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最高のエンタメは闇を内包する。

香取慎吾さんのライブに行ってきた。
幼少期からテレビ越しに観てきた憧れの存在。

テレビで観ていた香取さんは、遠く、遠く、からでもわかるほど、圧倒的な明るさを持った太陽のような存在だ。

いつでも、どんな時でも、明るく、楽しく。
エンターテイメントを届けてくれた。

そんな憧れの人のライブに初めて行ってきた。

「きゃー」とか、「ひゃー」とか、「わぁー」とか。
テレビやライブDVDで観ていて不思議だった。
泣くほどのことじゃないやろって。

ずっと不思議だった。
叫びにも似た歓声。

登場して数分、真っ白な衣装で出てきたその姿をみて、気がつくと泣いていた。

〜 〜 〜

その太陽は、子供の頃から暮らしの中にいた。
小学生の頃から、毎週月曜22時はスマスマを観る。
おもしろくて、優しくて、かっこいい。
そんな人こそが憧れの存在になった。

「好きなアイドル誰なん?」

当時はモー娘。全盛期。
今思えば、「メンバーの誰が好き?」と言うことだったのかもしれない。

だけど即答で「SMAP」と答えた。

「なんで男やねん。普通は女性のアイドルのこと言うやろ!」

笑われた。
あぁ、確かに。
言われてみたら確かにそうやな。
でも笑われるほどか?アイドルであることは確かやん?

アイドルは、若くてキャピキャピしている人ではない。
年齢や性別を問わず、尊敬できていつでも勇気や元気をくれる、各々の中にある憧れの存在だ。

だから誰がアイドルでもいいじゃない。
今ではそう言える。

〜 〜 〜

そんな人たちの”カタチ”がなくなった時、人知れず考えていた。
自分には何ができるだろう?
そして「SMAP」って、なんだろう?と。

その結果「SMAP=人や時代に寄り添いながら、エンターテイメントで人を楽しませ、挑戦をやめない生き様である」という答えに行き着いた。

バラエティーもドラマにも、

だから”カタチ”がなくなってしまったけど、今でも生き様はなんら変わっていないと思っている。

幼いながらに、群れずにオリジナルの道を進んでいくあの人たちの姿に、どこか影を感じていたようにも思える。

「おもしろくて、かっこいい。でもどこか何かを背負っている人」

それが自分の在りたい大人像なのかもしれない。

「いつか仕事、一緒にできたらな。」

遠い、遠い、1つの目標になった。

〜 〜 〜

ライブの話に戻る。

はじまってしばらく、ただただステージの真ん中にいる輝く姿を一点に見つめていた。

信じられなかった。

この世のものでは無いようなオーラ、存在感。
遠く、遠くにいたけど、その存在たるや大きい。

ちょうどこの日は声援解禁の記念すべき日。
久しぶりの声やコールアンドレスポンスを、本当に楽しんでいた。

ずっと前から今日の日を楽しみにしていたけど、神戸には今日の朝来ました。急いで振り付けもいれました。いつもこんな感じです。(笑)

なんて笑い話にしていたけど、分単位の目まぐるしい日々を送っているんだろうな。

光と音、そしてダンサーの方やバンドの方一人ひとりにスポットを当てた演出。時折、一瞬見える目と目で会話する様子から、お互いの信頼関係を感じた。なんというか香取慎吾一座の”座長”というかんじ。

ライブ時間は約2時間くらいだろうか。
夢のような時間は、名残惜しさを残してあっという間に過ぎ去ってしまった。

〜 〜 〜

帰り道、その時間から受けた感覚を言葉にしたくて駅のベンチに座った。
そこから1時間、動けなくなった。
何を考えるでもなく、ただただ茫然と立ち尽くしてしまった(座ってるけど)

あんな光を放つためには、一体今までどれくらいの大変な思いや時間を越えてきたのだろう。そしてどんな覚悟を持っているのだろう。
「あー、自分の悩みやストレスなんてちっぽけだ」
「しょうもないことで時間を使ってるな」
想像なんて及びはしないし、勝手に比べたりそう考えるのも烏滸がましい。

そして圧倒的に感動したのと同時に、ちょっと悔しくなった。
「自分はまだまだこれからだ」って。
そして「いつか同じ場所でエンターテイメントしたいな」って。

そう思えたことも含めて、なんだか報われたような気がした。
諦めずに、ここまで生きて来れてよかった。

光があれば影もある。
深い闇があるからこそ、圧倒的な光が際立つ。
最高のエンタメは、光も夢も希望も、そして関わる人たちの闇すら全てを内包する。

ライブで観た香取さんは、遠い、遠い、届きそうで届かない月のような存在だった。




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