見出し画像

【連載小説】ファンタジー恋愛小説:影の騎士真珠の姫 第五話 騎士との仮契約

前話

「私を警護する必要はありません。大人しく、部屋にこもっているか、森の泉で水面を見ているだけですから。ヴァルター様は、騎士らしく訓練なさっていれば大丈夫です」
 朝の、あの柔らかな声とは違って冷たい声でフィーネペルルは言う。
 
 どうせ。あの人外の力を見て誰も彼も忌み嫌うに違いないわ。彼もそう。私のお守りなんてただのお遊びだわ。
 
 一人思っていると、ヴァルターは顔を上げた。
 
「あの力の事を気になさっているのですか?」
 鋭くその言葉はフィーネペルルを突き刺した。
「それが何か?」
 傷ついていることすら言えない。フィーネペルルは泣き出したかった。
「あの力は取るに足りません。姫君の優しいお人柄をあの力は奪いません。むしろ、助けているのです。エルマを助けた力はいずれ、また別の機会に役に立ちます。忌み嫌っては成りません」
「役に……、立つ?」
 フィーネペルルはあっけにとられた。あの異端の力が役に立つと? 
 
 力はあっても頭にはお花が咲いているのね。
 
 フィーネペルルは頑としてヴァルターの声を無視した。椅子に座りなおす。
「魔女処刑には役に立ちますわね。もう、執務の邪魔ですから出て行って下さらない?」
 ヴァルターに背を向けたままフィーネペルルは冷たく言う。
「私が、その影を。闇を……御す方法を知っていてもですか?」
「御す?!」
 フィーネペルルは反射的に後ろを振り向いた。
「ええ。騎士は人を殺す職業です。いくら正義を通すためでも。その正義は一時的に自分の所属する国でしか通用しないのです。人の数だけ、国の数だけ、正義はあり、光と闇が生まれます。騎士は光であると同時に闇でもあるのです。姫君も光と闇の間で苦しまれている。国王陛下は心配なさっていました。ですから闇と同居している騎士を護衛につけたのです。今まで護衛が付いたことはありましたか?」
 いいえ、とフィーネペルルは言う。なんだか泣き出しそうな顔に思わず、抱きしめて慰めたい気になる。どこからそんな気持ちが沸き起こるのかもわからず、ヴォルトは続ける。
「試用期間を設けてみませんか? 私が護衛に役に立たないとわかれば、陛下に行って任を解く。それで手を打ちませんか?」
「手を打つ、って、泥棒が策を練っているようだわ」
「まさしく、そうです。私はあの姫の力を知っている。黙らせておくなら側に置いておく方がよいと思いますが?」
「ズルいのね」
 フィーネペルルは言う。もう、泣き出しそうな顔ではなかった。むしろ、隠し事を共有した子供のように目を煌めかせていた。
「乗ったわ。その話。試用期間はあなたに任せるわ。これからエルマにまたミルクをあげないといけないの。ついてくる?」
「ええ。もちろん、お供します」
 そう言ってヴァルターは肘を出す。エスコートするとでも言うらしい。笑いがこみ上げてくる。
「あなたみたいな変な方ははじめてよ」
「それはよかった。変わり者といつも言われていますから。さぁ、エルマ。エルフィ。行くぞ」
 もう、自分が飼い主のように言って歩き出す。それを隣のフィーネペルルは面白そうに聞く。当分、退屈しなさそうだ。フィーネペルルは思いながら廊下を歩いていた。


あとがき

やっぱり夜型になってます。明日は通院。早く寝て起きないと行けないのに、「風響の守護者と見習い賢者の妹」でのメンバーの武器を考えて、設定を見れば既に考えていた、という。お間抜けな事をしでかしてました。

水のエレメントを入れてみたかったのですが。元々が氷と炎の国の話だったため、水の国の設定が入ってないんです。まぁ、ChatGPTさんに丸投げした私が悪いんですが。作り直そうかなと思ってます。武器の設定は。でも再設定するのも面倒。明日は一日漢検受験対策。明日こそ。

でもなー。第二部らしい武器が欲しい。でも風の国がでてくるので、それを踏まえた設定になって水の国はおそろかになっているChatGPTさん。再設定して考えようかな。設定は考えてもらうので楽です。でも自力でも書いているのでたどり着かないーというところです。まだ出立してない。あと二話は続きそう。早く進むんだーと言いながら書いてます。この話はどうも影の受容をしっかり入れ込んでないかもしれません。最初の方はそうでしたが、ラストは戦の話になり、とんでもない事に。このご時世に戦のことを書くのは抵抗もあるんですがね。認めているみたいで。でもやっぱりファンタジーにはそう言うものが付きものでして。

まぁ、こちらも阪神戦終わっての更新です。今日は勝った。なのに、村上さんが登録抹消。どの球団の交流戦にも使われなくて一度抹消のようで。がーんです。最近、スマホに速報を入れてるのでそういう話がとんとんと入ってくる。本当にはまったな。明日は見れないけれど。地上波がない。って、試合もなかったか? まぁ。、閑話休題。このいちゃつきファンタジー恋愛小説もよろしくお願いします。ここまで読んで下さってありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?