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5-1. 今日から研究初め【ミトコンドリア】

改めまして、あけましておめでとうございます。
タイトル通り、今日から研究を再開しました。頑張っております。

僕は現在、大学院2年生です。
なのでこの時期は、修士論文で忙しいです…幸い実験は済んでいるので、もう少し解析して、その合間に修論を書いている。といった具合です。
4月から就職で、今の研究内容とはほぼ関係のない職に就きます。なので今の研究とは、あと少しでお別れです。
約3年、必死に勉強したり、調べたり、考えたりしたものなので、ほんの少しだけ寂しいですね。なので、ここに僕が3年間研究したものについて、お話ししたいと思います。研究内容については、まだあまり詳しく言えませんけどね。

僕が3年間研究したもの。一言でいえば

〝 ミトコンドリア 〟

についてです。もうちょっと詳しく説明すると、ミトコンドリア自体の研究ではなく、神経軸索内に存在するミトコンドリアの集団としての役割、に関する研究をしています。

『ミトコンドリア』って聞いたことある人は多いと思います。
ではミトコンドリアがどういったもので、どんな役割を果たしているか知っていますか?ちょっと学術的な話になりますが、できるだけ分かりやすく、簡単に説明するので、読んでいただければ幸いです。


・ミトコンドリアの2つの役割

ミトコンドリアには、数多くの機能がありますが、主な役割は下記の2つです。

・ATPの産生
・アポトーシスの調整

他にも、カルシウムなどの細胞内濃度の調整や、がんの発生とmtDNAの突然変異の関連など、たくさんありますが、とてもここで書ききれる内容ではないので…

まず上記2つの説明に入る前に、もっと基本的な内容から。

Q. ミトコンドリアの起源は何でしょうか?

これは葉緑体にも言えることですが…
多分中学校の時に習ったかと思います。覚えていますか?

A. プロテオバクテリア

です。ちなみに葉緑体はシアノバクテリアです。
かつては独立して生きていた、呼吸するバクテリア、さらに光合成するバクテリアが、細胞に取り込まれて、細胞内で共生した結果、ミトコンドリアや葉緑体に変化したのです。これを細胞内共生説と言います。

もう1つ、皆さんは『ミトコンドリア・イヴ』という言葉を知っていますか?
今の十代、二十代は知らないかもしれないです。少なくとも僕の周りの同世代はほとんど知りませんでした。

簡単に言うと、僕たちの身体の中にいるミトコンドリアは、母親から受け継がれます。父親のミトコンドリアは受け継がれません。したがって、ミトコンドリアのDNAを調べれば、女系の祖先が分かる!という話です。ちょっと面白くないですか?

ただこれについては、多くの誤解があります。よく誤解されているのは「全ての人類はたった1人の女性からはじまった」と言われますが、それは違います。正しくは「すべての現存する人類は、約20万年ほど前に生きていた、とあるミトコンドリアの型をもつ女性にたどり着く」です。ちょっとややこしいですね。

たとえば、女性は自分が生んだすべての子にミトコンドリアDNAが引き継がれますが、その子どもが全員男性だった場合、この女性のミトコンドリアDNAは孫に受け継がれずに、その代で途切れます。もし仮に、子どもに女性がいても、この娘が産んだ孫に女性がいないと、やはりここでこの家系のミトコンドリアDNAは途切れます。ということは、ミトコンドリアDNAを子ども、孫、子孫に残すためには、全ての世代に最低でも1人は女性が産まれないといけない、ということになります。

ややこしいですね(笑)。このミトコンドリア・イヴという話自体、全然大した説ではないんですよ(笑)。現存する人類がいるということは、母、女性がいるということなので、どの世代においても女性が確かに存在したということですから、それ自体別に不思議なことはないですよね。


ここまでミトコンドリアの基礎となる話をしましたが、予想以上に長くなってしまいました…2つの役割については次の記事にします。すみません(笑)。

あと、研究はミトコンドリアをしていますが、実は本当の専攻は分子生物学とかではありません!実はただの情報系専攻でいろいろありまして、神経形態系の研究に移行しただけです!分子メカニズムとかそんなに詳しくわかりません!なのでもしかしたら間違ったことも書いてるかもしれませんが、何でもしますので許してください!(なんでもするとは言ってない。)

ここまで読んで下さりありがとうございます。
また次回も読んでいただけると嬉しいです。

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