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『子鬼のつぶやき』

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「クラブBA」会員、にぎた/BAがお届けする短編ミステリー小説。中学3年生の主人公、半田圭司が進める”推理”の行方は—
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#バス

『子鬼のつぶやき』 第五話

(→第四話)

小さな冒険

 バスに飛び乗ったところで、圭司は冷房を消したのか不安になってきた。

 外は茹だるような暑さだった。陽炎が揺れ、「よくこんな中を走りまわっていたな」と、自分でも不思議に思えた。

 目的地へは、バスでおよそ二十分ほどのところだ。さすがに車内は涼しかった。人も少ない。運転手さんの後ろに座るおばあちゃんひとりだけ。圭司は一番後ろに座って、窓の外を眺めた。

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