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博士課程進学を悩む1浪1留のこじらせ vol.1

・はじめに

現在修士過程1年である私が、博士進学をしたいが、ためらっている。

この葛藤を誰かに共有したい一心で、GW前の休日に書いているものである。

このnoteは、前編と後編に分けるつもりである。
前編では、自分の背景と性格、なぜ修士に進学したのかを書いた。
駄文で申し訳ないが、考えていることをそのまま書き出したので、最後まで読んで頂けると嬉しい。

・もともとどういう人か(背景)

老齢夫婦の一人っ子で、小さい頃は爬虫類がものすごく好きな子供だった。幸い、そこそこ裕福な家庭に生まれたため、図鑑はある程度は買ってもらえたし、ネット環境も整っていた。知識を溜めて誰かに話すのが好きで、雑学や図鑑を読んだり、テレビを見ていて気になったことをよくネットで調べていた。興味を持ったことは調べて、納得できなければ落ち着かない性格だった。ここでの納得は、筋が通っているかどうかが指標になっていた気がする。“筋が通っている”について、具体例を挙げてみる。実は、ヘビの鼻に嗅覚はなく、単なる呼吸孔であることをご存じだろうか。しかし、嗅覚は優れている。ヘビといえば、舌をペロペロする仕草を思いつく人が多いが、その役割はあまり知られていない。ヘビは、舌にニオイ成分を吸着させて、口内にあるヤコプソン器官でニオイを感知している。この器官は、もともと鼻孔にあり、舌が2つに分かれているのは、その名残だという。仕組みの起源について、ヘビは地中で生きるために手足を退化させた生物だという考えに基づくと、土が鼻孔に詰まってしまってもニオイを高精度に感知する仕組みが必要だったからだと言われている。ここまで知ると、少し落ち着く。小学生の頃、この興味を追求したいと思っていたが、先生からは、「そんなことよりもやるべきことがある。」、「学校の勉強が出来ていないのに、そんなことは考えなくていい。」と言われていた事に、すごく憤りを感じていた。その上、友人に話しても、興味を持って語り合える人はおらず、息苦しさだけが積もっていた。
こんな自分は、学校の勉強が得意ではなかった。宿題は期限までずっとやらないタイプだったし、集中力もなかったし、飽き性だった。この性格は成長しても変わらず、1浪1留というディスアドバンテージを背負うことになった。しかし、数学と物理は得意だった。計算するだけのドリルなどは嫌いだったが、様々なアプローチを試して解くような問題は好きだった。また、科学史を聞くのも好きだった。科学発展の歴史は、偉人たちの試行錯誤の経緯がわかる。振り返ると、筋を通していることを実感できるツールだったのだと思う。楽しめそうだという理由だけで、電子工学科に進学した。

・なぜ修士進学したか(研究に対する動機)

ここまで読んでくれた人には、自分はプライドが高い人間ということが伝わっていると思う。受験期は学力に見合わない志望校を掲げ、低偏差値の大学に進学した友人を馬鹿にして精神を保っていた。大学に入学後も、当初は意識の高い発言をして授業を詰め込んだりしていたが、二ヶ月には週の半分しか大学には行かずにゲーム三昧な生活になっていた。こうなっても、頭のどこかでは、自分は他人と違うと思っていた典型的なプライドが高くて嫌な奴だ。現在でも、少しは改善しているだろうが、捨てきったとは言えない。ただ、少しは改善したと思える出来事があった。
それが、学部生での研究室配属だった。配属が決まった時、指導教官は厳しいことで有名で嫌いだったが、初めてゼミで発表したときに変わった。授業範囲外の熱力学の教科書を自習して、皆の前でホワイトボードを用いて説明する輪講だ。それまで授業をまともに受けていなかった自分は、熱力学がどういう学問かというところから勉強を始めた。それでも、嫌いな教授を見返そうと、自分なりにかなり勉強していったつもりだった。わからないところは徹底的に調べ、発表範囲内ではどこを聞かれても問題がないようにしたつもりだ。そうして望んだゼミは、ボコボコだった。「そもそも、この式がなにを表しているのか理解できていない」、「その証明では論理が破綻している」など1時間半ボコボコにされ続けた。しかし、この教授からの指摘は自分にとって有意義なものだと思えた。理解したと思っていたことも、欠陥がたくさんあったのだ。この頃、筋を通すことに拘ることが非効率だと思い、何も考えずその場をしのぐだけになっていた。このゼミで筋を通すことによって満たされる感覚を思い出した。ここでモチベーションを得て、その後のゼミも真剣に取り組み、フィードバックをもらい、また取り組むというようになっていった。勉強に対しては飽き性で集中力のなかった自分が、割とハードな一年間の卒業研究を楽しくすごせた。一年間楽しめたことは結果の話だが、卒業研究を始めてから二ヶ月程たつと、もっと研究がしたいと思うようになった。ここで、自分がしたい研究、環境のことを考え、外部の大学院を受験することを決意し、現在の所属先に至る。

(後半へ続く)

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