【ショートストーリー】死刑について
山根あきらさんの企画、
#あなたへの5つの質問 のうち、Q.5に
ショートストーリーで参加させていただきます。
Q.5
あなたの大切な人が殺害されました。
犯人には死刑を望みますか?
それとも終身刑を望みますか?
こうなる前から、死刑についてずっと考えていた。
殺人はいけないと言っておいて、
人が人を裁き、殺めるということ。
結局はそれも殺人。
でもそれは仕方がないこと。
だって相手は人を殺したのだから。
だからその人も死ぬべき?
…なの?
自分の大事な人を殺したんだから、
アンタも死になさい。
アンタには死が妥当、ってこと?
なんだかそれは腑に落ちなかった。
大事な人を殺された人にとっては、
犯人は殺したいほど憎い。
それはわかる。
私も大事な家族を殺されたから。
でももっと広い視野で見てみて。
本当に相手を殺せば満足?
私は違うと思った。
犯人を許せないから向き合わない
というのではなく、
もし向き合えるなら、憎い相手とも向き合いたい。
相手がそういう心を持っている人なら、だけど。
だって本当に話もできない人っている。
人間の心も持っていないような場合もある。
それでも殺せば終わり、ではないはず。
私は、家族を殺した犯人には終身刑を望む。
人を殺した人を殺せばいいというのでは、
犯人と同レベルに落ちるだけ。
犯人には生き地獄を味わって欲しい。
終身刑を生き地獄とも思わない
タイプの人かもしれないけれど。
どちらにしろ、人を殺すことはしたくない。
たとえ自分の大切な人を殺した人でも。
殺人犯として、社会に属さないまま生きて
苦しんで欲しい。
殺せば終わりではないはずだから。
どうせ殺しても終わらない。
遺族の思いはそんな簡単なものではないから。
©2023 alice hanasaki
※この作品はフィクションであり、
私生活とは関係ありません。
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