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メンタルトレーニングに必要な「スポーツ心理学」

こんにちは、秋元信博
( @kumagaya_sports )です😌



今回は、主にスポーツに関わる
指導者・トレーナー・アスリートの親向けに

臨床やスポーツ現場で役立つ
メンタルトレーニングの指導方法

について執筆していきます。
 
 
この記事で得られるものは…

メンタル(=心)を鍛える理由
指導に役立つ8つの心理的スキル
相手に図解で示せる“感情”に対する考え方
目的達成をサポートするシート作成法
言い訳しがちな心との向き合い方

などなど
他にもたくさんの情報が載っています。


しかし、情報として得られたとしても
実際に現場で活かせないと勿体ないですよね⁇


そこで今回は

実際に僕が臨床やスポーツ現場で
どのように活用しているのか⁇

という部分も踏まえながら
解説していきたいと思います。

それぞれの状況に当てはめながら
読み進めてみてください😊


そもそも「心」とは⁇

「心」と聞いて
皆さんはどんなイメージを持ちますか⁇

「心」のイメージ

いきなり聞かれても
パッと答えることは難しいと思います。

というのも

「心」という表現は非常に抽象的で
文脈に応じて多様な意味合いを持つ
からです。



例えばスポーツなどで
『道具に心が宿る』と表現される人がいます。

剣道で使う竹刀…
サッカーで使用するスパイク…
野球で扱うバッド…

色んな道具がありますが
果たしてそこに「心」はあるのでしょうか⁇





少なくとも
“実態として”心を確認することはできません。

では

“心が宿った”道具を使い続ければ
いい結果を出せるのか…と言うと
そうとも限りませんよね??
*もちろん、道具は丁寧に扱いましょう😓



ここで注目してほしいところは

事象(現実の出来事)と捉え方を混同しない

ということです。
(後ほど詳しく解説していきます)



改めて「心」の定義についてですが…

【 心 】
人間の理性・知識・感情・意志などの
働きのもとになるもの。

参考資料はこちら

一般的にはこのような解釈です。

では

これを『スポーツメンタル』の分野で考えると
どのように捉えていけばいいのか??



ここで考えなければいけないのが
「メンタルトレーニング」の位置づけです。

そもそも…

・メンタルトレーナー
・カウンセラー
・心理士
・心療内科
・心理コンサルタント
・メンタルコーチ

それぞれの役割・領域が
曖昧な印象を抱いている人も
少なくないと思います。

まずはそこから明確にしていきましょう。


“メンタルトレーナー”と“カウンセラー”の違い

次の表をご覧ください。

それぞれの役割・領域

これは学生アスリートやスポーツ選手などの
「心」に対するアプローチを区分するために
必要な役割・領域を示す表です。


大まかに言うと…

マイナスに傾いている心の状態を
「0」に近づけるための「メンタルヘルス」




プラスの方向へ助長させていく
「メンタルトレーニング」

とに分けられます。


両方とも目指す方向(プラス方向)は
同じように見えますが
相手の状態や内容を考えると
明確且つシンプルにその違いが見えてきます。

以下にそれぞれの症例をご紹介しますね。


実際の症例

まずはメンタルヘルスの症例から。

メンタルヘルスの症例

少し極端な例ですが…


臨床でもスポーツ現場でも
いわゆる「鬱(うつ)状態」の人を
見かけることもあるかと思います。

臨床に携わる人であれば分かると思いますが
そのような状態の患者さん・お客さんであれば
アドバイスや意見は先送りにして
まずは傾聴と心の回復が最優先です。

これはスポーツのケガにも言えることで
ケガをした選手にトレーニング指導をしても
『まずは回復が先でしょ!!』となりますよね??


このように

マイナスな状態を一旦「0」に近づけること

がメンタルヘルスの役割となります。



続いてメンタルトレーニングの症例です。

メンタルトレーニングの症例

当院にも通っていた学生で
“サッカーのプロになりたい!!”
という子がいました。

パーソナルトレーニングが目的でしたが
“プロに対するイメージ”について
質問を投げかけると…

“ドリブルで10人抜きできる選手になりたい!!”

