見出し画像

【空き家な人々と対談】3万人コミュニティ“空き家”の会を運営し、そこから何を目指すのか?~ (株)スクリーフ代表取締役 光山さん~

こんにちは、子育て広報の三輪です。

【空き家な人々】インタビューの第4回目ということで、今回は静岡県から飛び出し、Facebookグループ“空き家の会”の運営者でもあり、兵庫県神戸市を中心に空き家再生の取り組みをされている株式会社スクリーフ代表取締役の光山和弥さんにお話を伺いました。

株式会社スクリーフ代表取締役 光山和弥さん

光山さん自己紹介

三輪)光山さん、本日はどうぞよろしくお願いいたします!
まず初めに、自己紹介をお願いたします。

光山)はい、よろしくお願いいたします。

株式会社スクリーフの代表取締役の光山和弥です。現在27歳、生まれも育ちも兵庫県神戸市で、現在も神戸に住んでいます。本業は創業150年以上の石材店に勤めており、本業とは別に神戸市内の商店街の空き店舗を再生して活動したり、Facebookのプライベートグループ“空き家の会”を運営したりと、空き家に関しても活動をしています。
三輪さんとも「空き家の会」を通じてご縁がありましたね。

三輪)そうですね。空き家の会はどんどん会員さんが増えていって規模が大きくなっていますよね。空き家の会についても改めて教えていただけますか?

Facebookグループ『空き家の会』とは?

光山)はい、空き家の会はFacebookのプライベートグループであり、全国各地の空き家に関心のある方(空き家を所有して困っている人、空き家を使いたい人、DIYしたい人、地方創生、社会問題を解決したい人、既に空き家再生している人、空き家関係の企業様)が繋がれる場を提供しています。

空き家の会を本格始動したのは、2022年の春頃ですが、ご紹介や口コミ等でどんどん会員さんが増えていき、現在30,000人(2023年1月)を突破しました!一時は一日に200名の入会があることもあり、2022年は空き家の会が急成長した1年でした。

三輪)30,000人!すごい勢いで増えてらっしゃいますね。
そもそも空き家の会を始められたきっかけはなんだったんでしょう?

『空き家の会』を始めたきっかけ

光山)空き家の会を始めたきっかけは、元々親戚が所有していた有馬温泉エリアの70年以上放置された空き家をフルリノベーションしたことです。当時は空き家に関する知識もないですし、70年以上放置された空き家を見たこともなかったので、単純に面白そうだなと思ってまず見に行ったんです。昔は、男子寮として使用されていたらしく、残置物もものすごかったのですが、その空き家の近くの人に話を聞いてみたり、調べてみたりして何となくできそうだなと思って、再生してみることにしました。それが社会人2年目のころです。

70年以上放置された空き家
現在は、鞄屋さんに貸し出しているそう。

光山)自分はそれまで空き家に関わってこなかったのですが、ボロボロの空き家を再生したのがきっかけで、空き家に関する問題は様々あることを知りました。そこで、全国各地にいる、各分野の強みを持った方々が集まって知識を共有したり活動の相談や発信をする場があったら、お互いの活動にも良い影響を与えられるのでは?と思い立って「空き家の会」を作ったんです。

空き家に携わっていると、個々でコツコツ取り組むことが多いと思うのですが、本当は同じような活動をしている人と繋がって情報共有をしたり褒めてもらったりしたいと思ったんです。空き家という同じテーマに興味のある人たちが交わることで、お互いのモチベーションアップにも繋がる場にもなれているのかなと感じています。オンラインでのセミナーやメッセージのやり取りのコミュニケーションだけでなく、DIY体験会や会員さんが施工したリノベーション物件見学などオフ会も実施しています。今後もオンライン・オフライン両方のコミュニケーションを続けていけたら嬉しいです。

三輪)空き家の会の皆さんの活動を見ていると新しい発見があるので、いつも楽しく拝見しています。それから私も先日東京でのオフ会に参加させていただき、空き家に関わる方と繋がれて、非常に刺激的な時間でした。

私が参加させていただいたオフ会。
リノベーション物件の見学や空き家関係の方々との情報交換会

三輪)光山さんは、現在は神戸市内でも空き家の活用をされていると思うのですが、その活動についても教えていただけますか?

