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コロナと子どもの成長と〜マスク論争 続・保育園篇

私が住む区(東京都内)では保育園児はコロナ騒動がスタートして以来、マスクのお願いがなかった。おかげで次女は素顔で通園でき、区の賢明な判断に感謝している。
1/31に保育園の保護者会に出席した。2023年4月から年長児クラスになるための準備内容が記載された配布資料の中に、下記一文があり、驚愕した。

「回覧当番の際には、マスクの着用をお願いします。」

回覧当番とは、年長児2名が各クラスを巡り、先生にサインをもらう当番で、娘も年長さんになったらやれると憧れているお仕事だ。
担任の先生は読み上げた後、「マスク着用はご協力いただける方のみお願いします」と口頭で補足した。しかし、保護者会欠席者や出られなかった片方の保護者にとって、口頭の補足はないも同然、事実上の強制になりかねない。ようやくマスク緩和の話が世の中で出始めた今になって、時代に逆行する「お願い」を記載していることに怒りがわいた。

1/27に厚生科学審議会感染症部会から「新型コロナウィルス感染症の感染症法上の位置づけについて」という資料が出されていることがわかった(メディアで報道されておらず、私もtwitterで知った)。

資料内の3.(4)基本的な感染対策(マスク、換気、手洗い等)の項目で以下の記載がある。

https://www.mhlw.go.jp/content/001046575.pdf

保護者会翌日朝、夫が上記資料を保育園に持参し、マスクに関する一文が「個人の主体的な選択を尊重すべき」「子どものすこやかな発育・発達の妨げにならないよう配慮すべき」といういずれにも反すると抗議した。園長は資料について配慮がなかったことに謝罪あり。また、園長は上記資料を把握していなかった。保護者会欠席者には口頭で任意であることを補足するとのことだった。

一方、私は区の幼児保育課に「保護者会資料のマスク着用のお願いの一文は区として認識した文章なのか」を電話で確認したところ、区として把握していない、園長判断での記載と言うことを確認した。
厚生科学審議会感染症部会の資料の話をした上で、今卒業式を素顔でという話が出ているなか、在園児のケアも考慮してほしい、時代錯誤な園長独自の判断を書面にしないでほしいことを伝えた。

夕方お迎えに行った時に園長に呼び止められた。
資料について配慮が足りなかったことについて謝罪を受けた。我が家に対して謝罪が欲しいのではない。我が家は「お願い」は強制ではないことは知っているので従わないが、問題はマスクの着用をお願いします」という言葉が一人歩きし、従順な保護者は従ってしまうこと。過剰な感染対策はしないと政府の指針が出ており、せっかくここまで素顔で来たのにどうして逆行するような呼びかけをするのか?

「感染が怖いです。。」
いろいろ質問を変え、最終的に出てきた園長の本音。声が震えていた。
毎日感染に怯えながら仕事をしているとは、何とも気の毒である。ただし、それがコロナ禍スタート時なら分かる。今はオミクロン株になって弱毒化され、重症化率・致死率ともにインフルエンザより低いことは、メディアでも報道され始めている。

「コロナ禍」での保育園の運営はさぞ気を遣うと推測する。ただし、カンセンタイサクは3年間何一つアップデートされていない。
長女の時から園長は何人か交代しているが、現園長はそもそも頼りない印象で、園に赴任して1年経過してもなお不安気にしているのが見てとれ、馴染めていない雰囲気を感じる。
とはいえ、コロナ前にも保育園ではノロウィルス、インフルエンザなど各種感染症と共存していた。コロナだけが病気ではないし、感染対策はコロナ前に戻してもよい潮時ではないか。
1人の人間として感染が怖い気持ちは尊重するが、保育園運営をする上で子どもたちの心身の成長を見守る立場としての園長の発言とした場合、「感染が怖い」ままで運営されることに不信感を持った。

「感染が怖いなら、家から一歩も出なければ良いじゃないですか。」私は園長に言った。
園長は「そうしたら、生活ができないです。。」と小声ながらも語気を強める。
「本来コロナや風邪は自分の免疫力が強かったら感染しないんです。それはコロナ前も同じですよね。園長先生は24時間マスクしていらっしゃるんですか?子どもたちは感染対策のために生きてるのではないんです。家から一歩も出ないのが難しく感染が心配なら、ご自身がマスクを二重三重にでもしてください。ご自身の心配を他人で解決しようとしないでいただけますか。」
自分の生活を心配する園長を前に、なんだか心底がっかりしてしまって、一気にまくしたててしまった。
現在の保育士の給与ベースは低すぎるので、保育料無償化よりも保育士の給与をもっと昇給して欲しいと常々思っている。人は生活するために働くが、子どもの教育に関わる方にはもっと子どものことを考えて欲しかった。

本来マスクは個人の自由意思、任意であることは大前提である。ただ、学校・幼保はガイドラインに基づいた運営にならざるを得ないことも理解できる。それならば、教育者・保育者は国から出る資料には人一倍敏感になり、その場で最大限の子どもたちのための教育を考え、日々アップデートしていかなければならないと私は考える。それは保護者自身にも言えることだ。大人は子どものための環境整備に最大限の注意を払う義務があると思う。

2/9に再度区の幼児保育課に電話した。
先日私との電話後に園長に事実確認をし、園長も園長の独断でマスク着用の一文を入れた事実と認めて反省しているとのことだった。
課の担当者が「全ての書類を確認できない」と言ってきたが、次のように反論した。「全てを見てほしいと言っているのではないです。コロナ対策は一番センシティブなトピックで今変わるか変わらないかの重要な岐路に立っています。センシティブなトピックについては区としてしっかりチェックしてもらいたいです。」
また、感染対策は保育園内の密室で解決するべきではない話であると考えていると伝え、区と保育園で透明性を高めて一緒に解決していきたいとも提案した。子どもたちの心身の成長のためには、先生たちが率先してマスクを外す、外しにくいならマウスシールドを使う等、移行期の対策も考えられることも話した。
「まだガイドライン自体に変更はないですが、これからどんどん変わってくると思います。2月末にはなんらかの形で出てくるかと」との担当者発言。他律的発言はともかく、前進することに集中しようと切り替える。
「○○さんのこと頼りにしています。またお電話させていただきますね」と引き続き電話をする可能性を残しつつ、電話を切った。

保育園で素顔な保護者は我が家だけで、誰も追随者がいない。(小学校も同様)
3/13以後マスクは個人の判断と政府が言っているが、外したいと思っている人は今から外してほしいと思っている。そもそも任意なので、政府にどうこう言われる筋合いはないが。
もちろんマスク着用し続けていきたい人は自由意思だ。ただ、マスク強要はもう二度と経験したくない。

1人の人間として、日本人成人として、保護者として、動向を見守りたい。

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