空き家を旅館にしてみます。#10〜完成しました〜
前回の9話からだいぶ空いてしまいましたが、もう完成しました。
というか完成してもうだいぶ色々進んじゃってます。
どうも執筆って苦手で構えてしまってペンを手に取るのが億劫だったのですが、サムネも凝らず、文章もありのままを綴るようにしていきますね。
これまでのお話はここで振り替えることができますのでぜひ!
さぁ!!さっそく完成した室内をご覧ください!!
まずリビングから。
前の所有者さんがちょくちょくリフォームをしていたみたいで化粧ベニヤが張られていたり、天井にケイカル板が張られていたりしていて、良くも悪くも中途半端に綺麗でした。
せっかくに築古建造物なので、この”古さ”を全面に出したいなぁと思っていました。
なので真ん中の柱はそのままに、まずは天井を落として100年前の天井を露わに。
解体職人さんが早い早い。
これ、自分でやろうと思うとバール片手にひたすらめくって、釘を抜いていくのですが大変ですよ・・・・。
僕は本業が現場監督でもあるので、職人さんの手の早さをいつもみているが故にDIYを自分でする気にならないんですよね・・。
めくった後はこんな感じ。
くう・・・!!すでに良い雰囲気っ・・・!!
そして床に杉の無垢フローリングを張り、
周りの古びた感じの色に合わせるために無垢フローリングに塗装を施す。
床に塗装!?
と思うかもしれませんが、無垢のフローリングには保護の意味合いもあって結構塗装したりします。
ただ、使う塗料には気をつけなければならぬ。
種類によっては床に使わない方が良いものもありますからな。
今回僕が使った塗料はこちら。
自然塗料のOSMO(オスモ)。
科学的なものを一切使わず、植物から採れる油などから塗料を抽出して作られているという代物。
普通の塗料ってシンナーが使われていたり結構臭いがキツかったり、場合によってはアレルギー反応が出てしまったりするくらい刺激があるのですが、OSMOさんはめっちゃ優しいのだ。
そして完成したのがこちら・・・!!
しっっっっっぶ!!
かっこええわぁ・・・・。
これ、リフォーム前よりも古くなってるんですよ。
ね?
これが古さを活かして古くする逆リフォームや!!
そして随所には古さを活かすためのこだわりポイントがあるのでござるよ・・・。
天井を解体した際に露わになったこの土壁や竹小舞たち。
本来であれば、これらは表舞台には出てくることのない役者たちなのだが・・・
あなたが主役ですと言わんばかりにライトアップ!!!
土壁たちもさぞかしびっくりしているであろう・・・。
でも、現代の住宅ではまずこれらを見ることはできないので、だからこそ表舞台に立たせたかったのでござる。
これが古い家の良さであり、味であり、武器なのだよ。
まだこだわりは続く。
この板、隣の和室に敷いてあった野地板というやつ。
本来であれば捨てるくらいに古く寂れている。
だがこいつを捨てない!!
再利用!!
天井に張ってやりました。
こんな味のある材料は手に入らんでござるよ・・・。
こうして随所にこだわりが詰まったこの旅館。
こんな感じに仕上がりました。
そして、5月21日に町内の皆さんにお披露目するためにオープンイベントを行いました!
大人たちだけでなく、子供達の射的大会もこの場所に開催し、大盛り上がりしました。
近隣の皆さんに
「こんなに子どもたちの笑い声を聞いたのは久しぶりじゃ・・・ありがとう」
と、お声を頂きました。
コロナ以降、町の高齢化と共に元気がなくなっていたこの場所に、また笑顔と笑い声を届けられたことをとても嬉しく思います。
そして、そんな場所がかつては誰からも必要とされていなかった空き家から生まれた、という事を誇らしく思います。
これからもこの旅館はこの町のため、国の空き家問題のためにもただ再生して旅館として運営するだけではなく、皆が楽しく真似したくなるような面白い活用を日々模索していこうかなぁと思っています。
その様子をこれからもここに綴っていくのでどうぞ見守ってやってください。