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【不思議な話】人形職人(ショートショート)

 小さな村の職人、エドワード・クレイトンは、美しい人形を作ることで有名だった。彼の手仕事は完璧で、人形たちの目は輝きを帯び、動きは柔らかく、まるで生命が宿っているようだった。

エドワードは森の中にある古い屋敷に移り住み、人形を作り続けた。しかし、村人たちの中には、エドワードの人形を不気味だと感じ、その屋敷を避ける者も少なくない。

――ある夜、村の少女ローラが、エドワードの屋敷の庭に迷い込んだ。彼女は、偶然窓の隙間から見えた人形たちに魅了され、エドワードに会いに行くことを決めた。

 ローラがエドワードの屋敷に入ると、窓からは月の柔らかな光が差し込み、部屋全体を優しく照らしていた。部屋の中央には、古い調度品のテーブルが置かれ、その上にはたくさんの人形が並べられている。

エドワードが言うには、人形には一体一体、村人の名前が付けられているという。人形たちが、生き生きとして見える理由がわかった気がした。人形たちは、ときに彼の孤独を和らげ、ときに彼の愛情を受け止めてくれる家族のような存在なのだ。

ローラは驚きと同時に感動し、その人形たちの世界にますます引き込まれていった。

しかし、その屋敷には運命を変える影が忍び寄っていた。数人の村人が、人形たちを破壊しようと企み、エドワードの屋敷に押し入った。

ローラはエドワードと共に、必死に人形たちを守ろうとしたが、最終的に、屋敷は炎に包まれた。二人は黒煙の中をかいくぐり脱出できたが、人形たちは黒い灰になって消え去った。

――翌朝。
 村からはすべての人影が消え、まるで最初から誰も住んでいなかったかのように静まり返っていた。残されたローラとエドワードは、やれやれという顔をして、人形を作るための工具をがれきの中から探し始めた。

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