見出し画像

【介護保険外】開業して初めて、やっかいな人と契約してしまった…

開業して以来、今までお客様には恵まれてきました。

自営業ですので基本的にはマンツーマンの援助。いずれの方とも、お互い信頼関係も築けて良好な関係を保っていました。

↓の著書で書いたように、お客様ごとにいろいろな大変さはありますが、おおむね、「つらい」「この人嫌だ」とか思ったことは一度もありません。

ですが開業から3年経った今、こちらから解約をしたいと思えるほどの方がいます。
今日はそれについてお話を。

ただただ、いろいろな事に自分勝手すぎる・・・それに尽きる

アルゴ インスタグラムより

A様(60代女性)と契約したのは5月上旬、もうすぐ3ヶ月になります。

やはり地域包括支援センターからの紹介でした。ちょうど新規地域で営業を頑張っていた結果が出て、新規契約者も増えてきました。
A様(60代女性)は独居であり、『通院付添』としてサービス利用を希望でした。

A様は去年まで元気でしたが、入院をしてから独居での生活が以前のように出来なくなってしまったとのこと。このパターン、私のお客様の中ではとても多いケースです。

地域包括とのつながりはあったものの、介護保険の認定を受けるに至っておらず、「自立」と判断されていたようです。ただ、今の状態で審査を受ければ要支援にはなるだろうというのが私の見立てです。

実際に契約面接をした時、室内はつかまり歩きをしていて、今のような猛暑になる前の5〜6月には杖をついて買い物に行ったり、散歩をしたりもしていました。

認知症症状も全くなく、正直、サービスが必要なのかと思うほどでした。

😨しかしA様がうちの事業所のサービスを使いたいという思惑は別のところにあったのです…


① タクシー目的で利用しようとする


A様は週に2回、もしくは臨時でそれ以上多くの回数を通院しなければならず、医療費の他にタクシー代が馬鹿にならないとのことでした。

そこで無料で送迎を行っている私のサービスを包括から紹介され、契約するに至ったわけです。

ですが話を聴いてみると、
「行き帰りの送迎だけお願いしたい。病院の中は自分ひとりでもなんとか行ける」
・・・とのこと。

もちろん、これはNGです。白タクになってしまいます。

<参照記事>↓↓

ようは、タクシーを使うよりも私のサービスの時間料金を支払ったほうが安いから・・・という理由でした。

あらかじめホームページやらパンフレット、それから重要事項説明書にも書いてあるのですが、理解されていないようでした。

いえ、白タクはやっちゃいけないことで法律違反にもなる・・・という事までは理解されていたのですが、「それをやるわけにはいけないからサービスは提供できません」というこちらの言い分に理解を示さなかったのです。


実はA様だけでなく、こういうお客様はたくさん過去にいたのです。
ただいずれも、契約や電話問い合わせの段階で「送迎だけでは利用することができない」ことを伝えると理解・納得してくださり、外出サービスの契約には至らなかったのでした。(他の草むしりのサービスとかは使ってくれたりします)

しかしA様は全く納得せず、
「バレなきゃ大丈夫よ。そーいうのやってる人たくさんいるよ。人助けだと思って・・・さ・・・。」
・・・としつこく食い下がってきました。

もちろん、折れるわけでもなく、水掛け論となりました。

最終的には、
・杖をついて歩いていることで転倒の危険性がある
・調子の変動で院内は車椅子を使っていることもある

・・・等の理由で、付添の必要があると判断しました。御本人は納得していないようでしたが、病院への距離的に付添まで含めての料金もタクシーと大差ないということと、付添によって安全性の確保をするという事で契約に至りました。

正直、本当に付添の必要のない方は契約をしてほしくないし、そうなると白タク問題がグレーになってしまうのですが、A様はとにかく必要と判断しました。そうでなければ契約はしていません。


② 当日予約料支払い拒否と、当日キャンセル料支払い拒否


6月の下旬頃、たしかものすごい大雨が降った日が関東でありました。

いつもは近くの杖をつきながらもスーパーで買い物をされているA様でしたが、どしゃぶりで買い物に行く事ができないのでお願いしたいとお電話があり、頼まれた食料品の買い物をお受けしました。

当日の予約は、どのお客様にも当日予約料を頂いているのです。
ところがA様は、
「知らなかった!電話をしたときに言ってもらわなきゃ困る。それだったら頼まなかった!」とおっしゃられました。

