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一度訪れたら秋田がふるさとに=秋田県秋田市=

秋田市の地域おこし協力隊 武藤です。

私がご紹介するのは秋田市上新城にある「みんなの実家 門脇家」です。
「みんなの実家」というキーワード、気になりませんか?
もちろんただの家ではありません。
和室が5部屋、洋室が4部屋(うち2部屋はペット可で一緒に泊まれます)あって、宿泊やイベントができる場所なんです。

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立派な庭の中に立つ門脇家

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夏はここでスイカを食べたり寝転がったりしたいと思わせる縁側

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三間続きの大和室


こちらの門脇家のご主人 門脇 成英(せいえい)さんにお話しを伺ってきました。

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=早速ですが、門脇さんはなぜここで「みんなの実家」を始めたんですか?=
もともと首都圏にいた時に千代田区神田と栃木県那須高原に「おーる秋田ふるさと館」という秋田にゆかりのある人達が集まれる場所を提供していたんです。神田の場所を始めてから10年近く経ったのでこれからどうしようかなと考え始めていた頃、そこに集まる人たちから「実家がなくなって、秋田に帰っても泊まるところがないから作って欲しい」という声が出てきていて、そんな時に知り合いからこの物件を紹介されたんです。
実際に見に来て、ここにみんなが気軽に立ち寄れる場所を作ろうと決めました。

=門脇さんのご実家は仙北市ですよね?秋田市に「門脇家」を作られたのはなぜなんですか?=

ここの場所(家)が気に入ったからです。
最初に見に来た時にここにステージを作ろうとか、ここをこういう風にしようなんて、どんどんイメージが沸いてきたんです。
あと、両隣りが家に囲まれていなくて、(離れの方を指さして)こちら側の隣りが開けている解放感もとても気に入っています。
この場所じゃなければやっていなかったかもしれないし、他の土地でやってたかもしれません。

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元々は車庫だった離れの建物。1階はイベントスペースとなっている。

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離れの裏側は山や田んぼが広がっている ※写真提供:門脇 成英さん

(武藤)ここは集落の端っこでステージやピザ窯がある側は見晴らしが良く、秋田北インターが見えます。
場所が分からない人にも手を振ったら見えそうですね!

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門脇さん自作のステージ

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こちらも自作のピザ窯


=門脇家は民泊という事でいいんでしょうか?=

ここは市街化調整区域のため民宿や飲食店の許可が下りないので、結果的に民泊という形になりました。
その為、食事の提供は出来ないので、好きなものを持ち込みになりますが、ピザ窯やBBQが出来る設備があるので食事については相談してください。
仕出しをとる事も出来ます。

=今までどういう方が利用されていますか?=

旅行で宿泊に来てくれる人はもちろんのこと、秋田在住の方を訪ねて来られたご兄弟やご家族が泊まりにきてくれる事もあります。一回泊まりに来た方が再訪してくれる事も多いです。

(武藤)確かに一度訪れると雰囲気や勝手が分かるし、門脇さんご夫妻を知ると更に実家感が増して、何度も泊まりに来るというのは想像できます。

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看板犬の”さんちゃん“はとっても人懐っこくて、訪問者を歓迎してくれます。

=門脇さんは15(いこう)の会という交流イベントをここで開催されているんですよね?=
今は新型コロナウイルス感染症の影響で休止しているんですが、毎月15日(いこうの日)に身近な人に講演をお願いして、その後持ち寄りで一緒に一杯やるというイベントをやっています。近所の人や私の知り合いも集まってみんなで賑やかに交流するような会です。
私が育った仙北市西木村の戸沢という場所はどんづまりで、地域の絆の強いところだったんですけど、ここに住み始めた頃に近くに住んでいる人同士がお互いをよく知らないという現状を知りました。そういう時代なんだな、とは思ったんですけど災害があった時とか助け合わないといけないし、顔なじみになっておいた方がいいなと思ってみんなが集まれる機会を作ろうと思いました。

(武藤)私も何度か参加させていただいているんですが、いろんな方が集まっていて本当に面白いですよね。その時々で集まる人が違うし、近くに座らないとなかなかお話し出来ないくらいの人数が集まっているんですが、何度かお会いすると「あ、この前もいたよね?」と声をかけていただいて、“顔なじみになる”ってこういう事なんだなと実感しました。
秋田市では飲食店以外でこういった知らない人同士が気軽に知り合って一緒にご飯を食べる場所はとても貴重なので、コロナが落ち着いたら是非また再開してください!
15日のイベントに合わせて門脇家に宿泊するのもいいですね。

=宿泊以外でも利用できるんですよね?=

リビングや車庫を改装したイベントスペースなどは時間貸しもしています。
その他にも、近くにある秋田市農山村地域活性化センター「さとぴあ」と連携してここで講座をやったり、この前はイベント会場として貸して、ヨガをやってピザ窯で焼いたピザを食べるイベントもやっていました。やりたい事があったら相談してください。

(武藤)実際にここに来てみたら、いろんな事が出来そうなスペースなんですよね。敷地内であればお子さん連れでも危険な場所は少ないし、家族連れの方にも喜んでもらえると思います。

=門脇さん自身、移住者ですが、地域に溶け込むために心がけた事ってありますか?=

最初ここに来た時に、自分がどういう人間で何をしたいのかということをチラシにして配って、周りの人に伝えました。そうしたら、近くに住む人達がここでお弁当を食べたり立ち寄ってくれたりするようになりました。

(武藤)やはり最初から自然と人が集まってきた訳ではなく、自分を知ってもらう事から始められたんですね。とても勉強になります。

門脇家は私もよく立ち寄らせてもらう場所なんですが、訪れる度にリビングで誰かがお茶を飲んでいたり、私が門脇さんとお話ししていると誰かが訪ねて来たりします。
イベントではなくでもここで初めてお会いした方と一緒にお茶っこ※を飲んでお話しをしたりするのが門脇家の日常です。
※お茶っこ:「お茶」の方言

また、門脇家訪問のもう一つの楽しみは「来る度になにかが変わっているという事」。手作りのステージが出来ていたり、建物の中や外観が変わっていたりします。
元々は車庫だった離れのある建物は、1階のイベントスペースや2階のペットと一緒に泊まれるお部屋のほとんどの部分を門脇さん自らが作られていて、お風呂やトイレもあります。
今回この取材で訪問した時は離れの外側にキッチンが出来上がっていました。
これで外のイベントをする時にいちいち中まで手を洗いに行ったり、物を取りに行かなくてもよくなり、とっても便利になりました。器用な門脇さんは門脇家のどこかを常に進化させています。

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ビフォー ※写真提供:門脇 成英さん

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アフター ※写真提供:門脇 成英さん


秋田にゆかりがあって実家がなくなってしまった方だけではなく、都会育ちで田舎がない方や秋田に一度も来た事のない方、一度門脇家に泊まりに来たら秋田に実家が出来ます。
優しいご夫婦と可愛い犬のさんちゃんがお迎えしてくれますよ。

みんなの実家門脇家
http://www.all-akita-furusato.jp/
素泊まり 大人・中学生3,500円、小学生2,500円、幼児2,000円 暖房費(11月-3月)+500円
レンタルスペース 1時間 1,000円~
https://www.instabase.jp/space/7056900415

【サムネイル写真提供:門脇 成英さん】
【撮影:秋田市地域おこし協力隊 名谷 宗泰】
【著:秋田市地域おこし協力隊 武藤 沙智子】

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