「だれかを誘うということ」
2節千葉戦で4-1と快勝し、負け無しで迎えたホーム開幕戦。
相手は今季のJ2最強チームと言っても過言ではない柏レイソル。そんなチームを相手にしてどこまで戦えるのか。 今シーズンのチームの出来映えをチェックするには格好のタイミングであった。
また、オフシーズンの選手・社長のメディア露出、スタジアムにおける趣向を凝らした企画によってどれだけ新潟におけるアルビレックスの熱が高まっているのか、ということもチェックできる良い機会であった。
しかし結果は0-1で敗戦。 久しぶりに2万人が訪れたビッグスワンで今季ホーム初勝利を挙げることは出来なかった。
この日のビッグスワンに入った観客数は20486人。
昨年のホーム開幕戦VS松本戦(22465人)以来の2万人越えであった。
そんな素晴らしいホーム開幕戦で勝つことが出来なかった。
いちサポーターの僕はそれがただ悔しかった。
ホーム開幕戦に向けて是永社長はTwitter上でこんなつぶやきをしていた。
チームの集客戦略ももちろん大切だが、一人のサポーターが知り合いを一人誘うというこのアクションも大切だと僕は思う。
ホーム開幕戦の前、Twitterのタイムラインでは「明日は友だちを誘っていきます!」といったつぶやきを多く見た。
筆者自身も友人を誘い、共にNスタンドで応援した。
この仲間を誘うという行為は非常に勇気がいるものだ。自分の仲間が楽しいと思ってくれるコンテンツなのだろうかと不安にもなる。しかも不確定要素が多いスポーツ観戦ならなおさらのことである。
2月に新潟で行われた「スポーツの未来に僕たちができること」(是永社長とBリーグ千葉ジェッツの島田社長がゲスト)において島田社長がおっしゃっていた「誘うことには責任が伴う」という言葉が印象に残っている。
この言葉を聞いてふと頭に浮かんだのは2016・2017シーズンにアルビが行った4万人プロジェクトである
2年連続で行われたこの企画だが、売り上げは伸びたものの、4万人という数字には程遠い結果となった。
この時のクラブは「4万人集めたいから知り合いを誘ってスタジアムに来てね」とは言うものの、これといった企画やプロモーションをする訳でもなく、ただ4万人というワードを押しつけているだけのように個人的には感じた。
しかし今のアルビはどうだろうか。4万人プロジェクトのような表立った企画はしていないものの、社長や選手の積極的なメディア露出、スタジアムイベント・グルメの充実などなど、今来ているサポーターが新規もしくはかつてのサポーターを誘いやすくなっているのではないか。
「あ、アルビね!このあいだの試合勝ったんだっけ!」
「テレビに社長が出てるの見たよ!」
こんなことを言ってもらえる機会が僕の周りでは多くなったように感じる。これこそが新潟におけるアルビレックス新潟への熱の高まりだと思う。
20000人が入ったホーム開幕戦では惜しくも勝利を挙げることは出来なかったが、この日に知り合いを誘ってスタジアムに訪れたサポーターに聞きたい。
「知り合いを誘ったことを後悔しているだろうか」
「もう誰かを誘うことはやめようと思っただろうか」
この日に知り合いを誘ったサポーターの一人として僕はこれらの質問に強くNOと答える。
「サッカー観戦ってこんなに楽しいんだよ!」
「こんなに大勢の人が来るイベントが新潟でも週末にやってるんだよ!」
「アルビって最高でしょ!」
胸を張って、誇りを持ってこう言える。今のアルビなら。
翌週のアウェイ横浜FC戦では3000人を超える新潟サポーターの後押しもあって2-1と劇的勝利をおさめた我らがアルビ。
今週末はホームでアビスパ福岡戦。
みんなで仲間を誘ってスワンに行こう。
今度こそ清五郎にハルヲスイングを響かせよう。
そして誘った人には「どうだ来てよかっただろ」と仲間に盛大なドヤ顔をしてもらいたい。
M.