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【連載小説】ファンタジー恋愛小説:氷晶の森の舞姫と灼熱の大地の王子第二十二話 焔煌の誓い団

前話

「疲れたー。どれだけ舞うつもりだったんだ。ユレーネは」
 四人で舞った舞を終えてリリアーナの座っている絨毯の上に倒れる。
「お兄ちゃん。大丈夫?」
 心配そうな妹の頭をレオポルトは優しく撫でる。
「大丈夫。剣舞はよかったか?」
 レオポルトが目を細めて優しげに聞くと、うん! と大きな返事が返ってくる。
「じゃ、ユレーネとローレライと良い子にしているんだぞ」
「お兄ちゃんは?」
 不安そうな顔つきのリリアーナの頭をもう一度撫でる。
「兄ちゃんは、ニコとカールと待ち合わせている。大事な用事があるんだ」
 炎の国の地下組織、「焔煌の誓い団」があるところに案内してもらうことになっていた。そこで主要メンバーと会うのだ。ニコが主に率いているが、氷の国の地下組織とも一緒に統括しているのはカールだ。側近の大臣として務めていたが、反逆の機会を狙っていた。敵にしなくて良かった、と思うレオポルトである。
「じゃ、レオ。行こうか」
「ああ。ちょっと待った。ユレーネ、リリアーナ」
 両手に抱えると二人の頬にキスをする。そしてだっと走り出す。
「レオ!」
 ニコも追いかけていく。
「恥ずかしいのね。レオポルト様は」
「恥ずかしい?」
 リリアーナが聞く。ユレーネはぼーっとしている。
「ほら。ユレーネも行くわよ」
「お城まで競争!」
 リリアーナが駆けてゆく。
「まぁ。ユレーネとそっくりね。って昇天してるわ。ユレーネ!」
 はっと我に返ったユレーネはリリアーナを追って走り出す。
「困った姉妹ね」
 ローレライも走り出した。
 
「ここか?」
 薄暗い階段を降りて木の扉を開ける。そこには炎の軍から戦死とされていた人物を始め、レオポルトの見知った戦士が多くいた。
「ヴォルカン! 生きていたのか」
 レオポルトが抱きつく。レオポルトから見れば父親のような年の離れた戦士でレオポルトはこの人物に剣をよく教えてもらっていた。
「王子。の様なところでお会いするのが残念でなりません」
「いいんだ。それで。生きていてくれただけでもいい。ニコと上手くやっているようだな。ニコも言ってくれれば良いものを。俺の涙を返せ」
 パコッ、とニコに拳を突き出すレオポルトである。
「すまん」
 そう言って拳を避けるニコである。
「それがすまんの返事か?」
「はい」
 にっこり笑うニコにまた拳を突き出す。今度は手で受け止めたニコである。
「王子も鍛錬は怠けておられなかったのですね」
「もちろん。こんな日が来ることはわかっていた。それがお前達だってことだ」
 ぐるっと見回す。皆、レオポルトに忠誠を誓おうとしている者ばかりだった。
「新しい国王に忠誠を」
 ヴォルカンが言うと一斉に皆、跪く。ニコは立ったままだ。とっくの昔に忠誠は誓っている。
「いや、俺、まだ王様じゃないし、頭を上げてくれ。あのどうしようもない国を一緒に救ってくれ。俺はみんなと同じ立ち位置だ。忠誠なんていらない。一緒に闘ってくれればいいんだ」
「ではレオ、と呼ばせてもらおう」
「って。お前はいつもそうだろうが」
 ニコが言ってレオポルトが突っ込む。そこへ、一人の男が入ってきた。
「ライオか。国はどうだった?」
「なるほど。偵察の者もいるのか。流石だな。ニコ」
「カール様の人選だ」
「ああ。敵に回したくないヤツだな」
「それは同感する」
「早速、国の現状を報告してもらおう」
「はい」
 レオポルトを見ると跪いたライオは一度下げた頭を上げて現状を報告し始めたのだった。
 


あとがき

そういや、この話が先決よね、ということでレオ君とユレーネちゃんのお話を中心進めていくことにしました。「影の騎士真珠の姫」は余興なので、毎回お目見えしなくともいっか、ということで。本ネームでの掲載が主なのでここではサブ扱いになるのです。WordpressとNOVEL DAYSではコンスタントに更新して行きますので、先行公開はそちらが先になります。

昨夜もまたChatGPTさんと設定をつめてました。最近、姫というより魔法使いが多いです。そしてなぜか男性はエリックと言う名前に。女の子もリリアナばかりで訂正設定をするのが大変です。そして主要な人物像を挙げてもらうのですが。途中で切れて「続きを教えて下さい。」がエンドレスに。流石に十人目で切りました。他の主要人物の場合は三人で、と指定してきっちり少なくなりました。質問の仕方いかんによって答えはいくらでも変わります。そして自ら提案していたのにわかりません、というChatGPTさん。書いておいて設定がありません、って。おい。まぁ、その辺は私から再設定しますが。いつになったら出てくるかはわかりません。一作、プロローグだけの者があり、これを進めていく事にもなっています。ミステリー要素もあるので、難しい。これはもろに星が出てくるのですが、最初あの乙女ゲーのパクりかと思いました。まぁ、昔培った星やら暦の情報を入れて組み替えていますが。今日もこの記事をここまで読んでくださってありがとうございます。また覗きにきてくださいね。

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