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似たような価値観を持つ人で集まることの心地よさと危うさ

ニューノーマル時代になり、オンラインコミュニティに参加する機会が増えました。同じメンバーで定期的に集まる会もあれば、一度きりしか顔を合わせないメンバーで構成される会もあり、コミュニティの密度や質は様々です。

わたしの興味のある分野は「広報」「育休」「子育てとキャリア」「ダイバーシティ&インクルージョン」。これらに関連するコミュニティに参加する機会が多いです。

ダイバーシティ&インクルージョンに本格的に興味を持ったのは、今の会社でのマイノリティ体験がキッカケ。転職者もワーママもほぼいなかった会社で、あらゆる壁(天井?)にぶつかりながら、少しずつ仲間や理解者を増やして今いる場所にたどり着きました。

同じ経験をしている人と共感し合いたいという願望があり、社外で育休中のメンバーや子育て中の人が集まるコミュニティの集まりに参加することが時々あります。どんなコミュニティもそうだと思いますが、同じような立場で悩みを抱えている人が集まると、共感の嵐が巻き起こります。「そうそう!」「わかりすぎる!」みたいな声が飛び交い、話をすることで安心感を得ることができます。これは自己肯定感を高める意味でもとっても重要で、誰かと話して言語化することの大切さを実感する機会でもあります。仲間がいるんだ、と思えるのも心強いですね。

一方で、ダイバーシティに関心のある身としては、同じような価値観を持った人で集まることしかしないままだとインクルージョンが進まないな…とも思うのです。

ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)は多様性と包摂性、と訳します。D&Iって、多様な人=異なる価値観の人たちが混ざり合うので、摩擦も多いしモヤモヤしがちだったりします。が、そのモヤモヤこそがD&Iの本質でもあるのです。

マイノリティだとなおのこと、共感できる人たちでの集まりは居心地がよく、心の安らぎになるのですが、そこにずっと留まっているのはダメだよと自分に言い聞かせています。この心地よさが行き過ぎると、無意識に違う価値観を受け入れなくなる危なさがあるからです。自分達とは異なる状況にある人へも思いを馳せる「俯瞰力」を常に持ちたいなぁと思っています。

似たような価値観の人で集まって共感し合い、傷を癒し、心の充電をした後は、あえて違う立場の人とも関わることを意識する。D&Iの最初の一歩は「折り合わないね」という現実を再確認することなのではないでしょうか。その一歩一歩を繰り返しながら、歩み寄り進んでいくことを大切にしたいです。

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