という衝撃の答えが返ってきました。笑
(あえてツッコミしないでおきます😂)


気持ちは前向きなのに
目指している目標へ向かうためのプロセスが
抜け落ちている
…とでも言いましょうか。

このように
心はプラスの方向に行く準備ができていても
思考や行動目標が曖昧な時には
明確に前進するための
メンタルトレーニングが必要
です。


メンタルトレーニングの3つの目的

メンタルトレーニングには
主に3つの目的があります。

 
1.実力発揮

2.成長促進(※重要)

3.ヒューマンファースト

 

それぞれ詳しく解説していきます。


1.実力発揮

よく“プレッシャーに弱い”という表現を
耳にする人も多いのではないでしょうか⁇
*プレッシャー:精神的な圧力


冒頭でも
事象(現実の出来事)と捉え方を混同しない
とお伝えしましたが
ほとんどの場合、精神的圧力をかけているのは
他ならぬ自分自身です。

もちろん、緊張しない人なんていません。

みんなそれぞれ期待や不安など
様々な想いをもってスポーツに臨んでいます。


しかし
そうは言ってもプレッシャーに対して
思うように抗えない人はたくさんいます。


ここで大切な考え方として

プレッシャーに抗う必要はない

というもの。

そもそも
“プレッシャーは悪いもの”だと捉えるから
余計なストレスを感じてしまう
のです。

つまり

“抗う”という考え自体が根本的に違う

ということ。



メンタルトレーニングは
緊張を味方にしてストレスを栄養にする
心のベクトル(方向性)を修正する力を
身につけるための訓練です。

決して
「ストレスに耐えられる力を鍛える」という
トレーニングではありません。


ここが理解できていないと
根性論だの気合いだのに身を任せて
自滅してしまうこともあるんですよね…。


もう一度言いますが…

事象(現実の出来事)と捉え方を混同しない

事実は一つ、解釈は無限です。


目の前の出来事に対して
『緊張するな‼︎』と言いたいわけではなく
いい悪いで判断するのではなくて
まずは受け止めることから始めましょう。

そうすれば自ずと
本来の実力を発揮しやすい精神状態へと
誘導することができます。


2.成長促進(※重要)

成長促進に繋がる8つの心理的スキル

さて、ここまでは主に
解釈や捉え方などについて解説してきました。

ここからは実際の臨床・スポーツ現場に
応用しやすい8つの心理的スキル
感情・思考・行動のコントロールについて
ご紹介していきます。



まず、8つの心理的スキルには
以下の内容があります。

【8つの心理的スキル】
①目標設定
②プラス思考
③イメージトレーニング
④セルフトーク
⑤集中力
⑥セルフコントロール
⑦コミュニケーション
⑧試合に対する心理的準備

それぞれの項目に沿って
実際の成功談や失敗談なども交えながら
解説していきますね。


①目標設定

目標を設定する上で重要なことは
たくさんあります。

そちらをご紹介する前に
目標を設定する上で“やってはいけない事”
についていくつか例を挙げましょう。


・「◯◯しない」という言葉を使わない
・抽象的な言葉は使わない
・一人舞台で考えてはいけない



この3つは特に意識した方がいいです。

簡単に理由を説明すると


「◯◯しない」という否定的な言葉は
脳裏にまず“◯◯”がイメージされるので
好ましくない。
*「ゲームをしない」という目標だと
 ゲームがまず先にイメージされるので
 意識せずにはいられなくなる

抽象的な表現では具体性に欠ける。

一人で叶えられる目標ならまだしも
大抵は親や家族、支えてくれる人など
色んな人を巻き込む形になるので
それらを蔑ろにしては
「目標を達成した」としても
それがベストかどうかは別の話となる。


その上で、目的達成のためのポイントとして
『中間地点の適切な配置』があります。


こちらの図をご覧ください。

自分の現在地点は??