当日予約料のことは、重要事項説明書に書いてありますし、契約面接時にも説明をしています。それに同意し契約しますというサインを頂いているわけですから、そういう言い分は困ります。

その旨を伝えたのですが納得されません。そりゃそうです。タクシー代浮かすために私のサービスを申し込んだ人ですから。余計な出費になる当日の予約料になんて納得もしません。

私のサービスは月末締め翌月払いが基本ですので、その日にすぐにお支払いしなくて済むことを伝え、電話で改めて伝えなかった私の落ち度もあると妥協し、当日予約料の半分は値引きすることを伝えました。

その押し問答だけで20分くらいかかっていたので、もう値引きすることで話を終わらせることにしたのです。


別の日。今度は当日の朝、通院付添キャンセルがありました。

なんでも、甥っ子さんが仕事休みなので車で病院につれてってくれるとのことです。

しかし当然ながら、キャンセル料はいただきます。キャンセル料をとったとしても、見込んでいた稼ぎはできないわけですから、私が損をすることにはなります。

ただ、A様。今度はキャンセル料にまで文句を言ってきました。

「そういうのは悪質よ。この前も当日の予約料もらうとか言ってたけどさ…良心的な料金のサービスを売りにしているんでしょ?だったらそんな事やっちゃだめよ…。あんた若くて分からないだろうけど、年取ったら自分で何もかもやるのは難し・・(以下略)」

デイサービスとかで働いている頃、無断キャンセルは幾度となく遭遇してますし、電話してくれるだけありがたいとも思っていましました。

ただ、やはりこれも重要事項説明書で説明して同意のサインを頂いたわけですから、その旨を伝えました。本来、当日のキャンセルは出張費もいただくのですが、今回だけは3日以内キャンセルの500円だけを徴収することで納得してもらいました。


③ 他人の予約を調整してもらおうとする。


個人事業では予約のバッティングは仕方ないです。ただ、どのお客様にも、他事業所のサービスを選択肢にもってくださるよう伝えています。

この日はA事業所、この日はアルゴの事業所・・・というように都度選択して使ってもらうのが一番良いと思います。

A様は週2回の通院というだけでも多すぎると思うのですが、具合が悪い時や様々な検査などで、突発的な通院も入ってきます。こうした時に他のお客様の予約で埋まっていると、A様はお断りはしなくてはなりません。

ただ、A様は既述のように、1円でも多く使いたくない人なので、そもそも高い料金の他事業所を一切使おうとしませんでした。

そこで
「私はどうしてもこの日に使いたいから、予約している人を他の曜日に変えられない?」と言ってきます。

正直、外出の付添でも食事同伴とか理髪などは日をずらしてもらえるし、そういった事も過去にはあったのですが、基本的に2日後とか翌日とか、ギリギリの予約を変えるのは、予約済のお客様にとっても失礼ですし、基本的には予約は早いもん勝ちというのが私の姿勢です。

キャンセル料や当日料の値引きはともかく、他のお客様を巻き込むことはゼッタイしません。でも、A様は
「予約がこの日しかないのよ…」
となかなか折れてくれません。

でも私は言います。
「逆にAさんが予約をしている日に、他の方の申し込みが入ったら、Aさんはずらしてくれますか?」

A様「😅うーん・・・・」

そもそもギリギリ一人でも通院できそうなレベルの方なのに、よくそんなことが言えるものだと呆れてしまいました。
結局、A様がどうしても必要な時は、タクシーで一人で行ったり、甥っ子さんの手を借りたようですね。


後でトラブルにならないように、重要事項説明書にしっかり書いておくこと。そして、書いておくだけじゃなくて、説明すること


過去の記事で、私の事業所の重要事項説明書をみなさまに配布していますが、これは私が練りに練り上げて作ったもので、2,3回変更もしています。

そこにトラブルを見越して、
『悪質なクレームが続く場合は事業所側からサービスをキャンセルできる』
・・・という文言をのせています。

A様が悪質でないことを望みますが、今後、要求やクレームがエスカレートしていく懸念もあります。3ヶ月でこれだけトラブルになってますからね。

こういった時でも、重説・契約書の文言は活きてきます。事業所や私個人、他のお客様が『三方よし』でサービスができることを最優先にしていきます。


それにしても、こういうトラブルの対応というのは、特養やデイサービスで相談員や施設ケアマネをやった経験が非常に役立ってますね。


サポートですか・・・。人にお願いするまえに、自分が常に努力しなくては。