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NHK俳句に送って💢没った💢エッセイ7

ねこ餅

 年末、母と一緒に餅搗きをする。搗きといっても餅搗き器を動かすだけである。搗きたての餅は何もつけなくても旨い。母の目を盗んでつまみ食いする。パック物は便利やけど、手作りはやめられないなあ。熱っ熱っと言い
合いながら丸め、鏡餅を床の間に供える。
 わが家では半量をねこ餅にする。半搗き状態の米を残し棒状に成型した餅だ。桜海老や青海苔入りのねこ餅も作る。形が猫の伸び、あるいは手に似ているから名付けられたという。猫の餅ではないよ。私は通常の餅より触感に変化のあるねこ餅の方が好きだ。
 こうして毎年、七草粥の頃にはちょっとお腹が危ないことになっている。母と一緒の餅搗きは、あと何年続けられるだろうか。

餅搗きの部屋より猫を締め出しぬ

NHK俳句には、「季節往来」という読者のお便りコーナーがあります。
その月のテーマに沿った300字程度のエッセイに、それに合う俳句を添え、題名も自分でつけます。

テーマ:餅で出したお便りが没ったので、お亡くなりになったお便りをここにアップし弔うことといたします。

ねこ餅
うちの猫



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