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猫との駆け引き、3ヶ月。

実家には猫がいます。名前は、ちび。私が独身の実家住まいだった頃、やはり「ちび」という名前の猫がいました。まだ目が開いたばかりの頃から可愛がっていて、いつも私の布団で一緒に寝るほどの仲良しでした。トイレにも付いて来て、お風呂に入った時も扉の外で待っていて。ストーカー猫だと、よく笑いながら言っていました。ちびは、私が結婚して実家を出てから出産で帰省したときも、子供が産まれて連れて行った時も、いつも、おかえり~と近づいてスリスリ、ゴロゴロしてくれました。

そんな、ちび、もう5~6年ほど前に他界していて、寂しく思っていました。

そしたら、いつの間にか、ちびにそっくりな猫が実家に住み着いているという。しかも、実家の親に名前を聞くと、「ちび」と言う。

え、この子、ちび?同じ名前?見た目は確かに似てるけど。

名前も見た目も、ほぼ同じ。しかし中身は別人(猫)。突然同居した私たちを受け入れてくれません。子供たち、ペットを飼った経験がない、しかし動物大好きで、「ちびー!ちびー!」と気になって追いかけます。ところが、ちび本人(猫)は知らん顔で、サラッと逃げる。

そりゃ、そうですよね。自分とおじいちゃんとおばあちゃんと、のんびり過ごしていたところに、いきなり小学生2人が賑やかにママと来た。猫にしたら、静かな住まいに五月蝿い奴らが来た!みたいな感じ?

とにかく、色んな所に隠れて出て来ないし、新参者の私たちがいると、そそくさと部屋から出て行き、何がなんでも顔を合わせないという信念が見られます。私はとりあえず、日中は家に居ないし、気にしても仕方ないと放置。でも子供たちは、なんとか仲良くなりたい様子。どうすれば仲良くなれるかなぁ。毎日仲良くなろうと必死です。

ちびを探す子供たち。しかし現れないちび。さてどうするか。

実家生活が始まった最初は、ちびと小学生との攻防戦が繰り広げられましたが、2週間もすれば子供たちも諦め、「ちびきらい。」と言うように。そりゃそうだ。ちびもなかなか根性があり、子供たちには頑なに近寄らず、たいしたものです。

しかしあるとき、毎朝のように私1人で起きた時、お腹すいたにゃー。といつの間にかちび。私の顔を見上げて鳴くんです。

今の私に言ったの?ごはん?

なんだこいつ、と思いながら、私も猫好きなので、ついゴハンをあげました。これは、今日はどうしたのか?どんな心境の変化?

そう思っていたら、子供たちにも突然近寄り始めました。すごい仲良し、とはいかないけど、逃げたり隠れたりしなくなりまして、特に長女には懐いていったのです。二女は、声が高いからか、時々逃げられます。長女は静かにゆっくり、ちびー。と囁いています。ちびも尻尾をぴんと立てて、長女の足元にすり寄って行きます。二女にもすり寄りますが、やはり声が高いからか、長女ほどには懐かない様子。

苦節3ヶ月。やっと猫さまが私たち親子を受け入れて下さいました。寝ていても、なんだか重いぞ?と目を飽けると、掛け布団越しに私のもも辺りに体重を預けている、ちびのあられもない姿。またある時は、びっくりするほど寝相の悪い長女の布団に、ちび。不思議なことに、ちびが脇で寝ていると、長女の寝相の悪いのも治ってしまうほど。

実家生活もそろそろ半年近くなりますが、猫様との距離も近くなりました。今では家族の一員と言えるほど?

ちびにも、どう思っているか、聞いてみたいものです。

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↑長女のお腹に乗るちび。

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ちび「仕方ない。まあ認めてやるか。」


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