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ドラマ日記『今ここにある危機とぼくの好感度について』(第0話)

朝ドラ史上、最高傑作はどれか?という議論はよくあります。2000年以降であれば、『ちゅらさん』(2001年)、『ちりとてちん』(2007年)、『あまちゃん』(2013年)、『あさが来た』(2015年)などが挙がりがちですが、『カーネーション』(2011年)を推す人も多いようです。

脚本を書いた渡辺あやさんは、普段は島根県在住で主婦をしているということもあり寡作。しかし、担当した『ジョゼと虎と魚たち』(2003年)、『メゾン・ド・ヒミコ』(2005年)、『天然コケッコー』(2007年)などは、いずれ高評価。

2018年、久しぶりに書き下ろしたドラマ『ワンダーウォール』は、歴史ある学生寮の存続をめぐり、大学側と対立する学生たちの青春を描いたもので、当初はBSのみ放送だったものが評判を呼び、後に地上波放送。さらに、2020年には劇場版が公開されました。

恐らくはこの『ワンダーウォール』の世界線で描かれる、連続ドラマ『今ここにある危機とぼくの好感度について』が、来年4月からNHK土曜ドラマ枠で放送されます。主演は松坂桃李さん。

名門「帝都大学」に中途採用された広報担当の真(松坂さん)でしたが、続々と不祥事や問題が発覚。優柔不断な総長、隠蔽体質の理事たち、事なかれ主義の上司らに振り回されていくという風刺コメディ。

総長に松重豊さん、理事たちに國村隼さん・岩松了さん・古舘寛治さんら、上司が渡辺いっけいさんで、クールで鋭いおばさん秘書が安藤玉恵さん。そして、不正を告発した非正規の若手研究者に鈴木杏さんと、豪華な面々。

最後に『ワンダーウォール』から引用。「ベルリンの壁が崩壊した時、境界線としての壁は世界に16しかなかった。しかし2018年現在、建設中のものも含めるとそれは65に増えている」。壁とは分断化された社会の象徴でもあるとすれば、“今ここにある危機”は他人事ではないのかも知れません。




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