約10キログラム。

タイトルを見て、何の数字かすぐにわかる人は絶対にいないと思う。むしろ、わかったら「なぜわかった…!?」と驚きを隠せない。

約10キログラム。

それは、今までの僕が持ち歩いていた荷物の中で、最も重かったときの重さである。

高校生の時に、その約10キログラムの荷物を持って、バスに乗り、約1時間ほど、家の最寄りのバス停まで揺られながら立っていた。

約10キログラムの荷物となると、リュックとサブバッグは、はち切れんばかりの状態になる。いつ、持っている紐の部分がちぎれてもおかしくない状態でもあった。

普段の荷物も重い方だが、この時の荷物は異常なくらい重くて、家に帰って速攻で体重計にリュック、サブバッグの順番で載せ、計測する。

「…わーお、だいたい10キログラムだ。どーりで重いわけだ」

冷静に分析し、肩を回す。

そもそも、なぜそんなに重い荷物を持ち帰っていたのか、というと、もうすぐで夏休みが来るから、だった。

夏休みの前日に全部持ち帰るなんてアホらしいと思っていたので、夏休みが始まる一週間前からコツコツと持ち帰っていこうとしていた。

だが、毎日7時間授業、夏休み前の授業は実技科目が少なめで、よりによって分厚い問題集がある数学があり、心配性な性格も重なり…ゆえに、約10キログラムの荷物となった。

「ひぃ…ひぃ…し、しぬ…」

約10キログラムの荷物を持った僕は、休みながら家に帰った。家は山の方にあるので、坂道がきつい。さらに約10キログラムの荷物で、何度か倒れそうになった。

他に重い荷物を持っていた人はいなかったのか、と思い出してみると、同じ部活に所属する子は荷物が多めだった気がする。全く接点のない同級生は、何を持ってきてるんだ…と疑いたくなるくらい薄っぺらいリュックを持っていた。

荷物が少ない人が羨ましかった。荷物が少なければ体にかかる負担も少ない、つまり肩こりにならない!羨ましい!ぐぬぅ!

年齢を重ねても、荷物が多いのは全く変わらない。

あれも必要なのでは、これも必要なのでは、と考えだして…荷物が多くなる。

荷物を少なくする方法、教えてください。

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