目指せ!プロパン屋~ホイロ編~

求める形と高さ

ホイロというのは、最終発酵ともいわれます。
パンを焼き上げるために最終調節ができる場所ともいえると思います。

そして、ホイロの出来がパンの品質に大きな影響を与え、パン屋の質を決めるといっても過言ではありません。

というのもパンは見た目で選ばれることが多いためです。
見た目がきれいなパンは食欲をそそり、購買意欲を高めます。

人間が、見て美しいと思う比率はいろいろとありますが、
スマホやテレビなど画面を見ると「違和感」を覚えませんよね?

それは美しい割合だからです。

それと同じようにパンもちょうどいいサイズというものがあり、
高さが限度を超えていたり、形に不安があると「違和感」を感じ購買意欲が下がります。

そんな見た目の中でも「形」を決めるのが「ホイロ」というわけです。

自分が求める形・見た目にするには、どのくらいの発酵具合がいいのか。
いつもこればかりは変化します。

生地温度、ミキシング具合、生地締め具合などいろんな面で差が生まれるため、職人の腕の見せ所というわけです。

腕がないなら、安定させるため、温度であったり、生地感であったりを統一しないといけません。

あれ、それって職人じゃん。だからパン屋さんは10年の修行が必要と言われるんですね。(僕はまだお店2年、その前に2年の合計4年ですが・・・)

答えをまず持つこと。そして、記録をとることがホイロを見極める重要課題です。

ホイロとパン酵母

ホイロの時間を調節する際には
まず「生地温度」こちらが適正であるかを確認してください。

いつもと比べて温度はどうなのか、そもそも低くないのか。
早すぎる場合は高くないのか。
チェックをしてください。

それでもやっぱり遅い、早い
これは自分の工程時間にも関係が出てきます。

自分の工程的に5分発酵を遅くしたい・早くしたいなんてこともありますね。

単純に入れる時間を遅くするのか、入れやすいタイミングで調整するのか考えなければなりません。

そんな時に限界はあれど、手伝ってくれる素敵な存在が
パン酵母です。

パン酵母は入れすぎると風味を損ねます。
そこにまず注意しましょう。

生地にとって正しいパン酵母を使っているのか。
糖分が高め・逆に少なめ・生地温を低く
などパン酵母にはすみわけが色々とあります。

単純に遅いから、パン酵母を増やすではなく、
パン酵母の適正を見極めましょう。
そこから、パン酵母に対して阻害する素材を考え、量を調整することが必要です。

基本は生イーストなら2%、多くても2.5%くらいを目安に。
インスタントドライなら約半分くらいをイメージしてください。

発酵速度

話は飛んで、窯伸び(オーブンスプリング)で悩んでいませんか?
昨日はこんなに伸びたのに、今日はこれしか・・・。

それは基本的にはホイロでの発酵速度で確認できます。

例えばいつも40分発酵に必要とするとき、
今日は45分かかった。生地も少しだれ気味な気がする。

こんな時は、
生地温のスタートが低かったため
もしくは
ミキシングオーバー気味
となります。

そのため、
窯伸びは少しだけ少な目になるため、いつもよりホイロを出し気味で
窯入する必要があります。

45分で同じ状態のままで焼くと小さめに焼きあがるということになります。

逆に早い時は窯伸びがいいので、少し早めに窯入もしくは常温で調整しましょう。

この状態を把握するためにも日々時間を計り、
感覚的にも理解できるようにすることが必要です。

パンそれぞれの特徴や配合にあった発酵時間に調整できるようになりましょう。

ホイロ内でのクセ

ホイロ内温度は一定ではありません。
当たり前のことではありますが、当店は特に食パン専門店のため、
明確にわかるということがあります。

単純に考えると、
・温かい空気は上にたまりやすい。
・温風に向きがある(うちのドウコンは後ろから前向き)

この場合は、
手前の一番上が最も温度が高く
手前の一番奥が遅くなります。(直接温風が当たる場合は別だが・・・)

上から2段目の手前と一番上の奥が一緒くらい

なんてクセも見つかったりします。

クセが見つかってしまえば、
温度高い所には、発酵が遅いものを
温度低い所には、発酵が早いものをなど
調節が可能となります。

うちの場合、
レーズンは常温のため発酵が遅く
あんこはホイロで温めてから使うため、発酵が早くなりがちです。
そんなところも均一に焼くためには大切だったりします。

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