので、正解だったなぁーという選択と大失敗だったなーって選択を少しずつまとめたいと思います。 今回はお店を開く前に選択した正解をまとめます。

      • ハルエネ電気の過大請求でパン屋の心が折れて、疲れて雨模様。しかも夏へ

        ハルエネ電気の過大請求について 大損害を受けました。 53万。 利益が53万飛んでいたという事実。 パンにすれば1斤を1100個くらい? 利益だから。。。もう考えたくない。 お客さんたちごめんなさい。 うんと、事の発端は電力の自由化。 自由化するのはいいけど、まともな会社だけができることにはならんのか。 今回問題が発生したのは、ハルエネの代理店今は亡き会社。 店舗を立ち上げ、パン屋は大容量の電気をよく使います。 なので、一気に使う量を調節する事で電気代を節約できます。

        • 全国発送から繋がったお客さんの力

          アルテの食パンでは、毎日10種類もの食パンをラインナップしている。 というのも、お客さんに「わくわく」してほしいから。 わくわくというのは信頼の上に成り立つと思っている。 わくわくも信頼がなければ次にはつながらず、新しいものを試してはくれない。 ただ、お店でお話をするお客さんたちではなく、文字や絵、写真からそのわくわくが伝わり、私たちの元へ帰ってきたことがあった。 うちはまだ知る人ぞ知る食パン専門店で、やっと取材などもちらほら入るようになった。まだオープンして2年よ

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        • 目指せ!プロパン屋~元パン開発職が考える美味しさのつくり方~
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        • 0からお店をつくってみて
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        記事

          目指せ!プロパン屋~食パン評価編~

          食パンの良し悪しはたいてい外見からわかります。 これも、会社時代に猛烈に教えこまれたものなので、感謝です。 まず、ホワイトライン ホワイトラインはその名の通り白い線なのですが、 この辺は好みでその太さを考えます。 なかにはないのがいいという人もいます。 食パンの角の部分、その上の部分。 少しだけ、下とは異なり、丸みを帯びていますよね。 その部分は四角い型に対して伸び切らなかった部分であるのですが、 色が少し薄目になっていると思います。 その部分を 「ホワイトライン」

          目指せ!プロパン屋~食パン評価編~

          目指せ!プロパン屋~窯出編~

          ショックの度合い うちのパンは水分量が多く、耳はそれなりありけれど、 腰折れが非常にしやすい食パンです。 でもショックをしっかり与えてから出さないと 折れる。 ショックは、パンの耳を一瞬で冷やす(熱々ではあるのですが) 効果があります。 その効果のおかげで熱々ふにょふにょの食パンが形状を保てるようになります。 食パンに限っての話ですが、 型を持ちショックを与える時は、 水平にすることが非常に大事です。 というのもふにょふにょなので、 多少斜めにショックが入っただけで

          目指せ!プロパン屋~窯出編~

          目指せ!プロパン屋~窯入編~

          均等に入れる 窯入というのは意外とおろそかにしがちです。 ホイロで満足のいく仕上がりだったとしても、焼きあがったらあれ? なんてこともよくあります。(昔はね) 昔、パン屋を始める前、自宅で1斤×3個焼いていたことがありました。 大きめのオーブンレンジしか家にはないので、 いかにうまく焼くかが勝負でした。  奥 --------- ■ ■  ◇ --------  手前 のような感じで入れていたわけなのですが、 まぁ手前が焼けない。 後ろはこんがり。 食パンを焼くの

          目指せ!プロパン屋~窯入編~

          目指せ!プロパン屋~ホイロ編~

          求める形と高さ ホイロというのは、最終発酵ともいわれます。 パンを焼き上げるために最終調節ができる場所ともいえると思います。 そして、ホイロの出来がパンの品質に大きな影響を与え、パン屋の質を決めるといっても過言ではありません。 というのもパンは見た目で選ばれることが多いためです。 見た目がきれいなパンは食欲をそそり、購買意欲を高めます。 人間が、見て美しいと思う比率はいろいろとありますが、 スマホやテレビなど画面を見ると「違和感」を覚えませんよね? それは美しい割合だ

