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わからないからいい?

娘が学校で百人一首をやり始めた。
句を見て「どういう意味?」と聞くので、
意味を教えたらびっくりしていた。

例えば、私の好きだった、
持統天皇の句で説明した時。

「春過ぎて夏来にけらし白妙の
  衣ほすてふ天の香具山」

意味:
「どうやら、春が過ぎて夏になったらしい。
  夏になると衣を干すという天の香具山に、
  真っ白な衣が干してあるみたいよ」

娘「えっ…そんな、たいしたことないことを
     言ってるだけなの?」
私「あっ…え、ま、まぁ…」

確かに難しそうな文なので、
なんだかすごく高尚なことを
言っているのだろうと思えるけれど、
意味を知っちゃうと、
現代の普通の句とあまり変わらない。
わかりにくい言語だから
なんだか風情がありそうでいい、
っていうこともあるよね。

古文の枕草子みたいな文章も、
現代訳に直されたものを読むと、
「え、こんな意味?」
と、拍子抜けすること、あるしね。

似たような例で言えば、
フランスに留学中、妹が遊びに来た。
ニースにいたので
近くの海に泳ぎに連れて行ったら、
ビーチでのんびりしていた私たちの近くで、
けたたましく喋りまくっている、
男子学生たちのグループがいた。

妹は休もうとしているのに
うるさくて眠れないといった感じの表情で
チラッと男子学生たちを見たので、
彼らが話している内容を要約してあげた。
「やっべー、新しい学期の登録、忘れてた!」
「まじ? それ、やべーよ」
「まだ間に合うんじゃね?」
「いや、もう締め切られたよ」
「あぁ〜留年だぁ〜」
みたいな会話だよ、と教えたら、
「そんなくだらないことを話してたの?」
と、あきれたように苦笑いをしていた。

わからないフランス語が飛び交っていたので、
多分文学談義かなんかだろうと思っていたらしい。
わからないからいい、ってこと、あるよね…。

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