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従業員満足度100%を目指す訪問介護・看護ステーションPLUS+の取り組み

みなさんはどんな職場で働きたいと思いますか?

介護の仕事は「きつい、汚い、給料が低い」の代表的な3Kだと言われていますが、実際に働いている介護スタッフは常に3Kを思っているのでしょうか。

楽しい、利用者さんの笑顔がみれて嬉しい、できることが増えて一緒に喜ぶ、そうした目に見えない"プラス"を作り出し、全ての人のしあわせを考える職場を想像してみてください。きっと、「また頑張ろう」と思える気がしてきます。

そんな”プラス”を作り続ける巴株式会社の竹谷様、末安様に理念や取り組みについてインタビューさせていただきました。

◾️自己紹介

竹谷 拓
看護師
【経歴】
介護士、警察官、看護師、カウンセラーと異例のキャリアを持つ。
「一人で悩まない社会を創る」をモットーに企業のメンタリングやストレスチェックを行う。また末安氏と共に巴株式会社を立ち上げ、一般企業と福祉のかけ算による業界の発展を目指す。
末安 省吾
看護師
【経歴】
福岡県朝倉市で生まれ育ち、農業高校を卒業後20歳で准看護師免許を取得。3年後看護師免許を取得後1年で大阪の病院へ転職。26歳の時、竹谷氏と共に会社設立を目指し派遣看護師として様々な病院での勤務を経験。2年後、念願の巴株式会社を竹谷氏と共に設立し、代表取締役を務める。


◾️従業員満足度100%を目指した背景


Q.理念に従業員満足度100%を掲げた理由を教えてください。

(末安氏)利用者さん満足度100%は、介護をやってる側は当然考えないといけない目標ですし、そのためにはまず自分たちが働きがいのある場所であり、利用者さんに対して何ができるのかを考えられる環境を作る必要性を感じました。

病院で働いていた当時は僕たち自身も「働かされている」と感じることも多く、組織に使われているような感覚でした。そうした経験から会社としてまずは「従業員の満足度」に目を向けていこうということで理念にしました。

「利用者さん満足度100%」に関してはスタッフの方々は常日頃考えてくれていますし、介護専門職にとっては当たり前でなければなりません。
ですが、働く人の満足度も高くなければ利用者さん満足度100%のケアを提供することは難しいと思うので、会社としては従業員に視点を向けていこうと思っています。


Q.どんな職場を目指しているのですか?

(末安氏)必死に働いて頑張って、決まった給料をもらうだけならダブルワークをしてもいいわけです。だけど副業をしたとしても「ここは辞めたくない」と思ってもらえるような職員も居心地がいい、働いていて楽しいと思える職場にしたいと思いますね。

(竹谷氏)幸福度で例えると、幸せとか満足度というものは、人に提供されるものではなく、その人の中にあるものです。

職員の方が求めていることに応えられるものは運営側として持っているべきだと思いますし、もっとステップアップしたことを求められているのであればそうした体制を作れるように応えていくことも必要だと思います。

経営層から一方的に提供するだけではなく、現場の意見にどのように応え、この職場で働いていると飽きないな、楽しいなと思ってもらえるような職場を作れたらいいなと。

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◾️取り組み内容


Q.目標を達成するために、どのような取り組みをされているのですか?

(末安氏)一つは利用者さんに対してのクレドと、働く人間としても雇う側もお互いに嫌な思いしないように、職員に対するクレドを作りました。

まずは僕たち経営陣がクレドに沿った行動を見せていくことで、スタッフの方々にも認識していただけると思うので、自分たちが常日頃行動目標として大切にしたいことをクレドとして周知しました。

もう一つは、会議の質を上げるために会議内容を変えたことです。
当初は、現状に対しての話をするだけでしたが、会社を通して必要な話をしっかりとできるようになったので、来年に向けてどうするかなど、もう少し先を見据えた内容にするため、新たに「GPS会議」と名付けた新しい会議を訪問看護ステーションで開始する予定です。

GPS会議とは、会社の目標だけでなく職員個人の目標に対して、現在地点を把握し、これからどうするかなど未来のことを話すための会議です。

会社の目標は、会社に言われていることという認識になるため、個人の目標を持っていることが大切だと思います。自分で立てた目標に対して、遂行できているかどうかは自分次第になりますが、そこに僕たち経営陣ができることもあるし、協力するよ、というような会社側がサポートできる組織風土を作っていきたいという思いで行っています。

僕たちの会議の特徴は、ファシリテーターを外部のコンサルタントに頼んでいることです。内部の人間がファシリテーターをすることによって経営陣の想いを伝える一方通行になりがちですが、外部の人が客観的にスタッフから意見を聞いていくことによって、スタッフは自由に発言をしてくれますし、話も素直に受け入れてもらいやすいなと感じています。

外部の方に頼むことに対して僕が思うことは、自分たち(経営陣)だけでやいる会社じゃないなと思っているんです。
世の中の社長さんは何でもできる方が多いですが、僕の考えとしてはそれぞれ得意としている方に頼んで任せていくことで、僕も学ばせていただけるし職員さんも安心して頼ることができるので納得度も高くなります。

(竹谷氏)率先垂範ですね。僕たちが満足度高くないと働く方々の満足度が100%になるわけがないので、僕らは常に100%で仕事できるという、自分たちの満足度を高めることもとても大事に取り組んでいます。

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Q.働いていて「楽しい」と感じるときはどんな時ですか?

