見出し画像

ベンチャー企業でマネージャーをやることの意味と、その心得

 社内での組織構造も縦の階層が増え、各部署でマネジメントを行う人材が増えてきました。このタイミングで、備忘録もかねて「ベンチャー企業でマネージャーをやることの意味とその心得」という壮大なタイトルの記事を残しておこうと思い、今カタカタと打ち込みを始めています。もともとは社内用に書いていた内容ですが、どうせならそのまま外にも出してしまえ!という勢いで公開することになりました。

 結論を先に書くと、ベンチャーでマネージャーをやることは採用市場での競争力がめちゃくちゃ高まります。それはなぜか?というところから順番に書いてみます。

採用市場において希少性の高い人材になれる

プレイヤー業務の大半はAIやロボットに置き換わる時代

  これを読んでくれている誰もが理解していることだと思いますが、人間が行っている大半の業務はAIやロボットに置き換わっていきます。例えば、「今後AIに置き換わっていく仕事や職種」を知りたければ、

AIチャットに一言聞けばテキストベースでの回答が返ってきます。経理仕分も設定を間違えていなければある程度自動で行えます。経営指標も元データが正確で関数が間違っていなければほぼ自動で抽出できます。

 営業トークをテキストベースにして、どんな単語が使われてるかも洗い出すことができます。コールセンター業務もほぼ自動化できます。コンビニは無人になります。タクシーも無人になります。飲食店も無人と有人で二極化しそうです。挙げたらキリがないですよね。

1番価値を出せるのが人に関わるところ

 リアルに不安になったのでついでに「不動産業はなくなるのか?」も聞いてみましたが、ここにヒントがありました。「人間の専門性が必要な業務を置き換えることは難しい」、だそうです。

 不動産で言えば、人の気持ちが絡んでくる営業としての立ち回り、交渉、駆け引き、適切なタイミングでの情報提供、とかはもろに機械に代替できないです。少なくとも自分はそう思ってます。で、本質的なところは「人間の専門性が必要な業務」っていう部分です。これって、マネジメントがもろにそれに当てはまるんですよね。。。

VUCAだなんだと言われて何かと変化の大きい時代


 もはや知らないことはなんでもAIチャットくんに聞きます。AIチャットくんによれば、これからは変動が大きく不確実でかつ複雑で不明瞭な時代がくるらしいです。そしてそんな時代を生き抜くには、優秀なリーダーが求められていると、勝手に飛躍してそう解釈しています。

 どれだけ機械が優秀で効率性があがっても未来のことを考えるのはリーダーだし、描かれた未来の戦略を実行したりリソースを差配して実現していくのはマネジメント側に求められる必須能力です。機械が機械を高め合って目標共有して足並み揃えて業務改善して戦略を実現していく世界が来たらたぶん人間は全滅させられてます。そんなものはドラえもんの世界だけで十分です。

鉄人兵団より

 とはいえロボットやAIはうまく使いこなせば恐ろしく便利で生産性の高い世界が待ってるはずです。とすると、これからの時代に競争力が高くなるのはコモディティ化していく技術や労働力ではなく、人にしかできない仕事であることは明白ですよね。その1つがマネジメント、人の部分です。

 さらに、すでにできあがった組織ではなくこれから形成される組織の中でチーム組成したり新しいルール策定をしながら結果を出していくということ、つまりベンチャーでのマネジメント経験がより一層競争力を持てると考えています。少なくともAlbaLinkでは。

ベンチャー企業のマネージャーに求められる4つの役割

 じゃぁそのベンチャー企業のマネージャーに求められる具体的な役割です。ここはEVeM社の長村さん著急成長を導くマネージャーの型からほぼ引用させて頂いてるのですが、改めて整理しながら書きます。

  1. チームとして成果をだす

  2. リソースを最大限に活かす

  3. メンバーが育つ手助けをする

  4. 他部署連携をスムーズに行う

チームとして成果を出すこと

 まずは第一にマネージャーとして率いたそのチームで成果を出すことです。マネージャーになった以上、少なくとも何名かのチームを率いているはずで、そのチームに対して必ず何かしらの期待役割と求められる成果があります。営業であれば営業数字、総務であれば円滑な会社運営のサポートや整備、経理であれば迅速なお金の管理計測、開発であれば明確に課題解決できるツールやソフトの提供etc。

 ベンチャー企業は目の前に創業者がいて、少し前まではその創業者がすべて担っていた業務の一部を任せられるのがマネージャーです。あくまでも役割分担の一部であり、経営から任せられているものを正確に判断して成果を出していくことが求められます。

