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女優ノート『綾瀬はるかさん』

気になる女優さんの出演作についての覚え書き「女優ノート」。今回はドラマ『天国と地獄〜サイコな2人〜』に主演する綾瀬はるかさん。

嘘かホントか、芸能界には「代役ブレイク」という伝説があります。本来、主演にオファーしていた俳優(女優)が、何らかの原因で話が流れ、代役のチャンスをものにした俳優がブレイクする、というもの。

古くは『3年B組金八先生』の武田鉄矢さん(本来は岸田智史さん)、『東京ラブストーリー』の織田裕二さん(本来は緒方直人さん)。最近だと『学校のカイダン』『ちはやふる』の広瀬すずさん(本来は能年玲奈さん)といった具合。

そんな代役ブレイクの一人が綾瀬はるかさん。ドラマ版『世界の中心で、愛をさけぶ』(2004年)のヒロインへのオファーは、当初は同じ事務所の石原さとみさんでしたが、白血病で髪を剃るシーンがあることから、当時グラビアが多かった綾瀬さんが抜擢されたという話です。

映画版に劣らぬ傑作となった同作。教師の葬儀に、クラス代表でアキ(綾瀬さん)が弔辞を読むシーン。突然の雨の中、弔辞を読み続けるアキに、そっと傘を差しかけるサク(山田孝之さん)。二人の性格と、恋のはじまりを感じさせる美しいシーン。最高です。

主演作としては『ホタルノヒカリ』が当たり役ですが、NHK重視派なので次は大河ドラマ『八重の桜』(2013年)。311以降の東北復興支援を目的に、会津出身で、同志社の創始者・新島襄の妻・八重の生涯を描いた作品。

幕末もの大河というと、薩長など討幕派側の作品が多い中、佐幕派の視点で描かれていて新鮮。鶴ヶ城籠城戦でスペンサー銃を持って戦う綾瀬さんが最高にカッコいい。後半やや失速したのは残念ながら、良作。

最後は綾瀬さんが母を演じた『義母と娘のブルース』(2018年)。2巻しかない四コマ漫画を、どうドラマ化すんだろうと思っていましたが、ちょっとびっくりするような傑作となりました。脚本家・森下佳子さん恐るべし。

2000年代から時々登場する、無表情なロボット系主人公の亜希子(綾瀬さん)が、コミカルさを交えつつ、周囲を揺さぶっていく。そして最後は亜希子自身も…。2部構成で、最後はどちらも号泣。みゆき(前半は横溝菜帆さん、後半は上白石萌歌さん)もどちらもよかった。続編求む。

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