『KIKKAKE PLACE』について

光山)はい、神戸市内の平野商店街という場所の1店舗をお借りして、レンタルシェアカフェやパーソナルジムなどの運営をしています。平野商店街は、三宮から車で10分程度という立地で、利便性は悪くないんですが、歩いている人も少なくご年配の方が多いという場所です。僕はこの店舗をうまく活用して、他地域から人が集まれる場所にしていきたいと思っています。僕のやっている店舗が他の地域から足を運んでくれるキッカケになることで、近隣の店舗にもお金を落としてもらったり、散策してもらったりできる仕組みを作っていきたいと思っています。その目標が達成できるよう、この場所をKIKKAKE PLACEと名付けました。

大人も子どもも一緒に漆喰塗!
みんなでやれば体験会にもなるし、DIYも進むし一石二鳥!

光山)今年中には、店舗の2階もリノベーションを完成させて、コワーキングスペースなどの利用する人が増える仕組みに取り組んでいきたいと思います。

それから、大学生を対象に飲食店出店プロジェクトも企画しています。
大学生が自分たちのチームで、市場調査から販売物の企画、広告宣伝、実店舗の運営・販売をして、そこで得たお金は自分たちのものになるという企画です。アルバイトで稼ぐのではなく、自分たちで考えたことでお客さまからお金をいただくという経験をしてほしいと思っています。それこそ8月にも空き家ゼロにの日関連のイベントとして実施しましたし、3月にも3チーム実施する予定があります。
2022年の空き家ゼロにイベントでは、神戸・平野商店街の空き家を再生し、起業体験カフェに変化させました。

▼2022年の空き家ゼロにの日に関する取り組みはこちら▼

三輪)面白い取り組みが盛りだくさんですね!色んなお話ありがとうございます。最後に、空き家問題について考えること光山さんがこれから取り組んでいきたいことを教えてください。

空き家問題について考えること・『空き家の会+』の誕生

光山)空き家が今後も増えていくのは間違いないと思うのですが、僕は空き家が増えることで“挑戦できる場所が増える”なと考えています。例えば、お店を出したいと思った時に、新しく建物を建てるのではなく、空き家を探すというのが選択肢の一つに当たり前に出てくるようになればいいなと思います。

僕自身も25,6歳の頃に、有馬の空き家をリノベーションしたという経験をしたので、若い世代の人にも挑戦しやすい助成金の仕組みがあると、チャレンジしやすくなりますね。「えっ?まだ空き家再生してへんの?」のような言葉が我々世代から発せられるような、社会全体の空き家に対するイメージが変わったらいいなと思います。

それから、空き家の会についても新たな挑戦をしていきたいと考えています。そこで先日、元々のFacebookのプライベートコミュニティ『空き家の会』の上に、有料の限定コミュニティ『空き家の会+』を作りました。開設から1か月ら足らずで約100名もの方に有料会員になっていただきました。
『空き家の会+』では、空き家を貸したい人と借りたい人が実際にマッチングできるような“空き家使いたい人バンク”を作るなど、より具体的な活動を充実させていく予定です。さらに、空き家に関する事業をやっている人はその告知ができるような場を作ったり、実際に活動できたりする場にしたいと思っています。有料コミュニティで得た資金を使って、“空き家の会”のHPを制作したり、空き家の会の広告を出稿することで、もっともっと会員を増やして色んな方がマッチングできるようにしていきたいです。

▼活動が始まったばかりの『空き家の会+』▼

光山)会員さんの中には経営者の方も多いので、会社のPRにも使ってもらえるのではと考えていて、空き家に関心のある人をターゲットにしている事業であれば、広告費として費用を出すのも効果的ですし、会にとっても良い情報が得られるなと考えています。
無料・有料問わず空き家の会の会員を増やし、本気で空き家再生の市場をつくることで、空き家再生をしている方の社会的意義がより感じられる世の中になっていったら嬉しいです。2023年は、空き家の会の新たなコミュニティ『空き家の会+』を軌道に乗せていくのが一番の目標です。

三輪)ありがとうございます。
今でも3万人と大規模なコミュニティですがより大きく新しい空き家の会も楽しみですね。私も“空き家ゼロにの日”という記念日を通じて、空き家問題を身近に感じてもらえるように取り組みを頑張っていきたいと思います。こちらもぜひよろしくお願いします。

光山)はい、今後ともよろしくお願いします!

三輪)光山さん、本日はありがとうございました!

27歳という若さで、3万人規模のコミュニティ「空き家の会」を運営し、空き家再生の市場価値を高めようとしている行動力に圧倒されました。また空き家の会の皆さんの投稿を見ていると、空き家を持って困っている人や空き家をDIYしているけど悩みがある人など様々な方がいるなと感じています。

空き家問題解決に向けて、同じ志を持つ人と共に活動できたら心強いなと改めて思いました。

これからも【空き家な人々】を取材していきたいと思います。