例えばA(県大会出場)という目標があって
現在地点がBだとします。

A点とB点を線で繋げれば直線が引けますが
そもそも自分の現在地点(現状)が
把握できていないと点を繋げられません。

それに、目標へ向けての最短ルート
(A点とB点を繋いだ直線)とは言っても
実際にそんなことは不可能に近いです。

現在地点が明確で
何が必要or不必要か理解した時に
初めて“中間地点の適切な配置”ができます。




先ほども例に挙げたサッカーの子は
まさにこの中間地点が曖昧だったので
このような目標設定が必要なんですね。


②プラス思考

「プラス思考」と向き合うためには
「マイナス思考」についても
考える必要があります。

【マイナス思考】
自分にはできない…
どうせ失敗する…というような
 悪い考えに思考が広がってしまうこと

マイナス思考に対するイメージは
おおよそ皆さんも同じ見解かと思います。


では逆に…

なぜできないと思うのか??
失敗する原因は何なのか??
何を根拠に上手くいかないと思うか??


など、もう少し具体的に
「言葉」として掘り出してみましょう。


ここでのポイントは
『抽象的な言葉で片付けない』ということ。

もう一つ言うと
これは「プラス思考」でも同じことです。

なぜできると思うのか??
成功する原因は何なのか??
何を根拠に上手くいくと思うか??

…言葉を“プラス”にしただけですが
こちらも悩ましい質問ですよね??笑



そのようなやり方で
実際に臨床で行ったワークとしては
以下のような内容があります。

「目標」から逆算するワーク

これは、目標を先に書き出した後に
逆算して具体的な行動を考える方法です。

逆算して考えることで
自ずと自分の足りないところが分かるし
『なぜ⁇どうすれば⁇』を考えることは
思考力を高める上でも大切なことです。

ホワイトボードや紙などを用意して
なるべく自分の言葉で書き出すように
してもらいましょう。


③イメージトレーニング

突然ですが、ここで問題です。


紙でもスマホでも何でも良いですが
今から自転車を描いてください。

もちろん
“ちゃんと漕げる自転車”です。

誰もが一度は乗ったことのある…
外に出れば必ず見かける…
あの「自転車」のことですよ。

あ、写真とか実物とか
何も見ないでイメージで描いてくださいね‼︎





いかがですか⁇
ちゃんと漕げそうな自転車ですか⁇笑


ちゃんと漕げる自転車を描くと
こんな感じになります。

自転車のイメージ

車輪もある…
ハンドルもある…
サドルもある…

でも

多くの人はチェーンを書き忘れます。
(僕も描き忘れました😅)

チェーンがないと自転車は漕げない

誰もが乗ったことのある…
外に出れば必ず見かける…
あの「自転車」なのにも関わらず
“ちゃんと漕げる自転車”を再現するのは
なぜか難しいですよね。

*この自転車のイラストは後半で
 “重要な図解”として再登場します



誰もが簡単に
脳内にイメージできるはずなのに
肝心なところが抜け落ちている…

これと同じことが
イメージトレーニングでも言えます。



絵が上手いかどうかはさて置き…

自分の脳内で描いている
理想の姿(イメージ)が
どれだけ具体的に表現できるのか⁇


イラストでも言葉でも
より明確に形にすることが
イメージトレーニングのコツです。



ちなみに僕は学生アスリートに
「ディズニーのミッキー」を
描いてもらうワークをしました♪

結構笑いながら盛り上がれるので
色んなやり方で試してください😊


④セルフトーク

セルフトークとは
心の中でのつぶやきを指す表現です。


人は1日の間に4万〜6万回
心の中でつぶやくと云われています。

つまり、この4万〜6万回の心のつぶやきが
ポジティブかネガティブかによって
心の形成がガラッと変わる
わけです。



ここで一度考えてもらいたいのが
『潜在意識と顕在意識』について。

まずは下の図をご覧ください。




__________
(※試し読みは以上です)


ここまでお読みいただいて
本当にありがとうございます‼︎

実はここまで執筆するのに
開始から10日間もかかってしまいました😅

無料部分も有料部分も手を抜くことなく
『購読してよかったな』
皆さんに思っていただけるよう
心を込めて書いています。

ぜひ感想コメントやスキ・シェアをして
僕を応援していただけると嬉しいです‼︎



では改めて…

ここから先は有料部分となります。

今まで行ってきたアプローチや
参加したセミナー・勉強した内容など…
結構な時間と額を掛けてきました。

臨床でもスポーツ現場でも
色んな場面で使える内容ばかりなので
ご購入された人はぜひ
写真もテキストも自由に使ってくださいね‼︎


では、続きをどうぞ♪

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


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