リソースを最大限に活かすこと

 そして、任せられる成果を達成するために会社のリソースの一部を預けられることになります。主には人です。場合によってはお金や設備も含まれますが、マネジメントという意味合いで言うと断トツに重要度が高いのが人です。会社の貴重な戦力である人材を率いることを任せられるのがマネージャーになるので、そのメンバーが持っている能力やスキルを最大限に活用することが求められます。

 仮に自分がめちゃくちゃ優秀なプレーヤーだったとしても、与えられた役割を自分1人で全部こなしていればそれでOKかというとそんなことはないはずです。そもそもチームとして成果を求められる以上、1人でできるような結果は期待されていないはずですし、全部1人でやってしまうようなリーダーでついていきたいという人もいないはずです。

メンバーが育つ手助けをすること

 上記2つ、メンバーにうまく動いてもらった上で成果を出していればそれで万事めでたしかというとそんなこともありません。ベンチャー企業は次から次へと役割が変化し、事業も組織も成長します。半年前1年前と同じことをしていて安泰なはずがないです。

 そうすると、マネージャーである自分自身は次の新たな仕事やポジションを見つけて視座を高めたり長期目線で物事を考える必要が出てきます。そうなった時に、たった今自分がやっているポジションを誰かに任せられるか?任せない限りは自分が次のポジションに進めない。そのためには、自分の役割を任せられるような後継者を育てていく必要があります。

他部署連携をスムーズに行うこと

 メンバーを育てながら活用して自チームの成果を出していれば今度こそ100点かというと、そんなこともないです。極端な話、自チームの利益だけを優先的に考えて他部署のことを一切ないがしろにしていたとしたらどうなるか。

 例えば営業チームで数字だけは抜群にやっているけど経理チームのルールをまったく無視する、部長への報告がまったくなく問題があとになって発覚する、情シスが効率化を図ろうにも協力をしない、なんてことになると、自チームは成果を出していても組織全体としてはマイナスです。
(改めて良い本なので買いましょう。アフィじゃないよ)↓

必須になる5つの考え方

 と、ここまでは、会社としてマネージャーに対して求める役割でしたが、ここからはその役割を果たすために必要となるマインドセットやスキルについてです。もっと具体的な「やり方」については割愛しますが、根本的な考え方や姿勢のようなところで弊社で考えているものを羅列していきます。

 ここは思想や価値観が大部分をしめるので、これが正解というつもりは毛頭なく、あくまでも弊社の場合はここを大事にしているというところを書いて行きます。

メンバーの成長を第一に考える

 まずは何よりも重要なことがメンバーの成長を第一に考えること。仕事そのものの意味はそれぞれの価値観に応じて多少なり違うはずですが、ベンチャー企業というフィールドに飛び込んでいる以上は何かやりたいことがある、少しでも成長したいという思想のメンバーが大半です。

 そのメンバー達が成長し、仮説を立ててPDCAを回しながら成果を出していく過程をサポートすることがマネージャーが根底に置いておくべき考え方だと考えます。「あれだけしてやったのに」「これだけやってやったのに」という考えは自分起点。リターンがあるからその行動をとっているという発想で、そんな人に誰がついていきたいと思うか。自分の利はあとです。メンバーが先。

 そもそも、メンバーが出した成果の集合体はそのチーム長であるマネージャーの成果となります。つまりメンバーの成果はマネージャーの成果になるし、マネージャーの成果は対象部署の成果になるし、部署毎に成果を出し続ける組織であれば勝っている会社になれるはずです。時間軸が違うだけです。

 その最上流の工程として、メンバーが考えるキャリアや成長にとことん向き合ってコミットすることがマネージャーが一番忘れてはいけない部分だとAlbaLinkでは捉えています。

自分自身で考え常に自分起点で解を持つこと

 ベンチャー企業は変化が大きいです。組織再編や部署異動、評価設計の変更、事業撤退、戦略方針の変更、事業成長に伴う影響、毎日毎月状況が変わり仕事も変わるからこそ、大企業の一部では担えないポジションが与えられたり仕事を巻き取っていくことができます。そしてそれこそが自分自身の成長に繋がります。

 この部分はプレイヤーにおいてもまったく同じですが、マネージャーとなればさらに裁量や権限が増える分、さらに自分なりの解を持つことが求められます。会社が出した意思決定に対して受け身になって「そうかこう変更したんじゃ不利になるな」という受け止め方をするのか、「もっとこうした方が良いのでは?自分はこう思う、聞きに行って提案しよう」「経営からのオーダーを咀嚼して、自分の言葉でメンバーに伝えよう」と自分起点で解を持ち続けるのではマネージャーとして出せる価値がまったく違ってきます。

 何よりも自分自身で思考し続けるということが大切で、答えを求める前に自分なりの考えを持ち続ける必要があります。そしてその答えを咀嚼しメンバーに伝えていく役割も担っていくことになり、その為には思考の言語化が求められます。