(末安氏)ほとんどの職員さんが自分の考えに賛同して働いてくれているということは大きいかもしれないですね。

根拠のない「それは違うでしょ」という否定をするのではなく、「こう思うんだけど」って話を持ちかけたときにもただ賛成するばかりではなく、
「こっちの方が良いと思うのですが」という意見交換ができる関係性を作れているので、それぞれの考えを共有できる環境が楽しいと感じる部分です。

(竹谷氏)そうですね、やはり組織にいると上(上司)から仕事や考えを押し付けられてしまう中で、いかに天井をなくしてチャレンジすることができる環境であるかが大切ですし、「誰と何をするか」が非常に重要だと思います。そうした、いい仲間に囲まれて働けることが一番満足度が高いと感じますね。


Q.取り組みの経過について教えてください。

(末安氏)現在、従業員満足度は100%を満たしていません。
今までは職員に何を目的に従業員満足度100%目指しているのか浸透しきれていなかった点や、匿名といえど職員アンケートの回答を会議で開示していなかったことが「自分ごと化」されない要因だと考えています。

また職員の不満も少なく、職員間の人間関係も問題があるほど何かあるわけではないため「ある程度満足している状態」から100%を目指そうと思わないわけです。今後は100%を目指すとどんなメリットがあるのかなどを職員にも感じてもらえるように伝えていく必要があると感じています。

(竹谷氏)この結果を職員だけでなく外部にも公表することに意味があると思っています。
従業員満足度100%目指しているのに達成していないから恥ずかしいと思うのであれば、恥ずかしくない会社にしましょうという話ですので、このチャレンジは辞めてはいけないだろうと思っております。

この業界は外部から評価を受けることがほとんどないため、自分たちが発信していくことで「外からの目」を向けられることから「どう見られたいか」を職員一人一人が考えるきっかけにしていきたいです。


Q.今後挑戦してみたいことを教えてください。

(末安氏)僕たちの取り組みを発信することに力を入れていこうと考えています。働いている職員さんも外部の方から見られてる方が仕事の取り組み方も変わってくると思いますし、自分の会社が行っていることを色んな方に知っていただきたいと思います。

介護や看護の仕事に関して、「こんな施設あるんだ」とまだ介護や看護を知らない方にも面白いなと感じていただけるような取り組みを発信していくことで、見てくださった方が何か新しい視点を持っていただけるきっかけを作れるのではと思っています。


◾️友達であり、信頼できる仕事のパートナー

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(末安氏)僕と竹谷は性格的にも頭の働き的も正反対な感じがします。

竹谷がアイディアマンであるからこそ、僕は多分現場を楽しくやっていられる。竹谷は僕が現場を楽しくやってるからこそ、いろんなアイディアを持ってきてくれる。代表を任されてからもそこが変わらないんですよね。

だから、竹谷がいなくて僕1人で巴株式会社の運営をやれって言われても、あんまり気乗りしてないというか・・発展はしていないだろうなって思います。

ちょっとずつですけど、この会社が拡大していってるのは多分、竹谷がいろいろアイディアを持ってやってくれているからかなとは思ってますね。

(竹谷氏)本当に完全に友達ですね。これ、この(友達である)感覚がなくなると楽しくなくなると思うんです。あくまで楽しむためにやってるというか、仕事を楽しむためにしていると言ったら怒られると思うけど、趣味の延長みたいな感じで仕事してます。

”楽しい”という気持ちを僕らがずっと持たないと、やらされてるって僕らがまた思うような仕事になってしまうとそれで終わりだって思います。

この仕事も一緒にやりたいと思う人とやってることなんで、今まで崩れずに成り立ってきているのではないかと。

末安が言ってましたけど、僕はアクセルとブレーキみたいな感じで考えてます。僕はガンガン踏み込んでしまうので、末安は何かそこを止めていただくブレーキかなと思ってますね。

なのでこの人にね、やめろって言われたら、やめなあかんのやろうなと思いながらいつも自由にアイディアを出せてるんです。

(末安氏)言ってもやめないと思いますけどね。笑

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◾️お二人にとっての「働きがい」とは?


(末安氏)働きがいって何なんですかね笑)
僕は働くとき、どれだけ自分が楽しいかだと思ってるんですよ。

だから僕は楽しくなかったら、自分に合わない仕事してるなって思ってますね。嫌なことも含めて、楽しめることが大切なんです。
仕事で嫌なこと言われて落ち込んでいても、楽しい仕事だと感じていれば明日もまた頑張ろうってなるじゃないですか。

だから働きがいは、うん、「楽しいかどうか」です。

(竹谷氏)ポイントは人との縁なのかなと思ってます。
仕事で繋がる人との縁が、「働きがい」。僕は、色んなことに感謝できる仕事をしていきたいと思ってるので、その感謝しうるに値する人と一緒にやっていくということが、僕にとってのやりがいだから。

僕たちの業界(介護福祉や医療)は感謝してもらってそれがってやりがいだという話が多いですが、どちらかというと、僕が感謝できる人と仕事できることがやりがいだと思います。

働くために生きるわけではない、生きるために働く? これも違う。

働くということは、生きてる中での楽しみの一つなんで、仕事が面白くなくなったら僕とか末安みたいな人間は仕事しないでしょうね。

仕事にモチベーションとかいらないと思ってるんです僕らは。
何かモチベーションを持たなければいけない、モチベーションがないとできないようなことをすることがおかしい話です。

自分たちが楽しいと思える仕事をする、楽しいと思えるやり方をする。
そんな考え方をしていったらアイディアもたくさん出てきますよ。自分が楽しくなること考えるのは楽しいでしょう?

末安さん、竹谷さん、素敵なお話ありがとうございました。
第2弾として、巴株式会社の介護職員さんにお話を伺いました。スタッフには上司や会社の取り組みはどう映っているのか?

みなさんが知らない、現場の想いをお届けします。


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