百人一首ツイノベ解説 #036
大学の夏休みを利用して、僕達は二泊三日の演劇合宿をすることになった。かぐや姫役の女の子に告白する機会を伺う。夜になったら。夜になったら。なんて言い訳している間に朝が明けてしまう。神秘的な雰囲気を纏わせる彼女は、劇が終わると朗らかな表情に戻る。夜が消える。月がどこに隠れた #twnovel
— 秋助/秋乃アキ@感傷リップループ (@akisuke0) March 31, 2020
No.186 月の裏側(百景 36番)
— 秋助/秋乃アキ@感傷リップループ (@akisuke0) March 31, 2020
清原深養父
和歌
「夏の夜は まだ宵ながら 明けぬるを 雲のいづこに 月宿るらむ」
歌意
「夏の夜は、まだ宵のうちと思っているうちに明けてしまった。いま雲のどこに月は宿っているのだろう」#百人一首ツイノべ#アキノベ #140字小説 #ツイノベ
演劇部だった。人生初の公演を終えた自分に、友人は「お前じゃないかと思った」と言ってくれた。あの日のことを振り返ってみても、自分自身でも違う人が心の中に巣くう気がした。
かぐや姫の女の子はどうだろう。静かな彼女が本物だったのか、明朗快活な彼女が真実だったのか。ずっと、誰にも理解できないまま幕が下りた。
(注:和歌の歌意は今日マチ子さんの著書『百人一首ノート』から拝借しています)
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