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空き家を旅館にしてみます。#4〜屋内調査編〜

建物の外観をチェックした前回。

複数の材質から成る外壁が厄介でした。
まぁでも空き家なんてそりゃ良い状態になっているわけないんですよ・・。
人が住まなくなると家って本当に傷みが早くなりますからね。
なんでしょう。
空気の流れが無くなってしまうからですかね・・。
人も建物も一人では生きていくのは難しいのですな。

と一人でブツブツ言いながら屋内に入っていく。

ガラッ(玄関を開ける音)

おお・・・。
まず驚きました。

玄関に鍵がかかっていねぇ・・・。

中々に不用心だが、これはこの町が平和な証拠ということでプラスに考えよう。

玄関タイルが古さを出しているが、ダサさは感じない。
レトロな雰囲気が漂って”味”になっているのでしょうな。
古い=ダサい訳ではないですからね。
お次はリビング。

玄関の雰囲気とは少し違って小綺麗にされている。
過去にプリント化粧ベニヤを上張りするリフォームをしているのでしょう。

天井にジプトーン?が張られていて低い感じがするが、取っ払ったら玄関のように味のある梁が剥き出しになり、かなり雰囲気が出そう。
水廻りはどうだろう?

トイレは汲み取り。いわゆるぼっとん便所です。
壁は綺麗だが、さすがにぼっとん便所は今の時代では厳しい…。

現代のトイレは皆さんご存知の通り洋式トイレというやつですが、大前提としてあるのが水で流す“水洗トイレ”。

古家でよく見かける和式トイレも形は古いが、多くは水で流す“水洗トイレ”である。
だが、ぼっとん便所とはその名の通り水を一切使わずダイレクトにう◯こが下にボタボタ溜まっていくスタイルなのだ。

トイレを今どきな洋式の水洗トイレにするには最低でも30万〜はかかるであろう・・。
やはり水廻りは工事費用のウェイトが大きいですな。
そして台所。

ここは一応DKなのだが、キッチンからダイレクトで浴室が見える。お風呂から出たらぶらんぶらん見えてしまう。脱衣所がほしいところ。

水廻りは全体的にやはり古く、総取替えする必要がありそうですね。
そして和室の雰囲気。

嗚呼・・・ノスタルジック・・・ノスタルジック・・・・。

僕はなぜかもの寂しい雰囲気の写真や風景を見ると胸がキュウぅぅってなって何とも言えない気持ちになるんですよ。
小さい頃にお婆ちゃんに田んぼまで手を引かれて連れて行ってもらった記憶が蘇る・・。
自分の手で取った野菜や果物は美味かったな・・・。

この家。
全体的に古さもある。
傷みもある。
水廻りや外廻りの修繕費もそこそこかかる。
活気のある町とは言えず、確実な収益が見込めるようなエリアでもない。

だけどもこの家を何とかしたい。
誰からも必要とされなくなって人知れず誰からも惜しまれずにただただ朽ちていくなんてしてほしくない。

なんかよくわからんがそんな気分になってきた。
恋は盲目とはよく言ったもので、もう細かい事なんて気にしない。
運命ってのは突然動き出すものなんだぜ!!!

次回『この家を僕にください。』

今回のお話は音声メディアVoicyでも配信中。
よりリアルな感情を含んだ音声でも聴いてみてください。