自らの手で愛着の湧く家に変えていく。
【広瀬 耕さんの場合-第3話】
Q.家の改修は、どこから手をつけましたか?
(広瀬さん)まずは居間の天井や床の解体から始めました。ぼくは地域おこし協力隊で「空き家活用」を担当していたので、その選択肢として“地域の交流拠点”にするべく、土間のオープンスペースを作ろうと思ったんです。
萩市では移住者向けの補助制度があるのでそのお金も使わせてもらって※、土間のコンクリート化や壁塗り、ガラス建具の工事をすることができました。予算内に収めるため、天井や床の解体は自分でやりました。
Q.室内で一番お気に入りの場所はどこですか?
(広瀬さん)結構キッチンが好きですね。窓から庭が見えるキッチンとフライパンを壁に吊るすのに憧れていたんです。洗面所の改装で余ったタイルと貰ってきた板に塗料を塗って、DIYで仕上げました。
実際使ってみると、“土間”というメリットがすごく大きくて。
外で作業していると、泥だらけで家まで上がれないし、外だと寒いし…で、キッチンで靴のまま座ってコーヒーを飲んで、庭を眺めてるのが好きですね。土間って半分「外」で半分「中」みたいなところがすごく楽しいんですよね。
Q.家の外で一番お気に入りの場所はどこですか?
(広瀬さん)庭にDIYでレンガサークルを作ったんですけど、それが気に入っています。さらに倉庫の裏にもなんかしようかなと思って、レモンを植えたりして庭づくりに入ってます。
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広瀬さんは初めから完成されたものを求めるのではなく、
「自分好みに仕上げていくなかで、だんだんと愛着が湧けばいい」と考えている。それは行動することによって、本当に実現しつつある。
家の方は順調に進んでいるので、あとは「暮らしをつくる」という広瀬さん。下関からの移住者でもある広瀬さんは、三見では新参者という立ち位置。また、今の仕事である「萩市地域おこし協力隊」の任期は3年なので、それが過ぎたら自分で新しい暮らしを作っていかなければならない。
実はこの三見(さんみ)、人口は1000人ほどで、高齢化率55%というちょっと未来を行っている超高齢社会の町。平成生まれの広瀬さんが、この町でどのように溶け込み、生活して行こうとしているのか・・・
次回ではその取り組みについてお伝えしたいと思う。