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今月の1冊~2021.07

7月。梅雨空から真夏へ。一気に暑さが加速。梅雨と真夏の境ってどこにあるのでしょうか。海に入って、あ、夏だなとおもう瞬間なのかな。ぎりぎり梅雨だと、ちょっとだけ水が冷たいというか、水から出たときがなんとなく頼りない感じ。夏といえば夏休み。これまで駆け抜けてきたぶん、今までよりも季節を感じて深く呼吸ができた7月でした。

読む本は数あれ、ぐっとくる1冊にはそんなに簡単に出会えない。
そんな中でも毎月1冊もしあれば2冊、自分のなかでこれは・・と思ったものの感想を書いていこうと思います。
本の要約ではないと思うので気になる方は是非ご自身で読んでください!

今月は、
いま、翔び立つとき
メリンダゲイツ 

おそらくこのタイミングで読んだからなんだと思いますが、一番泣きました。悲しいとか切ないとか、感動するとか映画で泣くことはありますが、そういう感じではなく、なんかこう琴線に触れるという感じだった気がします。生きる場所も、世界もステージも違うのですがこの世界で女性として生きているというただ一点で、その中で女性がもっと幸せに生きていくためにはと考えることということの共通点が、わたしをとても深く揺り動かしてくれました。

まだまだこの社会で女性があたりまえに生きていくことは難しいです。特に社会に対してのキャリアという面では、今まで男性中心に作られた社会に新しい風をふきこむことになるわけで、やはりそれは大変。たとえそれが正解だったとしても、新しいものへの疑念というものは別にジェンダーがどうこうということ抜きにしても極めて自然なこと。生き抜くためには安定して獲得していかないと、という心理は当然なので、社会システムを変えようとした瞬間のぞわぞわ~という感じはいつの時代にもあると思います。それがことジェンダーに関してになると様相はもっと複雑化します。文化というものがそこに根付いていること、そして感情や感覚。社会としては有利になるかもしれないけれど、個人としては一時的に損失が出るとしたら?そんな問いに、自信をもって社会のために個人の損失は受け入れます!という勇敢な人はそんなにいないとおもいます。そういう「現場」でひとつひとつ変えていかないといけないということ、実際変える際におきていることを綴ってくれたのがこの本です。自分のことさえうまくいかないんです、ジェンダーのもんだいは。完璧なパートナーシップを築けたから、みんなにそれを広めたい!なんて思ってやることでもないと思います。むしろ、何か問題をかかえていて、ひとつひとつ乗り越えてきたからこそ、その軌跡をみんなで共有して、少しでもより良い社会にと思っている人の方が多いのではないでしょうか。これは成功ということも、試行錯誤しながら、さらに社会を変えていくということが、この問題の難しさだなと痛感しています。

この難しい問題に、日々奮闘している彼女の姿を、この本で垣間見ることができて、とても勇気をもらいました。うまくいかなくても、それはそれ。次に進むための気づきとしてきちんと受け止める。そんな気持ちを改めて学ぶことができました。私の中でストンと納得できた感じです。ずっと活動しているNPOも今回思い切って代表という立場へのチャレンジがはじまりました。何がどれだけできるのかはまだわからないです。でもやらないで待つよりもやったらなにか変わるかもしれない。そう信じてがんばります。

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