「サブタイトル」で楽しむ名作ドラマ

英語のsubtitleは本来は「字幕」のことですが、日本では「副題」の意味で使われることが多く、例えば、ドラマであれば、メインタイトル+各話サブタイトルという場合が多いようです。

2時間サスペンスドラマなどは、新聞のラテ欄を十二分に活用するため、長尺の説明口調&面白サブタイトルが主流であり、例えば『検事・朝日奈耀子』シリーズでは、「真夏の冷凍死体!?温度差80℃の殺人トリックと鍋焼きうどんの謎」(2017年)なんてものもありました。

17日からスタートするドラマ『天国と地獄』の脚本家・森下佳子さんが手掛けた大河ドラマ『おんな城主 直虎』(2017年)。傑作といわれるこの作品は、サブタイトルで遊んでいると話題になりました。

1話「井伊谷の少女」は『風の谷のナウシカ』、9話「桶狭間に死す」は『ベニスに死す』。第21回「ぬしの名は」は『君の名は。』、第41回「この玄関の片隅で」は『この世界の片隅に』など、過去の名作映画・アニメをモチーフにしていました。

森下佳子さんと並ぶ天才脚本家・宮藤官九郎さんも、サブタイトルで遊ぶのはお好きみたいで、例えば『マンハッタンラブストーリー』(2003年)のそれは、第1話「君の瞳に恋してる」、第10話「恋人がサンタクロース」など、ほぼ名曲縛り。

現在、円熟期を迎えている脚本家・野木亜紀子さんの『コタキ兄弟と四苦八苦』(2020年)は“苦”でサブタイトルを統一。逆に『アンナチュラル』(2018年)は、第8話「遥かなる我が家」のように、重層的で意味深、視聴後に腑に落ちる仕掛けになっていました。

傑作青春群像劇『ふぞろいの林檎たち』(1983-1997年)のサブタイトルは、“問いかけ”の中に、深いメッセージが込められていて、ちょっとnoteのタイトルにでも流用してみたいほど。

四流大学生たちが主人公の同作。まずはずばり、第1回「学校どこですか」で最終回は「胸をはっていますか」、社会人編になると、さらに悩みは深くなり、「転職考えますか?」「この頃泣くことありますか?」「そっちの道でいいですか?」「どんな明日が見えますか?」と推移していきます。

他にもまだまだありますが、今日はこのぐらいで。



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