仕組み作りや意思決定に意味を持ち役割の範囲(チーム)に責任を持つ

 マネージャーという立場になると、そのチーム内での仕組みづくりやルール策定、意思決定をするという場面が少なくともプレイヤーより多く求められます。この時に↑の「自分自身で考える」という事とも連動しますが、その意思決定に意味を持たせる必要があります。

 そして、自分で決めたことに対して責任を持つ。マネージャーである以上、ここは避けて通れません。いつまでも上からの決定を待っている状態でマネージャーは務まらないので、細かい現場の意思決定は常に思考を止めず進め続ける必要があり、ここはある種覚悟のような側面もあります。

 当然会社としての最終責任は経営者が取るのですが、現場を動かせる権限や裁量を持つ以上、その中での責任は発生します。裁量と責任はセットです。逆に裁量を持たせてくれないのに責任を問われる場面があればそれは構造がバグってしまってます。率いるチームの成果を出すことは役割でもありますが、ここに対して責任を取るという覚悟も必要です。

マネージャーは役割であるという認識

 役職を与えられると態度が急変するという人が極まれにいるらしいですが、(うちにはいない)職位があがったことで偉くなったと感じているのだとしたら大違いで、役職そのものは役割でしかないと考えてます。

 マネージャーは創業者や経営陣だけですべて見渡すことができない部分の意思決定や統率をする役割になりますが、それはあくまでポジションの1つであり、仕事を離れたら上でも下でもないです。当然年齢やそれまでの経歴など人としての尊敬はあってしかりですが、それ以外の役職を利用したマウンティングや下に見た言動行動は一切不要ですよと。謙虚さ皆無で権力任せに威張ってくる人がマネージャーだったらだるいじゃないですか。

全社の価値観を体現し伝えることができる

  最後に、会社で掲げている価値観・行動指針のようなものを体現できているかどうか。マネージャーは経営陣の代弁者です。経営陣のふるまいは常に全社から見られているはずですし、同じようにマネージャーのふるまいはメンバーから常に見られています。

 そのマネージャーが、全社的に掲げている価値観行動指針に沿った動きをしていなくて説得力がでるはずもありませんし、逆にメンバーが逸脱した動きになっていればそれを正すことを期待されています。

具体的にどうすればマネージャーの座を奪えるのか

上司の仕事をすべて奪い取る

 ここまで長々とAlbaLinkで考えているマネージャーの役割や考え方を書いてきましたが、ではそのマネージャーになるためには具体的にどういうアクションを取るべきなのか?答えは簡単で、「今直接的な上司がやっている仕事をすべて奪い取る」ことです。

 直上司の仕事がすべてなくなれば、その上司は必ずどこか違う部署にいくか、さらに上のポジションにいくか、少なからず自分自身がMGポジションにいける異動があるはずです。ベンチャー企業であれば。もしそうじゃないなら、意思決定者が正確に状況を捉えていないかそれだけの仕事をできないかのどちらかです。

↑このくらいの勢いで仕事奪い取って問題ないです。

ゴマすりアピール顔色伺いは無駄すぎ

 ベンチャーの昇進において一番無駄なのが、上司の顔色、経営陣の顔色を伺いながらする仕事です。ベンチャー企業たるや、成長して当たり前、変化が起きて当たり前、原則実力主義、若手の昇進も当たり前、とにかく全社的に成果を出すことが求められます。そんな環境下で上司の方向を向いて、特定の誰かの答えをぶつけにいくような仕事をしていたら成果が出るものも出なくなります。

 属してる部署や自分自身、会社全体も含めて必ず課題はあるし、変化を起せる部分は腐るほどあって、それを常に本質的に捉えて解決していく必要があります。最上位に来るのは会社が目指している姿、その為に進行期で追いかけている目標があり、それを果たすために役割があるべきで、上司の顔色を見ながら仕事をチョイスしてる暇は1秒もないはずです。

 最後の方若干話が逸れて行きましたが、もろもろ書いてきたような事を実行していければどの会社にいってもマネジメント人材として評価を受けられるような人物になれるような気はします。そしてそれは恐らくこの先も機械に代替されず人にしかできない能力。

 そういうスキルをつけられて、自分自身が成長できることこそがベンチャー企業でマネジメントをすることの意味の1つじゃないかなーと思います。マネジメントというスキルが身につけばキャリアにおいての選択肢も広がり、自己決定していける幅が大きく広がると。僕自身右も左もわからない中で少しずつ会社が成長している中で、今はそう感じてます。おわり

絶賛営業部の人材募集中(横浜、千葉、名古屋、大阪支店)です!コーポレートサイトよりお気軽にご連絡下さい。(新卒も相談乗ります)


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?