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灰汁詰めのナヴォー

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小説っぽいなにかがあります
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2021年7月の記事一覧

嫉妬からの暴言

小さい頃、レスリーという女の子の友達がいた。

本名は覚えていない。彼女の両親を含めてみんな彼女をレスリーと呼んでいる。俺の国では意識の高いペアレンツが子供が幼少期から子供にイングリッシュネーム付けたり、家のなかでは英語でしか話さなかったりする。俺の両親も一時はそうしていた。しかし息子は英語どころか日本語も危ういという様だ。HAHAHA。ちなみに俺のイングリッシュネームはHankだという。

レス

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鉱床マン #風景画杯

鉱床マン #風景画杯

『お疲れさまです』

 とグループチャットに入力、送信。これで今日の仕事は終了だ。これで上司や得意先からか連絡が来ても明日に後回しできる。労働からの完全解放だ。自分は仕事の性質上、在宅じゃできることが本当わずかしかないんでほとんどドラマみたりゲームしたりしていたけどね。

 時刻は5︰30。夕飯のまでに少し時間がある。その前にいつものあれやるか。私は部屋を出て、トイレに入り洗面所に立った。脂っこく

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アボカドのツナマヨ焼き

アボカドのツナマヨ焼き

事情はこうだ。数日前、支配者宛に宅配便が届いた。

中身は大きなアボカド、全部8個だ。ともに仏法を修めていた仲間からお得な価額で買ったようだ。支配者の友人には農業従事者が多く、旬になると色んな果物が有償で届くのだ。

しかし困ったぜ。この支配領ではアボカドが食卓に出た回数は片手の指で数える。しかもどれも俺がやけくそにミキサーにかけて作った紛い物のワカモレだ。支配者は一回もアボカドを料理したことがな

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婦人科医のシズ先生:ジャイアントハリガネムシ

婦人科医のシズ先生:ジャイアントハリガネムシ

 七月のとある午後、一人の女性がエマージェンシールームに運ばれた。名前はサヨカ・ウィスドン、近隣住民の通報を受けて、家近くの堤防の上を徘徊しているところで保護された。

 サヨカの腹が妊娠8月と思われるほど膨らんでおり、膣口から血液まじりの粘液が流れていた。不審だと考えた警察はパトカーのサイレンを鳴らして彼女を病院へ運んだ。事情を聴いた医者は「若い妊婦が死胎してしまったせいで自暴自棄になり、投水自

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