          目指せ!プロパン屋~ホイロ編~

          目指せ!プロパン屋~分割編~

          大事にすること 分割は時間がかかります。 その間にも発酵は進みます。 ということは、ずれをなくすためには 「分割を早く終わらせなければならない」 ということ。 イメージすることは、その分割した生地をいつ成形するのか。 アルテでは20分後がそのタイミング。 でも、生地の大きさ・成形方法によってその時間が変動する。 うーん難しい。 簡単に言うと分割は大きい順に切ればよし。 成形は時間に合わせて、順番を調節すればよし。 アルテでは、分割は中大小の順 これは中の成形が生地負

          目指せ!プロパン屋~分割編~

          目指せ!プロパン屋~1次発酵編~

          温度管理 1次発酵は、ミキシング終了後、分割に適する生地になるまでの時間のことを指します。実はこの時間をどう調整するかが、生地の良し悪しを調整できる最後の工程と言っても過言ではありません。 というのも、パンの品質を安定させるには、温度が最も重要です。捏ね上げ温度が1度、ずれていた場合、同じ流れで焼き上げると「明らかに目視でわかるレベルに変化がある」なんとも膨らみの悪いパンが出来上がります。 その1度の誤差が出ること自体はどうしても致し方ない部分があるので、その誤差をこの時

          目指せ!プロパン屋~1次発酵編~

          目指せ!プロパン屋~ミキシング編~

          ミキシングとはパン生地を作る際の一番重要となる部分ではないかーと。 ミキシング方法にも機械の違いや手ごねなど含めると様々な手法があります。 一番のポイントは、求める食感にあわせて生地を捏ね上げること。 捏ね上げる(ミキシング)というのは、「グルテンをつくる」ということとほぼ同意義です。 そのグルテンがどのくらい必要なのかでミキシングのかけ具合が異なります。 もう少し掘ってグルテンというものはをざっくりと。 小麦粉中に含まれるたんぱく質の 「グリアジン」と「グルテニン」

          目指せ!プロパン屋~ミキシング編~

          目指せ!プロパン屋~湯種編~

          湯種についてたねという字を使っているので、発酵種(ルヴァン種とかポーリッシュ種、酒種など)と同じように見えますが、少しイメージが異なっています。 正確には熟成種といったイメージで、「もちもち」食感にする素材の一つといったものです。 そのため、確実な温度管理をしないと死滅して、意味がなくなってしまう。というものではなく、低温で一晩放っておけばOKという気軽なものです。 だいたい、小麦粉を100%としたとき50%くらいを湯種として入れましょう。 もちもち感を弱くしたければ、

          目指せ!プロパン屋~湯種編~

          目指せ!プロパン屋~中種編~

          中種についてなかだねと読みます。 パンを焼く方法には大きくざっくりと分けて ○ストレート法 ○中種法(液種なども似たようなタイプ) に分かれます。ちなみにスクラッチ法やベイクオフなどは焼き方ではなく製造体系になるので、今回は割愛します。 ○ストレート法 ミキシングから焼成まで一気に焼き上げる方法。ミキシングが1回というところがポイント。 メリット:時間が比較的短く焼けるため、量の調節なども比較的しやすい。 デメリット:十分な水和・熟成とならないため、味の深みや日持ちが少な

          目指せ!プロパン屋~中種編~

          目指せ!プロパン屋~計量編~

          ミスを減らす方法 コアな部分でもあり、パンにとってめんどくさいながらも手を抜いたら一瞬で終わる。それが計量です。 ミスの問題点 ○大切に作り上げてきた配合が一つの間違えでおじゃんになる。 ○お客さんが離れる。 ○2万円など大きな単位で損失&負債にかわる。 ○捨て生地の処理も大変 パンを焼いていると直面することなので、ミスを0になるべく近づけるアルテの食パンで気を付けていることをまとめます。 ちなみに、オープンから1年半生地をすべて捨てるレベルでのミスが判明したのは、1回で

          目指せ!プロパン屋~計量編~

          目指せ!プロパン屋~プロローグ~

          アルテの食パンのオーナーをしています長山智寛と申します。まだこの記事を書いているのは経営に携わりだすオープンしてから1年と半年ちょっと経ったまだまだ駆け出しのころになります。 まずは、この壮大な内容に手を出した理由から。 今、一緒にパンの製造を行っているパン製造20年の大ベテランの方との会話が発端です。「ここまで生地と向き合ったの初めてかもしれない・・・」 私は、ちなみにプロのパン歴は今4年目なので、ぺらんぺらんのペーペーなのですが、そのくらい細かく化学的にパンと向き合

          目指せ!プロパン屋~プロローグ~