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にぎた/BA
2019年6月21日 20:17
(→第四話)小さな冒険 バスに飛び乗ったところで、圭司は冷房を消したのか不安になってきた。 外は茹だるような暑さだった。陽炎が揺れ、「よくこんな中を走りまわっていたな」と、自分でも不思議に思えた。 目的地へは、バスでおよそ二十分ほどのところだ。さすがに車内は涼しかった。人も少ない。運転手さんの後ろに座るおばあちゃんひとりだけ。圭司は一番後ろに座って、窓の外を眺めた。 田んぼに挟