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【BI編】横浜F・マリノスのリブランディングを考える<その3>【#2022YFM50th】

akira(@akiras21_)です。
今日も元気に横浜F・マリノスサポーターです。

前説、CI、VI編はこちらから。

CI、VIと見てきたので、締めとなる今回はBI(ビヘイビア・アイデンティティ)に注目したいと思います。BIっていっても馬場・猪木じゃないからね!それじゃ早速いってみよう!

BI:ビヘイビア・アイデンティティ

クラブとしてどのように行動するべきか、それをBIとして考えていきたいと思います。本来ならばイベントやキャンペーン施策の打ち方などいろんなものをひっくるめた「行動規範」となるわけですが、ここでは一例としてピッチ内に目を向けてみようと思います。

そう、リブランディングで解釈・再定義したクラブのアイデンティティは「ゲームモデル」にも通ずる要素となるわけです。ここで改めてCIを見てみましょう。

▼ CSR(社会貢献)
▼ EXCITING(魅力)
▼ COLLABORATION(協働)

一見するとサッカーのプレー・戦術などには関係ないように思えますが、少し深掘りすると少しずつ関連性が浮かび上がってきます。

まずCSRは「社会貢献」、すなわち「人々の模範となる」ことです。これはスポーツマンシップに則り正々堂々とプレーすること、そしてマリノスが2014年以降掲げている「FAIR PLAY, FAIR SUPPORT」ともオーバーラップします。

続いてEXCITINGは「魅力」、人々に活力を与えることにつながります。それが結果として「強さ」に現れるわけで、「ただ勝つ」だけではなく「人々に夢を与える面白さを提供する」ことを目指すのがマリノスらしさではないかと思います。

これについては、“ミスターマリノス”こと木村和司さんが現役時代のモットーにしていたという「“勝つ”と“面白い”の両立」に基づいています。

最後のCOLLABORATIONは「協働」ですが、これはそのまま「選手同士の連携」と言い換えることができるでしょう。個々の能力だけで状況を打開するのではなく、それぞれが連携して「1+1=3以上」を作り出すイメージです。ひとりひとりの気持ちを合わせ、一致団結して頂点を目指すクラブの姿勢にぴったりではないでしょうか。

BIと2019マリノスを照らし合わせてみる

ほいじゃ実際のところどうなのさ?ということで、例として2019シーズンのスタッツとともに振り返ってみましょう。

まず「模範的なプレー」として「警告・退場」の数を見てみると、それぞれ1試合平均で警告1.2回(リーグ5位)退場0.1回(同1位)と好成績。言われてみれば比較的クリーンな試合運びをしてたなと思います。

続いて「魅力」。どこに魅力を求めるかと言われると難しいんですが、アンジェ・ポステコグルー監督がしきりに発言していた「アタッキングフットボール」という言葉に沿って、攻撃的要素を示す項目の1試合平均データを抜き出してみましょう。

▼ ゴール数:2.0(リーグ1位)
▼ シュート数:15.5(リーグ1位)
▼ ドリブル数:15.4(リーグ1位)
▼ 30mライン進入回数:56.1(リーグ2位)
▼ ペナルティエリア進入回数:16.7(リーグ2位)

某化粧品会社のCMみたいですがなかなかいい感じ!やっぱり勇猛果敢だね!

最後の「協働」こそ測り方が特に難しいですが、参考までにパス数640.7本(リーグ1位)、ボール支配率61.4%(リーグ1位)というデータが出ています。

「協働」を数値化するとすれば「ひとりひとりの協力・連携があって成立するプレーとは何か?その成功率は?」がテーマだろうとは思いますが、ぼんやりと見てみるだけでも概ねイメージ通りのサッカーになっているのではないか…と考えることができそうです。

おわりに:料理の肝はレシピと味付け

ほか2本と比べてかなりあっさりしてますが、本稿はこのあたりで。

こうしたイメージ・コンセプトをどのように表現するかは監督によって異なりますが、「マリノスとしてこのようなサッカーを標榜している」と示すことは監督人事や選手編成の軸になり得ます。これはつまり「伝統の再解釈」を行う作業であり、その先の「革新」へとつながっていきます。この一連の流れは、最近巷で話題の「戦術的ピリオダイセーション」にも通ずる話でしょう。知らんけど。

また、ファン・サポーターとしてもそうした意図や姿勢を読み取るのに有益で、応援する・したいポイントがよりハッキリとしてくるのではないでしょうか。縛られたり雁字搦めになってしまうのはよくないですが、評価軸として1本立てておくことは理解の助けになると思います。

…と、こんな具合に「マリノス」を作り上げている要素を3つのテーマに分けてさらっと見てみたわけですが、あくまでもベース・たたき台がなんとなく見えてきたに過ぎません。何かしら気付きはあったでしょうか?膨らませられそうなアイディアは見つかったでしょうか?

<その2><その3>はあくまでも枝葉的な部分であり、根幹となるべき最も重要なポイントは<その1>で触れたCI(クラブ・アイデンティティ)です。本稿まで読んでくださった方は改めてCIについて考え、そして再びVI、BIへと考えを進めてくださればと思います。

日産自動車サッカー部から数えてまもなく創部半世紀。きょうも港町・横浜に生きるトリコロールをより身近に、より誇れるものにするべくみんなでサポートする一助となれば幸いです。

それじゃ今回はこの辺で!Jリーグが再開したらまたスタジアムで会いましょう!

【参考】
まりびと | コラム | 木村 和司 | 横浜F・マリノス 公式サイト
https://www.f-marinos.com/maribito/kimura_kazushi/
差別的挑発行為の再発防止に向けた2015年度実績と2016年度の取り組みに関して | ニュース一覧 | 横浜F・マリノス 公式サイト
https://www.f-marinos.com/news/detail?id=3262
クラブ主催「人権研修」に参加してきました。~差別的挑発行為の再発防止に向けて | こけまり
https://kokemari.com/2014/09/02/fair-play-fair-support/
https://www.football-lab.jp/y-fm/?year=2019
横浜F・マリノス 2019 シーズンサマリー | データによってサッカーはもっと輝く | Football LAB
https://www.football-lab.jp/y-fm/?year=2019
リブランディングの意味や目的と展開事例 | ブランディングデザインの会社|株式会社チビコ
http://chibico.co.jp/blog/business/rebranding/

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