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Eyes game∼人の視覚の奪い合い∼

久しぶりのnote投稿になりました。

今回の記事は今最も話題のトピック「*ゲーム」について書きたいと思います。*文中のゲームとは液晶画面を通して遊ぶTVゲーム、PCゲーム、スマホゲーム等を指します。
なぜこのタイミングでこの話題かというと、現在四半期決算が発表されており、日本の二大ゲーム企業、SONYと任天堂の決算が明らかになったからです!そこには今後の巨大トレンドのきっかけとなる重要な数字がありますのでご紹介をさせて頂き、皆さんに現状を理解して頂いた上で僕の今後の見通しで締められればと思います。

現在、コロナ禍の状況でゲーム業界が非常に盛り上がっていることは周知の事実です。では、そのゲームが現在どれほどまで盛り上がっているものなのかSONYと任天堂の各方面の決算分析を引用していきましょう!
(1から10まで書くのは面倒くさいのでいい記事をたくさん引用します!笑)

まずはSONYのFY21 2Qの決算資料から。BUSINESS INSIDERにいい記事が載っていたので引用します。
10月28日に発表した2021年3月期の2Q決算では、2020年度の業績見通しを8月時点から大幅に上方修正。最終利益を57%上方修正し、8000億円(8月時点から+2900億円)、本業の儲けにあたる営業利益でも7000億円(同+800億円)になるとの見通しを公表した。
(引用:https://www.businessinsider.jp/post-223162)

この数字だけ見てもコロナ禍で需要が落ちている中、上方修正を出すほど業績を伸ばしている凄みが伝わるかと思います。
じゃあ実際にどれだけゲームするやつ増えたんや!?という質問ですが、答えはこちらにあります。10/28の日経新聞の記事です。
上方修正の最大の要因はゲーム事業だ。同事業の今期の営業利益は1%増の2400億円から26%増の3000億円に引き上げた。自宅で遊ぶ人が増え、ゲーム機「プレイステーション(PS)4」などの利用者のゲーム時間が9月に前年同月比30%増えた。時代劇アクションゲーム「ゴースト・オブ・ツシマ」などが好調だった。
(引用:https://www.nikkei.com/article/DGXMZO65564280Y0A021C2EA2000/)

なんと1年前と比べて30%もプレイ時間が増えてるんですね。。。驚愕です。。。確かに電車に乗ってても大人でゲームしてる人も普通にいますし、ゲーム実況がメインのTV番組もありますもんね。ってかゴースト・オブ・ツシマなんか子どもがやっても面白くないですよね(笑)

次は任天堂の決算短信、決算解説を見ていきましょう。
またまたBUSINESS INSIDERの記事を引用していきますね。
任天堂が2021年3月期の中間決算を発表した。ひと言で言えば、驚愕の数字だ。すでに世界的知名度を誇る大手ゲーム会社ながら、新型コロナの追い風を受け、売上高が前年同期比「7割増」の7695億円、営業利益は同「3倍増」の2914億円、純利益も同「3.5倍増」の2131億円だった。
中間決算で売上高7600億円超という数字は、過去最高を記録した2008年(8369億円)以来、同社史上2番目となる数字だ。同時に、2021年3月期の通期業績見通しも上方修正。売上高が1兆4000億円(前年比16.7%増)、営業利益が4500億円(同50.0%増)、純利益は3000億円(同50.0%増)と圧倒的な数字が並んだ。
(引用:https://www.businessinsider.jp/post-223616)

これまた半端じゃない数字です。。。
だってコロナが日本で本格化したのなんて3月からなのに、4月∼9月までの数字が売上高7割増、営業利益200%増ってやばいでしょ!マザーズ上場の小型企業ならまだしも、時価総額7兆を超える巨大企業でこの数字は本当に脅威的ですね。。。特に売れたソフトは「あつまれ どうぶつの森」で1400万本以上も売り上げています。ハードウェアもFY21 1Q∼2Qで1250万本としっかり売れています。

さて、ゲーム業界を取り巻く現状の整理はできたのではないでしょうか。
ここからは本題の「Eyes game∼人の視覚の奪い合い∼」について書いていきたいと思います。

読まれた方は気づいたと思いますが、SONYの決算資料の中にちょこちょこ「広告」という文字が出てきます。SONYは映画等の映像事業や音楽事業も展開しているため、それらの事業の主な収入は企業広告によって支えられているのです。
まあ、YoutubeやTV見てても広告いっぱい出てきますよね~。鬱陶しいのですぐ飛ばしちゃうと思いますが(笑)
ただ馬鹿にできないのが、ユーザー側からするとめちゃくちゃ邪魔な価値のないやつらですが、現代においてはお金を生む金の卵となっているのです。。。あんな5秒の広告ですらも。。。それは人間がどのように情報を得ているかというメカニズムに基いたものになります。

