見出し画像

今月の1冊~2021.11

11月。晩秋。今年の秋は暖かい感じですね。なんか冬が来ることを忘れさせてしまうようなそんな感じがします。寒いより、暑い方が好きといえば好きなので、できるだけ冬は控えめになってほしいなと思うのですが、これだけ季節感が薄いとやっぱ晩秋は少し寒いくらいの方が・・とないものねだりな毎日でした。

 

読む本は数あれ、ぐっとくる1冊にはそんなに簡単に出会えない。

そんな中でも毎月1冊もしあれば2冊、自分のなかでこれは・・と思ったものの感想を書いていこうと思います。

本の要約ではないと思うので気になる方は是非ご自身で読んでください!

 

今月は、
旅行者の朝食
米原万里 
 

旅行に行きたい、美味しいものを食べたい・・・そんな私の欲望を、この本には見透かされていたのかもしれません。この本、書店員さんのオススメPOPがあったか、偶然目に入ったかどちらかだったと思いますが、とにかくお呼ばれした本でした。「旅行者の朝食」って書いてあったら、きっといろんな旅先でステキな朝食とかそこでいろんな人に会ったんだろうなーという想像をする方が多いと思うのですが(そして私も紛れもなくそう思っていました)、「旅行者の朝食」ってロシアの缶詰の名前なのですね。そこから度肝を抜かれました。ただし、なんだ旅行記ではないんだという小さな落胆は見事になかったことにされるのがこの本の良さです。いろんな国のそれこそいろんな食べ物、それこそどこかの小さな街の製菓店のお菓子みたいな、絶対いま探しても見つからないようなものまで、それはそれは愛情を持って、そしてただならぬ食欲を持って向き合っていく姿が本当に楽しいし、ステキな本でした。

 

食べ物の記憶って、どうやって作られるのでしょうか。もちろんものすごく美味しいものはそれだけで記憶に残る候補になると思うのですが、なんかそれだけだとどこそこのオムライスが美味しいとか、そのくらいの記憶に止まる気がしてならないです。劇的に美味しくなかったというのもまた、たまに記憶に残っている気もします。次に同じことをしてはならないという危機管理のような感じで笑 

結局一番思い出に残るのは、その食べ物に辿り着くまでの過程がどれだけ大変だったか、そしてそれが美味しくてすてきだったときなんじゃないかというのが、今のところ私の有力な見解です。心地よい仲間と経験を共にしたというのももちろん確率が上がるのですが、一人の時にも、あの時のあの食べ物の感じが最高だったというのが結構ある気がします。だから人だけでもない。そしてすごい並んだとか高いとかそういうコストでもない。偶然の出会いというわけでもない。なんか大変だった時にやっとのことでたどり着いた先の暖かいものとか、どうしても行きたかったのにチャンスが巡って来なくて3年越しの出会いを果たしたとか、久しぶりの再開を盛り上げてくれた懐かしいものとかそういうものが私の記憶の中で生き生きと生き延びています。

 

そして、最近の記憶。つばめグリルのハンバーグです。私のいろんなシーンに登場します。おめでたいとかそういうのではないし、特に何か会った時食べるというのではないのですが、とにかく行くとふわぁ〜っと元気になれる食べ物です。食べたらもうひと頑張りしよう、そんな気分にさせてくれる感じ。なんなのでしょう、あの感じ。やっぱ食べ物ってすごいなぁ。そう思わずにはいられない、愛すべき食べ物です。

食べ物への愛はまだまだ続きます!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?