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【連載小説】ファンタジー恋愛小説:氷晶の森の舞姫と灼熱の大地の王子第二十三話 アドルフに反旗を翻す名家達

前話

 ライオは淡々と国の内情を話し始めた。下級貴族達は無理矢理忠誠を誓わされ、反抗する貴族達には容赦なく魔術で脅したり、操っているという。我が物顔で王宮に居座り、贅の限りを尽くしている。だが、忠誠を表向きは誓っているものの、炎の国の三大公爵家はそれぞれ反旗を翻そうと機会を虎視眈々と狙っている様子だ、との言う。そして王位継承者第一位のレオポルトと第二位のアデーレ姫は既に亡くなったと言いふらしてる、らしい。おかげで反抗しようとした名家のいくつかは仕方なく服従したらしい。
「俺が死んでるのはともかく、アデーレまで巻き込むとは」
 あの母親は娘が死んだと言われて何も思わないのか。レオポルトの中でふつふつと怒りがこみ上げる。
「リリアーナ様ですよ、王子」
 ニコが余計なツッコミを入れる。
「わかっている!」
 怒気を含んだ声を上げてはっ、とする。このカッ、となりやすい性格では民を導けない。レオポルトはライオという偵察者に言葉をかける。
「公爵家でつなぎが取れそうなヤツはいるか?」
「イグナリウス家とヴォルカンダート家の主にレオポルト様が存命とさりげなく言うと今すぐにでも氷の国で決起したいとのこと。この二つの名家の力は大きいでしょう」
 レオポルトは幼い頃、いろいろ教えてくれていたあの名家の当主達を思い出す。
「よし、俺の手紙を持って行け。向こうで反旗の機会を狙っていろと命を下す。向こうで合流だ。ニコの義勇団の他にまだあるとカールは言っている。すべて集めて一気に攻め込む!」
「して、その時期は?」
「まだ、様子見だ。アドルフがこちらの魔術を独占するために攻め込んでくるとアイシャードが言っている。それを阻止して一気に攻め込むんだ。氷の国には一切被害を出してはならない。これは俺からの命だ。決して破るな」
 レオポルトの体からはすでに王の気質があふれ出ていた。右も左も政治のことはわからないが、その素質がすでに備わっていた。
「ニコ。カールと連絡を取って仲間を集めておけ。俺は、アイシャードに氷の守護をアドルフが来る前になんとかしてもらいに行ってくる。氷の義勇団もあるらしい。そこもつなぎを取っておけ」
「御意」
 ニコはレオポルトを王として接した。親友ではなく臣下の位置を取った。それはレオポルトが正式に炎の国の王位継承者と証だった。
「ニコ。それはまだ早い。それからそういう他人行儀なのも嫌いだ」
「レオ」
「じゃ、行ってくる」
 出て行きかけたレオポルトにニコが声をかける。
「手紙を書いてけ!」
「すまんすまん」
 ささっと手紙を書くとライオに手渡す。
「じゃ、行ってくる」
 レオポルトは階段を走りながら駆け上がっていった。


あとがき

むさい男達、いや、青年達のお話でした。こういう話が随所に出てくるはずなんですが、未だ、いちゃいちゃしているユレーネとレオです。昨日はこれを二話も書いて大変でした。おい。国はどーするんだ。と。
パパりんが種明かししてくれたのとあるお方が急にでてきたり。
娘さんを下さいをやったレオ君です。そこはもう少し先でお目見えです。朝、暇すぎるので更新しておきます。今日は中継がある。しかし抑えの湯浅さんが~。ショッキングでした。そして、私はようやく寝ようとしたら、濾過器が回っていないことに気づき、大わらわで寝るのが遅くなったのでした。そして自然起床が早すぎる。明日も出勤なのに。
「影の騎士真珠の姫」が終わって今「氷晶の森の舞姫と灼熱の大地の王子」の方で暴走中です。他の話はしばらく待って下さい。こちらを書かないと。昼寝するか書くかの帰宅後です。また、更新すれば覗いて見て下さい。
ここまで読んで下さってありがとうございました。

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