人間が情報を得る際に通常は五感(視・聴・嗅・味・触)を用いています。
ただ、この中で視覚から入る情報はなんと80%以上を占めると言われております。(諸説ありますが大体が8割∼9割でした)
(出所:https://quartet-communications.com/info/topics/42776)
実際、体感でも記憶に残るものってほとんど映像として残りますよね。つまりそういうことです。

じゃあ、視覚から得る情報を遡った時を考えてみると皆さんどうでしょうか。今って液晶画面を通して情報を得ることがほとんどじゃないですか?(今この記事を読んでいるあなたがそうです!(笑))
ただ、ひと昔前まではこうじゃなかったですよね。本や雑誌、新聞等の紙媒体がほとんどでした。携帯の画像は荒く、ましてや動画なんて30秒の動画を読み込むのにめちゃくちゃ時間がかかりました。情報の発信源が多方面にありましたよね。
現代は違います。ネットワーク回線の普及、液晶技術の進歩、小型軽量の大容量電池が開発された結果、スマートフォンというデバイス型情報プラットフォームから、さらに自身の「視覚」を通してほとんどの「情報」を得ています。

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AppleとSONYの分かれ道はここにあったんですね。
SONYが時代に先駆けて開発したWalkmanはどんどん小型化を進め、人間の視覚に入ることを避けていきました。しかしAppleのIpodはその流れに逆行し、人間の視覚を獲得する方向へ舵を切っていったのです。

話が脱線しましたが、先述の話はそういうことなのです。2000年以降のインターネット隆盛期からは各企業の間でどれだけ人間の視覚を奪うことができるか、「Eyes game」が繰り広げられていったのです。
Youtubeが全盛を極めている現在、「動画」がトレンドになっています。そこに企業も広告を掲載するため、Youtuberなるものが誕生し、億万長者も生まれています。それだけYouTubeは人の視覚を占有できるからです。そしてその数秒、数分に既に価値が生まれています。しかし、僕は次なる「お金を生むトレンド」はゲームであると考えています。ゲームの領域にはまだまだ企業広告が進出できていません。なぜならこれまでの時代の流れからゲームは子どもがやるもので大人がやるものではなかったからです(2020年1月に香川県で制定されたネット・ゲーム依存症対策条例がその最たるものですね。詳しくはWikipediaで)。

子どもから世間を巻き込んだトレンドって生まれにくいんですよね。だって子どもはお金持っていないから(鬼滅の刃やたまごっち等の例外はありますけど)。けど今はそのゲーム市場が大人にも開かれ始めている。ゴースト・オブ・ツシマのヒットはその序章に過ぎません。多様性が叫ばれ、人権や差別意識が高まっている現在において人間という不確実性の高いキャラクターはもはやリスクにもなってきています。さらには5G通信などネットワーク環境が整備されることで、誤差なく時差なくキャラクターを動かすことができれば実質的な「身体拡張」が可能となり、ゲーム内では身体的差別のない自由で開かれた世界を味わうことができます。
(身体拡張も近未来の面白いテーマなので記事を載せときますね。)

こうやってゲームの可能性を考えると凄くないですか?しかもゲーム業界でのお金の取り方はまだ未成熟でTwitchみたいなサブスクか、ゲーム内課金制、ソフトを買う通常支払い程度しかなく、利用者側からお金を徴収するモデルが一般的です。これがより企業側から取ることができるようになれば、より金額も大きくなり、更なる発展が見込まれるでしょう。
実際に大手IT企業アマゾンやマイクロソフト、グーグル等もゲーム市場に参入してきております。大統領選挙でもバイデン陣営が「あつ森」に選挙本部を開設して話題になりましたね。
(参考:https://www.yomiuri.co.jp/economy/20200925-OYT1T50095/)
(参考:https://blogos.com/article/365579/)

ざっとこんなところでしょうか。
これから生まれてくるスマホネイティブ世代などは、画面の中のキャラクターは自由に動かせて当たり前という認識で成長してくるので、20年後は全く違った世の中が見れそうです。
ちなみに今回の本題にある「Eyes game」は僕が考えた言葉なので、一応ここで定義を書いておきますね(笑)
Eyes game(アイゲーム)とは、情報取得手段としての人間の視覚を占有するために行われてきた企業また個人による市場競争のことを指す。

ご覧頂きありがとうございました。

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