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episode9 世界中に師匠がいる!名画を模写する魅力

今の私を形成する様々なことを綴っているエピソードシリーズ。
前回は趣味の和太鼓について書きました。今回はもう一つの趣味、名画を模写する教室「えんぴつで名画」について書きます!

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もう何度かこの講座については書いているので、読んでいただいている方には重複することもあるかもしれませんがご容赦を。

改めて。
「えんぴつで名画」とは。

世界中の名画をえんぴつ1本で模写をするというメソッドを、小熊麻紗子先生の指導のもと行っています。絵についてはド素人の私でも、部屋に飾れる絵を描いています(≧∀≦) 

講座に触れたきっかけ


まなびのマーケット「ストリートアカデミー(通称ストアカ)」をご存知でしょうか?

趣味の講座や仕事に繋がるもの、その他お役立ち情報など多岐に渡る講座を選んで学べるサイトです。
空いた時間にフラッと行けるのも魅力で、何度か利用しています。
ここで「えんぴつで名画」の講座も見つけました。

私は元々絵が好きでした。
子供の頃は描くのも好きで、少女漫画のようなものやイラスト、美術の時間の絵画も好きでした。でも特別な才覚があったわけではないので、高校生くらいからは次第に描くことはなくなりました。

大人になると美術館に行って鑑賞する楽しみを知りました。
特に西洋画が好きでした。小学生の頃に家にあった百科事典の美術に関する本で見た、ルノワールの「イレーヌ・カーン・ダンヴェール嬢(可愛いイレーヌ)」に一目惚れ💓それから印象派の絵画を中心に好んで観るように。

ルノワール
「イレーヌ・カーン・ダンヴェール嬢(可愛いイレーヌ)」

絵は描くものではなく観るもの。ずっとそう思ってきました。

初めてこの講座の概要を読んだ時に、名画を模写?できるの?本当に?
信じられない気持ちと描けるかもしれないという期待感で、講座を申し込みしました。

講座はこんな感じ_φ(・_・


初心者向けに最初はえんぴつの持ち方、線を引くところから教えてくれます。
1本の線を引く、丸を描く。これって簡単なようで難しいものです。
初回から絵を描けると思って来た方は拍子抜けするかもしれません。
その後数回、えんぴつで濃淡を表現することなど、えんぴつ1本で様々な事ができることを学びます。
この数回をつまらないと感じる方は続きませんね。向き不向きがあるので仕方ありません。
私はとっても面白かったです!

4、5回目くらいで絵を描きます。
ボッティチェリの名作「ヴィーナスの誕生」ヴィーナスの左目を模写します。
この目の模写は後々に様々な作品を模写する上での基本がたっぷり詰まっているんです。小さな作品ですが、大事な作品でもあるのです。
初めての作品を自分で選んだカラーのマットに収めると、それなりの作品に見えるから不思議!

ボッティチェリ「ヴィーナスの誕生」部分模写

教室で生徒の皆さんにお披露目して拍手を貰えると、照れ臭いけど嬉しいものです。

その次がナポレオンの横顔。

ルイ・ダヴィッド
「皇帝ナポレオン一世と皇妃ジョセフィーヌの戴冠」
部分模写

ここまではみんな一緒。
同じものを模写しても、一人一人全く異なるし、個性が出ます。性格も出ますね。

その後はいきなり展覧会用の小作品に取り掛かる人もいますが、基本的にはいくつかの基本課題を経ています。

「世界中に師匠がいる」とは

先生に聞いた話。
世界の名画を模写する時には描いた画家の脳内にアプローチしている、と。
模写する時には当然のことですが絵をよーく観察します。絵にはたくさんの情報量があります。絵を観察すること=描いている画家の脳を観察していることになるのだとか。
筆のタッチ一つをとっても画家によって違いますし、同じ画家であっても作品によって違いがあります。それらをよく見て同じように描こうとすることが即ち画家の脳内へのアプローチに繋がっているのですね。

だから先生はよく言うんです。
世界の巨匠がみんな絵の師匠だと。
おー!なんか凄い!何百年も前に生きた画家先生に教えていただけている!

レオナルド・ダ・ヴィンチの「花の素描」を模写した時のこと。
描いていて、絵と同じように線を引こうとするとどうも描きにくい。それを先生に伝えると「ダ・ヴィンチは左利きだからね。紙を逆さまにして描いてみて」右利きの私が左利きのダ・ヴィンチ先生の脳にアプローチした時の違和感!ちょっとした衝撃でした。
この絵の模写をした時期に、ちょうどダ・ヴィンチの展覧会があり、この素描画も来ていたのです。実物も見た上での模写は楽しかったです♫

レオナルド・ダ・ヴィンチ「花の素描」部分模写

脳内アプローチという観点から、描かない画家も存在します。
言い方は悪いかもしれませんが「病んでいる」画家の作品は先生も模写する題材として勧めません。
どんなに素晴らしい作品であっても、アプローチするには「危険」な絵もあるのです。
例えばカラヴァッジョ。彼の絵はとても惹かれるものがあり好きなのですが、手は出しません。
どう危ないのか、興味がある方はググってみてくださいねw

模写することで、画家のパワーを得られます。多くはいいパワーですが、選択を誤ると負のパワーも享受してしまうのです。

名画の模写から得られるもの


まずは素敵な作品が手元に残ることですね!
生徒のほとんどは私も含め絵の心得はありませんでした。
描く作品は先生の手は一切入っていません。
展覧会等で作品を観た方は一様に驚きます。絵の勉強をしたこともないド素人が描く作品には見えないからです。
先生に導かれるまま、ひたすら線を引いていった結果、生み出される作品です。
作品には愛着が湧きますし、部屋に飾っても恥ずかしくないものだと自負しています。

絵を描くことで絵そのものにも興味が増します。
講座の中で美術館情報のお話もあり、絵を楽しむ力が自然と身に付きます。
美術館で絵を観るときも、それまでとは違った視点で鑑賞するようになりましたね。

模写は写経に似ているところがあります。とても集中できるのです。
普段忙しなく日々を過ごす中で、時にはこんな時間を持つことで心が鎮まります。
私の場合、集中して線を引いているとアルファー波で脳内が満たされるのか、スーッと眠くなる時があります。とても心地良い感覚でもあります。
そして自己と対峙する時間にもなっています。模写を通じて自分発見!ができます。

最後にもう一つ、老後まで続けられる趣味が出来たこと。
生徒の中にはご高齢の方もいらっしゃいます。楽しげにお教室に来られる姿、展覧会でご友人に作品を披露する姿は微笑ましく、励みにもなります。
私も楽しく長く続けていきたいなと思っています。

展覧会出展作品のご紹介


クラス展覧会は年に一回、秋に開催しています。
私の作品をご紹介します。

1回展覧会出展
パオロ・ヴェロネーゼ「聖ヘレナの夢」部分
2回展覧会出展
パンフィロ ・ヌヴォローネ「金属の器にのった静物」部分
3/5回展覧会出展
ラファエロ「小椅子の聖母」部分
4回展覧会出展
ドガ 「ダンスのレッスン」部分
5回展覧会出展
カペ「自画像」部分
6回展覧会出展
ルーベンス「眠る二人の子供」
6回展覧会出展
フィリッポ・リッピ「聖母子と二天使」部分

最後までご覧いただきありがとうございました。

今後も教室で描いている作品の過程をご紹介する記事を投稿します。

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